Samsung好調、携帯出荷の4台に1台を占める――“イノベーション”が急がれるApple調査リポート

» 2013年01月28日 13時46分 公開
[末岡洋子,ITmedia]

 携帯端末市場でSamsungの独走状態が続いている。成長セグメントのスマートフォンはもちろん、携帯電話全体でもSamsungの好調さを裏付けるレポートが調査会社から出ている。その1つ、Strategy Analyticsによると2012年に出荷された携帯電話のうち、4台に1台はSamsungだったと報告している。

 Strategy Analyticsが1月25日に発表した2012年通年の携帯電話市場報告書によると、Samsungは同年、3億9650万台を出荷し、シェア25.2%を獲得した。出荷台数は2011年の3億2740万台から大幅に増加し、シェアは21.2%から4ポイント増えた。同社はSamsungを「スターベンダー」と評価している。

 3億3560万台を出荷した2位のNokiaは、シェアは21.3%を獲得。Nokiaの出荷台数は、昨年の4億1710万台から20%減少した。3位のAppleは前年比46%増の1億3580万台を出荷し、シェアは8.6%となった。4位のZTEは出荷台数が7170万台で、シェアは0.5ポイント減の4.6%。

 全体の出荷台数は、15億7500万台で1.9%増にとどまった。2%を切る低い成長率についてStrategy Analyticsでは、北米と西欧州などの成長国での経済動向や通信キャリアのアップグレードポリシーの変化、コンシューマーの好みの変化などといった要因を挙げている。

 2012年第4四半期(10月〜12月期)のスマートフォンの市場動向を報告したJuniper Researchのレポートによると、Samsungは同四半期、6300万台のスマートフォンを出荷したという。シェアは30%を上回り、スマートフォンの3台に1台をSamsung端末が占めていると報告している。成長を加速させたのはフラッグシップ端末の「Galaxy S III」で、11月だけで4000万台以上を出荷した。

 Nokiaは、「Lumia」ブランドで展開するWindows Phoneの業績は一定の評価が得られたものの、Symbianのマイナスを補填するには不十分とStrategy AnalyticsもJuniper Researchも分析している。

 Appleについては、第4四半期に行われた「iPhone 5」の発表は成功したとStrategy Analyticsは評するが、Juniper ResearchはiPhoneの出荷台数は「予想を下回った」としており、「Samsungが市場をリードする中、Appleはブランドのリーダーシップを維持しつつ、さらにイノベーションに集中する必要がある」とAppleの課題を指摘している。Appleについては、Counterpoint Researchもやや厳しい目を向けており、第4四半期の戦いは勝利をおさめたが、長期的課題として「次のイノベーションの波を作り、信頼度の高いロイヤル顧客を維持するとともに、新しいセグメントを獲得する必要がある」と分析している。

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