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» 2019年12月05日 05時00分 公開

「これさぁ、悪いんだけど、捨ててくれる?」――『ジャンプ』伝説の編集長が、数億円を費やした『ドラゴンボールのゲーム事業』を容赦なく“ボツ”にした真相マシリトが行く!【中編】(7/7 ページ)

[伊藤誠之介,ITmedia]
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「で、どうしたいの?」

平氏: 次はさっき話題に出た、海賊版の話ですね。

内山氏: これも僕のときと同じですよ。鳥嶋さんから「君が作っているのは何て言うか知ってる? 知らないみたいだから教えてあげるけど、君が作ってるのは『海賊版』って言うんだ」って。言われた彼はその後、真人間になりました(笑)。

phot 「君が作ってるの、『海賊版』だから」(マレ提供)

平氏: 次の「企画書読み飛ばし」は? 

phot 「で、何がしたいの?」(マレ提供)

内山氏: 僕らとしては企画書を、ちゃんと順を追って説明したいんです。ところが「サマリーからご説明いたしますと」とか言ってるあたりでですね、鳥嶋さんはバラバラバラッとめくって、「君の説明が遅いから、全部読んじゃったよ。で、どうしたいの?」って言われるんです。

 こちらにはストーリーがあって、ゆえにこうしたいというのがあるんですけど、それを全部すっ飛ばして「何がしたいか」を問われるのは、けっこう大変なんです。これには鍛えられましたね、おかげさまで。

平氏: そんな鳥嶋さんとのやりとりを経て、バンダイナムコだったり、内山さん自身としては何を学んできたのでしょうか。

内山氏: バンダイナムコでは「IP」と言ってるんですけど、『ジャンプ』編集部さんでは「IP」とはあんまり言わなくて、「キャラクター」って言うんですよね。悟空にしてもルフィにしてもナルトにしても、やっぱりキャラクターだし、そのキャラクターは生きている。

 そういう「生きているキャラクター」について、今は集英社の編集部のみなさんと一緒にやらせていただいています。世界中のファンに対して何年かけて、どういうサービスをしていこうかということを、企画が始まる前からお話しできるぐらい、レベルの高い関係を築かせてもらっています。

 そもそもキャラクターとはどういうもので、どのぐらい真剣に向き合わなければいけないのかという、非常に当たり前のことについて、私個人もそうですが、会社自体が、グループ自体が、鳥嶋さんから「ボツ」を食らうことでしっかりと学ばせていただいたことは大きかったと思っています。

平氏: 内山さんはこうおっしゃっていますけど、鳥嶋さんはどう思われます? 

鳥嶋氏: 簡単なんですよ。僕はいつも仕事で「厳しい」と言われるんですけど、商品を買ってくれる子どもはもっと厳しいんです。僕は子どもたちがそのコンテンツ、その作品に対してなけなしの100円玉を、お小遣いで払っているのを知っていますから、大人の事情でいいかげんにOKするわけにはいかない。

 僕はいつも子どもの視点で、子どもを背負って返事をしているので。僕が言ってるんじゃなくて、僕の後ろにいる何百万人という子どもが言わせていると思ってください。そういうふうに思ってやってきました。

phot

セッションはここで終了。後編で個別インタビューの模様をお届けいたします!

phot マシリトは電ファミニコゲーマーが立ち上げたマンガ・アニメ・ゲーム専門のオンラインサロン「世界征服大作戦」の”押しかけアドバイザー(相談役)”を務めている
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