ロケットの発射場「北海道スペースポート」を運営するための会社「SPACE COTAN(スペースコタン)」は4月に設立され、同社も創業出資して本格的な発射場作りに着手している。さらにホリエモンこと堀江貴文氏が社長に就任している「Our Stars」という子会社を1月に設立した。
ロケット開発の次のステップである人工衛星ビジネスも手掛ける計画で、具体的には衛星の大気圏に再突入する際の技術開発などを進めている。また、ロケットの発射場建設から、打ち上げ、人工衛星を利活用したビジネス展開など、ロケット開発の垂直統合を進めることによってロケットの付加価値を上げていきたい考えを示した。
宇宙ビジネスの現状について以下のように話す。
「地球軌道上の宇宙旅行が実現したほか、(高度100キロ程度まで上昇後、地上に帰還する飛行である)サブオービタルの宇宙旅行もそろそろ実現しそうで盛り上がってきています。さらにわれわれが目指している地球低軌道での商業利用も盛んで、イーロン・マスク率いるスペースXがスペースステーションに宇宙飛行士を運べるようになるなど、多くの宇宙サービスが出てきています。
以前は、宇宙ビジネスはもうからないというイメージもありましたが、買収しながら事業を広げるなど多くのプレイヤーが生まれていて、かつてのITの黎明期に似ている状況です」
北海道の南十勝・大樹町でロケット開発を進めることによる地域経済効果について、日本政策投資銀行は年間267億円と試算している。稲川社長は以下のように、その意義を強調した。
「大樹町は東側と南側が海に開けているので打ち上げ基地としては好立地で、宇宙への港であるスペースポートとしてコア(核)になるでしょう。宇宙に関するモノづくり製造業が集積する『宇宙版シリコンバレー構想』もあり、同町を中心として宇宙開発を推進することは地方創生にもなります」
また、ロケットの燃料については以下のように説明する。
「燃料には固体と液体があり、われわれは炭化水素系の液体燃料を使用しています。炭化水素系は馬力が強いものの燃費の良くない固体燃料と、力は出ないものの燃費の良い水素の間にある燃料です。この燃料を使えばシステムを単純化できるので、今後も炭化水素系で開発を進めます」
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