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ボッシュのクラウス・メーダー社長を直撃 ソフトウェアエンジニアを増やし「AIoT先進プロバイダー」へ急速に進むEV化(2/5 ページ)

» 2021年11月30日 05時00分 公開
[中西享, 今野大一ITmedia]

3万4000人のソフトウェアエンジニア

――そのためのエンジニアはどれくらいいるのでしょうか。

 全体で3万4000人のソフトウェアエンジニアがいて、これは従業員10人に1人がソフトウェアのエンジニアという割合になります。しかも毎年10%ほど増やしており、モビリティには2万6000人のソフトウェアエンジニアがいます。

 昨年、領域横断的な取り組みができるクロスドメイン・コンピューティング・ソリューションという約1万7000人の組織を作り、ソフトウェアとエレクトロニクスを集約する事業部を設立しました。これにより、コンピュータ関連部品を効率よく開発、生産できるようになります。

――昨年はコロナ禍にもかかわらず業績が黒字でした。なぜですか。

 世界的に見てもコロナ禍で厳しい状態になり、数カ月間にわたるロックダウンの影響もありました。ですが、ボッシュの事業は多角化されているので黒字を出すことができました。

 これはモビリティの売り上げが下がっても、在宅時間の増加で料理をする時間が増えたことによるクッキング製品の需要増や、DIYが増えることによって電動工具製品の売れ行きが良くなったことなど、ほかの分野の製品が売れて全体的なバランスがとれたためです。

 またコロナ禍で衛生に関する関心が高まり、安物でなく良いものがほしいという要望が強まり、結果的に洗濯機や冷蔵庫、食洗器の需要が高まりました。

 ただ現状、コロナ禍における入国規制によって、ビジネスへの影響も受けています。そのため、現在もなおボッシュの社員約20人が日本に入国できずに大変困っています。また、新しい機械の納品にも支障が出ていて生産の遅れも発生するなどの事態にも直面しています。

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