連載
» 2010年02月03日 11時30分 公開

ツール de オシゴト:メールの洪水

新連載「ツール de オシゴト」では、メール以外のコミュニケーションツールやコラボレーションツールを模索する。主人公のマコトは、1日100通を超えるメールを受信する広告代理店のビジネスパーソン。メールが埋もれて見逃すことも数回。過去のメールを検索するのに時間がかかってイライラすることもある。そこで、メールに代わるコミュニケーションが簡単に管理できるコラボレーションツールを模索する。

[後藤康成,Business Media 誠]

 「社外のクライアントもいるし、やはりメールでのコミュニケーションがメインか」。ため息混じりにひとりごとを漏らしたのは中堅の広告代理店に入社して8年目のマコト。先日、プロモーションプロジェクトのリーダーに抜てきされたのはいいのだが、社内外とのコミュニケーションに不安があるのだ。

 そもそも文系出身のマコトはファッション雑誌の広告営業担当だった。その後、ネット媒体に掲載する広告商品の提案型営業を行うネット広告局に在籍している。ネット広告局に配属されたときは多少戸惑ったが、仕事をしていると結果がすぐに分かるこの業界に自分が割と向いていることが分かってきた。今ではネットサービスのトレンドもだいぶ把握しており、知識は局の中でもトップレベル。ネット業界にも人脈を広げ、かなりなじんできたところだ。

 そんな時、ネット広告局のボスである土方局長直々にミッションが下った。大手アパレルメーカーのプロモーションプロジェクトである。そこでマコトは初めてのプロジェクトリーダーに抜てきされた。クライアントを含めて20人弱というプロジェクトチームだが、マコトの会社では比較的大きなプロジェクトである。

 マコトが最初に考えたのは、チームにおけるコミュニケーション。「社外のクライアントもいるし、やはりメールでのコミュニケーションがメインか」。冒頭の悩みにつながるのだ。

 マコトの会社は2年前にメールシステムを刷新。Webメールである「feedpath Mail」を導入したのだった。今流行のクラウドサービスである。当時、情報システム部門の同期から聞いた話だが、Webメール導入時はfeedpath MailのほかにGoogleの「Gmail」が利用できる「Google Apps」も選定候補に上がったらしい。だが、最終的に従業員すべてのメール送受信を蓄積し検索可能な監査機能が優れていたため、feedpath Mailを選んだという。

feedpath Mail(左)とGoogle AppsのGmail(右)

 Webメールになってからは携帯電話スマートフォンからもアクセスできるようになり、外出先でもメールの送受信が可能になった。最近では、ほとんどのコミュニケーションがメールになってきている。特にプロジェクトではメーリングリストを使ったコミュニケーションが中心となっており、メールの送受信の数は多い時では1日100通を超える。

 学生時代からメールでのコミュニケーションに慣れ親しんているマコトは決して不便は感じていないが、プロジェクトの進行を考えると一抹の不安もあった。今回のプロジェクトの規模でコミュニケーションをすべてメールあるいはメーリングリストで行うとなると、プロジェクトリーダーの立場ではほとんどのメールに目を通す必要があり、プロジェクト関連だけでもメールは1日100通、ほかのメールも含めると200通のメールになるかもしれない。

 メールは社内外と簡単に素早くコミュニケーションできるが、数が多くなると埋もれてしまい見逃しも出てくる。さらには過去に送受信したメールを探し出すのもひと苦労だ。今回のプロジェクトは、社内とのコミュニケーションに加え、クライアントとのコミュニケーション、アウトソースしているクリエイティブとのコミュニケーションなど社外とのコミュニケーションも多い。自然、メールの件数も増えるはずだ。

 プロジェクトリーダーとしてメールの洪水に埋もれてしまうよりも、メール以外でのコラボレーションツールを導入し、クライアントとスマートにコミュニケーションできないだろうか。特に今回のクライアントはIT業界でも割と名の知れているネットサービスを展開しておリ、ネットスキルも高い。

 「もしかして、あいつなら……」。マコトは大学時代の同期で、今回のプロジェクトではクリエイティブ制作を担当する、フリーランスの晋作に相談してみることにした。(つづく)

今回紹介したツール de オシゴト 長所 短所
feedpath Mail ・管理者機能
メールアーカイブ
メール監査
スパム対策(SpamAssassin)
ウイルス対策(ClamAV)
初期パスワード設定
 に加えて
アカウント状態設定(クローズ/ロック/メンテナンスの設定)
パスワードルール設定(パスワード長、有効期間、字数等を設定)
ログイン失敗時の設定(連続ログイン試行回数、ロックアウト時間を設定)
セッションタイムアウト時の設定(認証トークン有効期間、各種メール機能の有効期間を設定)
添付ファイル設定(添付ファイルのダウンロード可否、HTML表示可否をアカウント毎に設定)
ログ管理機能
・国内某IDCでの24時間監視
・フォルダ作成可能
・ドラッグ&ドロップで操作可能
・他システムとの連携機能
(Google Map/サイボウズ Office for SaaS/エキサイト翻訳などとマッシュアップ)
・添付ファイル名にマウスを合わせるだけで、添付のイメージファイルを開くことなく、プレビュー表示が可能
・メールの文章中の「住所」「日付」などを自動で解析し、地図やその日のスケジュールを表示
・主要3キャリアの携帯電話、iPhone、BlackBerry、Androidのスマートフォンにも対応
・Google Appsに比べて価格が高い(1ユーザー月額720円〜)
・Google Appsに比べて保存容量が少ない(1ユーザー1Gバイト〜)
Google Apps ・管理者機能
メールアーカイブ
メール監査
スパム対策(SpamAssassin)
ウイルス対策(ClamAV)
初期パスワード設定
・価格が安い(1ユーザー月額500円)
・業界平均の50倍の保存容量(1ユーザー25Gバイト〜)
・Googleの検索テクノロジーが組み込まれているため高度なメール検索機能
・迷惑メールフィルタ機能
・主要3キャリアの携帯電話、iPhone、BlackBerry 、Windows Mobile、Androidのスマートフォンにも対応
・フォルダでのメール振り分けができない

筆者紹介:後藤康成(ごとう・やすなり)

 フィードパスCTO兼feedpath Rooms エバンジェリスト。シリコンバレー・ベンチャーを経て2000年ネットエイジ入社。技術開発担当取締役としてネットビジネスのインキュベーション案件およびテクノロジー投資案件などを担当しビジネス&テクノロジーと幅広い経験を持つ。

 2005年、クラウドからビジネスアプリケーションを提供するフィードパスを設立。Zimbraの日本市場展開、ビジネススケジューラーのfeedpath Calendar事業統括を担当するとともに、3月サービス開始予定のメールに代わる次世代企業間コラボレーションツールのfeedpath Roomsのエバンジェリストでもある。著書として「Web2.0 BOOK」など。Twitterアカウントはfeedpath。


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