仕事をする上で悩みはつきません。でも、ちょっとしたコツであなたを縛っている負の原因をなくせる方法があるんです。
脱ガンジガラメ――このお題が出てから「何を書こうか〜」とずっと考えていたものの、「これだ!」と思えるテーマがなかなか見つからずに時間が過ぎてしまいました。他の誠ブロガーの皆さんも今回はいつものシャープさが欠けているような……。その理由を考えてみたところ、ブログを書く人たちは「ガンジガラメな状況が何よりも嫌い」。そして「そう(ガンジガラメに)ならないようにしている」からではないか? という考えに至りました。そこで今回は、どうしたら自分にとって嫌な状況から抜け出せるか、考え方のコツを紹介します。
せっかくなのでガンジガラメとは何か? を調べてみました。大辞泉では次のように記載しています。
(1)ひも・縄などを縦横に幾重にも巻き付けて、厳重に縛ること。(2)束縛が多くて自由な行動が全く取れないこと。
ちなみに「雁字(がんじ)」は、(1)雁(がん)が一列に並んで飛ぶさまを文字に見立てていう語。(2)手紙。雁書。「搦(から)む」は、(1)物に巻きつく。巻きついて離れなくなる。まといつく。(2)他の物事が密接に結び付く。(3)理屈をこねたり、無理を言ったりして相手を困らせる――だそうです。
上記に基づいて「何かに縛られて身動きが取れない」→「自由がない」→「嫌な状況」という解釈で、話を進めたいと思います。
生命保険会社から人材育成会社に転職するまでの約1カ月間、事務系のアルバイトをしていました。仕事内容は、朝、決められた時間に出社して責任者が出した仕事を指示通りに遂行することです(具体的には、ファックスで来る受注票をスキャナで取りこんでOCR化します)。作業としては、それを決められた時間内にできるだけ多くかつミスなく処理するかの繰り返しでした。
その仕事を通して私が感じたのは、「同じ場所で、同じ時間、同じことの繰り返しを毎日するのは私には向いていないな〜」ということ。そして「アルバイトで経験しておいてよかった。本職だったら営業に異動願いを出さなくちゃもたないかも〜」と実感しました。
この経験があって私は、「自分には物理的に縛られる環境が向いていない。だからそうならない環境を得よう」としてきました。現在、起業という道にたどり着いたのも自然な流れであるといえるでしょう。
「自分に合わないこと」「向かないこと」「嫌なこと」を知るために、まずはいろいろ経験してみることは大事だと思います。
私が社員として営業に携わっていたころは、成果さえ上げていれば細かなことは言われずに済んだ時代でした。直行直帰、有給休暇の取得、働く時間(一応取り決めはありましたがある程度自分でコントロール可能でした)など、物理的に縛られる要素はほとんどありませんでした。
しかし、その一方で次の2つの要素は発生しました(というか、今でも発生しています)。1つは「売り上げのプレッシャー」。もう1つは「人間関係」です。
目標数字が達成できている場合はいいですが、売り上げというのはいいときもあれば悪いときもある。特に起業後は、売り上げ=自分の生活に直結です。赤字=借金を意味します。「売り上げが上がらなかったらどうしよう……」という心配は年がら年中付きまとう。心配をし始めるとそのことばかりに気を取られ、気持ちに余裕がなくなります。
気持ちに余裕がなくなると、人の言動が気になり始めます。すると相手が自分に言ったことを(相手はそのつもりが全くなくても)悪く解釈したり、相手への対応がきつくなる。結果として人間関係に悪影響を及ぼします。これは物理的に縛られるよりもタチが悪いのです。というのは、本人にまったく自覚がないまま心理的に縛られている状況だからです。
ある時私は「どうしたらお金の心配をしなくて済むだろう?」と考えました。そして人の話を聞いたり、書籍を読んだりしました。しかしなかなかいい解決策は見つかりません。それどころか、考えれば考えるほどいい解決策が得られないため、余計に心配が増大します。
心配で心配で仕方がない状況の時に読んだある本に、次のようなことが書かれていました。
考えるのを止める
「え?」と思いました。その本ではさらに次のようなことも書かれていました。
嫌なこと、心配なこと、不安なこと、そうした状況を脱け出したいはずなのに、あなたは、そのことばかりにとらわれ、ずっと考えていませんか? そして、考え続けても答えがでないのに、考え続けていませんか。あなたの大切な時間を、あなたはずっとそのことばかりに費やしています。あなたにとって、もっと大切なこと、楽しいこと、喜ばしいことを考えることもできるはずなのに。
この一文はかなり衝撃的でした。
そうです。私は自分が嫌だと思うことをずっと考え続け、答えが出ないにもかかわらず悩むことに多くの時間をかけ、無駄な日々を過ごしていたのです。こうした心配をする代わりに私がやるべきことは、できることをすることでした。「売り上げを上げるためにできること」というのは例えば、
など何でもいいのです。心配することから離れ、今の時間を無駄にせずにできることを見つけてしっかりと取り組む。本にもそれが大事であると書いてありました。
このことを知り、私は「心配するよりはマシかも」と考え、その時はオフィスをきれいにしました。すると不思議なことに日ごろからお付き合いのあるお客さまから連絡が入り、仕事をいただくことができたのです。
その時以来、お金のことが心配になった時は自分が心配していることにできるだけ早く気付き、自分が今できることは何かを考えてすぐに行動に移すことにしています。その際の+αのコツとしては、できれば相手が自分にどのような仕事を期待しているのかをしっかりと把握し、その期待を超えるためにできることをする。するとベクトルが合い物事がスムーズに進みます。
この考え方はお金以外のことでも一緒です。例えば、人間関係やその他の心配ごとなど。自分が心理的にガンジガラメであることに早く気付き、前向きになることをする。そうすることで、自分にとって嫌な状況から早く抜け出せます。
物理的にガンジガラメな状況にある人も、実は心理的なガンジガラメを脱け出す方法=できることをすることで、その状況を抜け出すための第一歩につながります。例えば「朝の通勤ラッシュが嫌」ならば「フレックスタイムの出社」や「在宅勤務」ができないか調べてみる。理解をしてくれそうな人に伝えてみる。など、できそうなことに1つ1つ取り組んでいくと、糸がほどけるように解決につながります。
からまった糸が少しずつ解きほぐしていけばほどけるように、今感じているガンジガラメな状況にも解決の糸口はあるはずです。まずは自分にとって何が嫌なことなのかを明確にし、その上でできることに取り組んでみてはいかがでしょうか? きっといい方向に進むはずです。
※この記事は、誠ブログの「ひといくNow! 〜人材育成の今とこれから〜:脱雁字搦め:嫌な状況から抜け出すコツ」より転載、編集しています。
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