東京商工リサーチは2021年の「上場企業の個人情報漏えい・紛失事故」調査を実施。その結果、21年の事故件数は137件で、12年の調査開始以降の10年間で最多であることが明らかになった。
上場企業の個人情報漏えい・紛失事故の件数を年別に見ると、21年の事故件数は137件(前年比33.0%増)に達し、12年の調査開始以降最多となった。また社数も120社(同36.3%増)で、こちらも最多だった。
21年の事故137件のうち、情報漏えい・紛失件数別で見ると「100件以上1000件未満」が32件(構成比23.3%)と最も多く、次いで「1000件以上1万件未満」と「不明・その他」の各30件(同21.8%)と続いた。
個人情報漏えい・紛失事故の件数が100万件以上に及ぶ大型事故は、ネットマーケティング(紛失件数171万1756件)とANAホールディングス(全日本空輸、同100万件)の2件(同1.4%)だった。
最も個人情報の漏えい・紛失件数が多かったのはネットマーケティングの不正アクセス事件。同社が提供する恋活・婚活マッチングアプリの管理サーバーが不正アクセスを受けて会員情報が流出。年齢確認審査用の運転免許証、健康保険証、パスポートなどの画像データを含む個人情報が流出した可能性が明らかになり、社会問題となった。
ANAホールディングスと全日本空輸については、予約システムを提供するスイスの国際航空情報通信機構(SITA社)が不正アクセスを受けたことでマイレージ情報が流出した。
なお21年の個人情報漏えい・紛失事故137件のうち、クレジットカード情報が漏えいした可能性を公表した事故は10件(構成比7.2%)だった。
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