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» 2011年12月01日 11時00分 公開

説明書を書く悩み解決相談室:「構造→性質→用途」がポイント――文章に頼らず説明する (2/2)

[開米瑞浩,Business Media 誠]
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 そして江藤さんと私であれこれ話ながら整理した結果、こんなチャートができました。

江藤 おお、こりゃいいですね! なるほどこう書けばすごく分かりやすくなりますね。

開米 構造上の特徴がある性質を生んで、それが特定の用途に使われるというパターンはよく出ますからね。いろんなところで使えますよ。

江藤 そうですね、確かに。これは素材Xの話ですけど、別な素材でもこれと同じパターンでいけそうです。なるほど!

開米 「断熱材」が性質とリンクしていませんけど、これはどうなりますか? ピンクのところです。もう1つ、黄色の「粒子が硬い」というのは?

江藤 断熱材になるのは、これは液体を吸い込むからでも結合強度が強いからでもなくて、内部に空間が多いから、なので、そこまで線を引いちゃうかな? ……あ、待ってください。「内部に空間が多い」ことが、「断熱性」という性質を生むから断熱材に使われる、とすれば……この方がいいな。

開米 そうですね、その方がいいと思います。

江藤 粒子が硬いのは3次元構造の性質というよりはもっとミクロな、それこそ単粒子レベルの話なので、3次元構造の下にぶら下げるのは変ですね。うーん。ま、これはこのままでいいですよ。

開米 じゃ、これでいけそうですか?

江藤 はい! これなら楽に説明できそうです! いやー助かりました、ありがとうございます!

開米 どういたしまして

江藤 それにしてもこういうチャートにすれば……文章を書かなくてもいいんですね?(笑)

開米 ええ、だから、うまい文章書く必要ないんです。気が楽になりました?

江藤 なりますね!

 かくして江藤さんのご相談も一件落着。今回の「構造→性質→用途」というパターンも非常によく使われるものです。ぜひ皆さんの業務文書の中から探してみてください。

 当連載では「分かりにくい説明書を改善したい」というご相談を歓迎しております。「改善案のヒントがほしい」という例文があれば遠慮無く開米へお送りください(ask@ideacraft.jp)。今回のような連載での紹介は、許諾をいただいた場合のみ、必要に応じて内容を適宜編集したうえで行います。

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筆者:開米瑞浩(かいまい みずひろ)

 IT技術者の業務経験を通して「読解力・図解力」スキルの再教育の必要性を認識し、2003年からその著述・教育業務を開始。2008年は、「専門知識を教える技術」をメインテーマにして研修・コンサルティングを実施中。近著に『ITの専門知識を素人に教える技』『図解 大人の「説明力!」』、『頭のいい「教え方」 すごいコツ!』


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