正攻法をバカにしない――問い合わせフォームからのアプローチアラフォー起業家の“継続拡大”人脈術

問い合わせフォームから正攻法でアプローチしても、無視されてしまうと最初から諦めていないだろうか。うまくいかなくても誰かにバレるというわけでもなし、ひそかに実行してみるのもありではないだろうか。

» 2009年09月30日 11時53分 公開
[加藤恭子,Business Media 誠]

 最近はWebサイトに問い合わせ先を掲載しておいても、妙な売り込みやスパムばかりだという声をよく聞く。どうせWebサイトのフォームから問い合わせても、無視されてしまうのがオチだ、と最初から「つながる」ことをあきらめてしまっている人もいる。

 だが、つながることもある。

 わたしの場合、Webサイトに来た問い合わせのうち「お金を出せばあなたの会社を当社のサイトで紹介します」などの売り込みはそのまま削除しているが、こちらのことを調べて、打ち合わせを希望する人にはできる限りお答えするようにしている(時間的な制約もあるので、毎回とはいかないが)。

 以前の「型にとらわれず、自ら動く」でも少し触れたが、自分が出版社のWebサイトの問い合わせ先に問い合わせて、実際にそこから著者と交流したこともあった。会うまでいかなくても、メールで丁寧な返信をいただいたこともある。

 こんな話もある。ビジネス書を出している知人(男性)から「知り合い」という会社社長(男性)を紹介されたが、その社長は単なる読者で、「読んで感動しました、一度お会いしたい」と連絡がきて、それから交流がはじまったのだという。

 わたしの友人は、企業に勤務しながら作家活動をしている著名な人と打ち合わせをし、それから交流が続いているという。メディアにたびたび登場する人で、「どうやってそんな有名人に会ったの? 知り合いの紹介なの?」と聞いてみると、なんでも、その企業のお客様相談窓口電話をしてつないでもらったら、お会いできたという。「そんなことで会えるのか!」と目からウロコだった。「すごい人には正攻法では会えない」「問い合わせ窓口は機能してない」という思い込みが、行動を狭めてしまっているのではないだろうか。

 つながりたい相手の知り合いを見つけて紹介をしてもらおうとしたものの、そんな知り合いが自分の周りにいないこともあるだろう。また、比較的取り組みやすい、有名人が参加する勉強会やパーティで出会って交流しようとしても、個性的な参加者が多ければ自分は埋もれてしまい、アピールすら難しいということもある。

 最初から選択肢から外さず、「問い合わせる」という正攻法も試みてみたい。まったく見ず知らずの人へのアクションなので確かに勇気はいるが、うまくいかなくても誰かにバレるというわけでもなし、ひそかに実行してみるのもありではないだろうか。

著者紹介:加藤恭子(かとう・きょうこ)

 IT誌の記者・編集者を経て、米国ナスダック上場IT企業の日本法人にてマーケティング・広報の責任者を歴任。外資系企業ならではの本社へのリポートの方法や、離れた地域にいる国籍の違う同僚とのコミュニケーションを通じて、効率よく実施する仕事のノウハウを高める。現在は、その経験を生かし、IT企業・組込み系システム企業のマーケティング・PR(広報)のコンサルティングを行うビーコミの代表取締役として活動。日本PR協会認定PRプランナー。

 日経BP社、翔泳社、アイティメディア、ダイヤモンド社、アスキーなどで連載や記事も寄稿。インターネットを活用したコミュニケーションも研究しており、複数の学会などでブログコミュニケーションやネットPRに関する発表をしているほか、「CGMマーケティング」(伊地知晋一著、ソフトバンククリエイティブ刊)の編集協力も務めた。青山学院大学国際政治経済学研究科修士課程修了。現在は某大学院の博士課程に在籍し、引き続きコミュニケーションを勉強中。


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