東京ラーメンストリートに初出店した熊本「天外天」 社長がこだわる「食のブランド」とはアルバイトから社長に(2/5 ページ)

» 2021年12月28日 11時30分 公開
[河嶌太郎ITmedia]

1日の杯数が読めない

――ひとえに「熊本ラーメン」といってもさまざまな種類があると思います。天外天にあって他のラーメン店にはないものとは何でしょうか。

 うちは、ニンニクパウダーをウリにした豚骨ベースのラーメンを強みとしています。今のラーメンっておいしいというのはある意味で当たり前で、さらに「また食べたいな」と思ってもらうことや、脳裏に刺さるようなインパクトを大事にしています。

――熊本から東京駅に出店を始めるにあたり、どんな準備をしましたか。

 うちはスープを前日に1回残して、次の日に骨を継ぎ足して作っていく作り方をしています。今までの出数で考えれば1日300杯作れば終わりだったところが、ここだとお客さんの数がある意味で青天井なので、そこが読めないところです。

 豚骨スープは濃度を保つために「呼び戻し」という手法が必要になるので、スープを全部売ってしまったら次の日の営業ができなくなるんです。そこが続けられるのかな、というのは心配でした。あと、熊本と東京の水の違いも少し心配でしたね。

――水の違いというのはどういったところに出るのでしょうか。

 ダシの出やすさという部分で変わってきますね。ただ、熊本はかなり硬水のほうにあたり、ダシは出にくいほうなのかなと思いました。東京の水のほうが軟水なので、ダシの出やすさからいうと、「東京の方がいいや」と思いました。

――1日の杯数が読めない部分もあると思いますが、どのように準備しましたか。

 ひたすら量を増やすのもありますし、今まで使ったことのないサイズの寸どうを買って、東京駅一番街さんに無理を言ってガスの火口を増やしてもらって対応しています。豚骨はもう長時間にわたって骨が砕けるまで炊かないといけないので、それが継続的にできるかが一番怖かったところですね。

内観

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.