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元ネスレ日本社長の高岡浩三が斬る 大企業がイノベーションを起こせない理由「日本株式会社モデル」の弊害(1/2 ページ)

» 2022年02月01日 13時30分 公開
[田中圭太郎ITmedia]

 ネスレ日本で「キットカット」「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」「ネスカフェ アンバサダー」などのイノベーションを実現してきた高岡浩三氏。ネスレ日本の社長兼CEOを退任後も、自身のマーケティング理論を若い世代に伝えている。

 若い世代の支援に取り組む理由は、日本が失われた30年を過ごしたことについて、若い世代に迷惑をかけたという意識があるからだ。それにイノベーションを起こすには、若い世代の力が必要と考えているからだという。

 ITmedia ビジネスオンラインでは高岡氏に単独インタビューを実施。前編では高岡氏が実践してきたマーケティングについて、中編では宇宙ビジネスに参画した理由を聞いた。

 後編では、イノベーションができない日本の大企業の問題点と、若い世代への支援について聞く。

高岡浩三(たかおか・こうぞう)ケイアンドカンパニー代表。元ネスレ日本社長兼CEO。1983年、神戸大学経済学部卒。同年、ネスレ日本入社。各種ブランドマネジャー等を経て、ネスレコンフェクショナリーのマーケティング本部長として「キットカット受験生応援キャンペーン」を成功させる。10年、ネスレ日本副社長飲料事業本部長として「ネスカフェ」の新たなビジネスモデルを構築。同年11月、ネスレ日本社長兼CEOに就任。「ネスカフェ アンバサダー」などの新しいビジネスモデルを通じて高利益率を実現する。17年より早稲田大学ビジネススクール国際諮問委員。20年3月、ネスレ日本退社。21年6月、インターステラテクノロジズのマーケティングアドバイザーに就任。著書に『ゲームのルールを変えろ』(ダイヤモンド社)、『ネスレの稼ぐ仕組み』(KADOKAWA)、『マーケティングのすゝめ』(フィリップ・コトラーとの共著・中公新書ラクレ)、『世界基準の働き方』(PHP研究所)など(本人提供)

大企業がイノベーションを起こせない理由

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