インタビュー
» 2021年12月03日 11時21分 公開

インターステラテクノロジズ稲川貴大社長が語る「小型の人工衛星で起こるパラダイムシフト」今後は採用を強化(1/3 ページ)

民間企業で商用ロケット開発を目指す宇宙ベンチャー、インターステラテクノロジズの稲川貴大社長が、「これからの宇宙ビジネス」と題して日本記者クラブで講演した。

[中西享,ITmedia]

 民間企業で商用ロケット開発を目指す宇宙ベンチャー、インターステラテクノロジズ(以下IST、北海道大樹町)の稲川貴大社長が、「これからの宇宙ビジネス」と題して日本記者クラブで講演した。

北海道大樹町にあるインターステラテクノロジズ本社(以下、クレジットのない写真の撮影:河嶌太郎)

 「宇宙産業市場は今後20年で現在の40兆円から100兆円を超えると見込まれる成長セクターで、世界の多くのプレイヤーが飛び込んできている」と話し、「将来的には人を乗せた宇宙旅行、小惑星の宇宙探査を視野に入れたロケットの開発を進めたい」と宇宙開発への展望を語った。

稲川貴大(いながわ・たかひろ)1987年生まれ。大学院卒業後、大手光学メーカーへの入社を直前で辞退し、ロケット開発を手掛けるベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」に入社。2014年には社長に就任し、開発の指揮をとっている。埼玉県出身(講演の写真は日本記者クラブ提供)

人工衛星で起こるパラダイムシフト

 同社は現在、観測用ロケット「MOMO」と、人工衛星を打ち上げる計画の次世代ロケット「ZERO」の2種類の小型ロケットを開発している。MOMOはこれまでに合計7回打ち上げ、3回宇宙空間に到達。稲川社長は「確かなロケット打ち上げ技術を確立してきた」と自信を示した。

観測ロケットMOMO「ねじのロケット」

 「小型の人工衛星でいまパラダイムシフトが起きています。この1年間に世界で千機以上の小型衛星が打ち上げられています。その用途は全地球インターネットという通信、カメラを使って地表面を観測するリモートセンシング、安全保障など幅広い使い道があり、非常に盛り上がっている状況です。

 内閣府の調査によると、日本でも年間数十回の小型ロケットを打ち上げる需要があると報告されていて、当社もこうしたロケットを宇宙空間に打ち上げ、宇宙輸送、宇宙利用などビジネスの最先端を担っていきたいと考えています」

 この状況をビジネスチャンスとするため、MOMOよりも大きい、人工衛星を搭載した小型ロケットZEROを2年以内に打ち上げる計画だ。ロケットの先端部分に人工衛星を積み込み、低コストでの打ち上げを目指している。

 「われわれのロケットでは顧客の要求に合った人工衛星を『個別配達』ができることに価値があります。民間事業のためにコストは重要で、世界的に選ばれるロケットを開発していきたい」とコスト面の重要性を強調した。

 ISTの特徴として「ロケットの設計から開発、製造まで全て自社でできることで、電子部品などキーとなる部品は自社で製造し、内製率は高いのです。現在開発しているZEROの開発で一番難しい部品となるターボポンプでは室蘭工業大学やポンプ大手の荏原製作所とも共同開発をしています」と話し、多くの製造業と連携していることを明らかにした。

次世代ロケット「ZERO」のバルーン
「ZERO」のバルーンの前でプレゼンする堀江貴文氏
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