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東京ラーメンストリート仕掛け人 「せたが屋」前島社長が明かす「コロナ禍のフードビジネス戦略」吉野家とシナジーを狙う(4/5 ページ)

» 2021年09月08日 14時06分 公開
[河嶌太郎ITmedia]

吉野家とチェーン展開を模索

――今は厳しいコロナ禍も、やがてはワクチン接種率なども進み、アフターコロナという段階になると思います。その際に「こういうことをやっていこう」というビジョンのようなものはありますか。

 実はいま、吉野家ホールディングスとシナジーを目的としたラーメン店をチェーン展開できないかと模索しています。吉野家の牛肉を使ったラーメンで、生卵を入れて食べるのが特徴ですね。

 せたが屋のセカンドブランドとして「大阪牛肉ラーメン わだ」という店名にし、いま試験的に出店しています。大阪市の南海難波駅前に路面店の本店を置き、さらに商業施設内のフードコート店舗として富山県高岡市のイオンモール高岡に出店中です。今後は郊外やロードサイドへも出店し、検証を重ねながら、多くの方に楽しんで頂けるブランドに育てていきたいと思います。

「大阪牛肉ラーメン わだ」の肉盛りしょうゆラーメン(前島さん提供)

――「大阪牛肉ラーメン わだ」では、吉野家のオペレーションをどのように取り入れているのでしょうか。

 吉野家の業態をそのままラーメン店に変えたとしても、そこの従業員がすぐにできるオペレーションを作ろうとしています。

 せたが屋が培ったノウハウをしっかりと落とし込み、質も担保した上でチェーン展開できる仕組みづくりと、人材不足にも考慮した次世代型のラーメン店を構築をしていきたいと考えています。

――ラーメンは基本的に豚肉のチャーシューが入ることを前提に作られているので、自分で作ったラーメンに牛肉を入れると味ががらっと変わってしまった経験があります。この辺り、作り方が根本的に変わりそうな気がするのですが、どうなのでしょうか。

 確かに既存のラーメンをベースに地元の牛肉を使ったご当地ラーメンもあります。ただ、「大阪牛肉ラーメン わだ」で出しているものはそういうものではありません。

 牛肉に合うスープにしょうゆの返しを利かせて、さっぱりと肉吸い的な感じに仕上げます。そこにサービスの生卵を落としたり、麺や牛肉を絡めたりして食べるとすき焼きラーメンのような味わいになる。そんな日本人の味覚になじめる一杯を提供しています。

大阪牛肉ラーメン わだ

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