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東京ラーメンストリート仕掛け人 「せたが屋」前島社長が明かす「コロナ禍のフードビジネス戦略」吉野家とシナジーを狙う(2/5 ページ)

» 2021年09月08日 14時06分 公開
[河嶌太郎ITmedia]

東京駅で出店できる経営的魅力

――せたが屋は東京ラーメンストリートの開業から出店し続けています。今回は東京ステーション開発と協働して、東京以外のラーメン店も取り入れる画期的な企画も始めました。どのような経緯から始まったのでしょうか。

 東京にももちろんラーメン屋さんはありますが、やはり地方に旅行に行って、その土地特有のご当地ラーメンを食べたいラーメンファンの方々は多くいらっしゃいます。そういった方々をターゲットに、このコロナ禍の中、交通機関を使って遠くに行かなくても、東京でご当地ラーメンを提供したいというのが発端でした。

――地方のお店を含め、ラーメン業界全体を盛り上げたい意図があったわけですか。

 そうですね。逆に地方のお店のほうも都心からお客さんが来てくれないので、なかなか自社のラーメンをアピールできない事情もあります。地方のラーメン店経営者にとっても、東京駅で出店できてかつ大勢の人に提供できるのは、一つのメリットだと思います。

――第1弾として横浜市戸塚の名店「支那そばや」が出店しました。実際に食べてみましたが、本店と変わらない味を東京駅でも再現できていると思います。

 支那そばやさんに出店いただけたことは本当に素晴らしいですね。神奈川県は東京都の隣ではあるものの、行きたくても行けない人はたくさんいるので、支那そばやさんが出店できたことで喜ばれるお客さまはかなりいると思います。このご当地イベントは2年間続けるのですが、最初に注目を集めるお店が入ることによって、全体的に良い流れができると期待していますね。

支那そばや醤油(真俯瞰、リリースより)

――他にも6店舗を、約3カ月おきに入れ替えていく予定ですが、調整するのは大変そうですね。

 地方のお店だと、コロナ禍で東京に行きたくても行けない店舗さんもかなりいらっしゃいましたので、正直かなり断られてしまいましたね。なかなか大変でした。

せたが屋駒沢店

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