――最後に、読者の皆さんへメッセージがあればお願いします。
山口さん 働き方のバリエーションは、既に広く知られてきたと思います。今は知らないのではなく、「知った」からこその不安を抱いている人も多いのではないでしょうか。
私は、必ずしもフリーランスで働くことを勧めてはいません。Lancersは単純に1つのチャネルと考えてもらえれば良いと思っています。例えば趣味などで身に付けたスキルや知識を、Lancersを通じて誰かの役に立ててもらう。そういう経験をしてみてほしいんです。
もちろん、これまで趣味だったものがお金を得る機会にもなります。Lancersを通じて、小さくても成功体験を得てほしいと思います。
秋好さん 実際サラリーマンとして働いていれば、個人で何をすれば良いのかなんて分からないと思います。今の仕事に満足しているのであれば、無理にフリーランスで働く必要なんてないんです。ただ、少しでも自主自立でやってみたいと望むのであれば、Lancersを手軽な手段の1つとしてチャレンジしてみてほしいですね。
一歩前に出て、何かやってみる。これだけならノーリスクです。その経験から「知る」ことが、結局は本業にも生きてくるのではないでしょうか。
全体をふかんして見られればと思いますよ。正直に言って、突然フリーになるのは高いリスクを伴います。しかし会社員であっても、何かやってみれば、やっぱり何かが見つかるものなのではないでしょうか。
クラウドソーシングは、誰もが自由に働くための場を提供してくれている。それはフリーランスに限らず、会社員として何か新しいことにチャレンジするにも素晴らしい機会となっているのではないか。
少なくともクラウドソーシングの誕生によって、仕事における場所という垣根は、その多くが取り払われた。都市部に仕事が集中しているのは実際であるが、インターネットに地域など関係ない。どこにいても、Webサイトを見れば誰もが同じ情報を得られるのだから。
とはいえ、実際にクラウドソーシングを活用する働き方というものを想像するのは難しいかもしれない。そこで次回は、クラウドソーシングを活用することで、地域関係なくビジネスに取り組む人々を紹介したいと思う。
「誰にでもチャンスがある」。その可能性を、是非とも皆さんに感じてもらいたい。
1983年岩手県生まれ、宮城県育ち。人材コンサルティング会社、Web関連会社での勤務を経て、2010年6月にナレッジ・リンクスとして独立。「時間の自由」を第一としたワークスタイルを実践中。多くのSOHOやフリーランスワーカーとパートナー関係を持ち、業務機会の提供を行っている。プライベートでは2人の子どもを持ち、マラソンやトライアスロンにも挑戦。ITやビジネス全般を中心とした執筆活動も行う。
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