新年に描いた夢のかなえ方ビジネスマンの不死身力(2/2 ページ)

» 2010年01月09日 00時00分 公開
[竹内義晴,ITmedia]
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わたしは、これで夢がかなった

 紹介した3つのステップは、最近流行しているロジカルシンキングでもなければ、論理的に物事に取り組む手法でもない。こんなことで夢がかなうのかと疑問を持った方のために、実際に夢をたぐり寄せた体験談をお伝えしたい。

 わたしは2009年1月に、いままでの経験を本にまとめて出版すると決意した。だが出版社や編集者と特別なつながりは持っていなかった。出版の経験もないため、どうすれば書籍を世に出せるかを具体的に考えても、何も出てこなかった。この時点で出版は夢物語だった。

 そこで、「もし、出版が決まったらどうなっているか」という結果をイメージすることにした。すると自宅の机に向かい、原稿を書いている情景がふと浮かんできた。その後、いつ出版するか、完成した本を手にしたらどんな気分になるか、といった出版時のイメージを作っていった。

 出版までのプロセスはよく分からないままだった。その当時できることといえば、出版関連のメールマガジンや本を読んだり、クライアント向けのメールマガジンを書き続けることだった。「出版できたらうれしい」という結果のイメージだけをよりどころに、毎日メールマガジンを書き続けていった。メールマガジンを作る過程で、目次や全体の構成を考え、書籍のプロトタイプを作り始めた。

 出版を決めてから5カ月後の2009年5月、商業出版のお誘いが舞い込んできた。毎日執筆していたメールマガジンを購読していた編集者から、連絡をいただいたのだ。結果をイメージしながら、第三者に向けて文章を書き続けたことが奏功したのかもしれない。出版のプロセスを教わりながら本を書き、現在は編集作業に入っている。

 運がよかったことは否定できない。だが結果を思い描くことで毎日の行動の動機が生まれ、メールマガジンの執筆にも精が出た。それが今回の出版の話につながったのは紛れもない事実である。

ビジネスマンの不死身力も、この考え方で実現した

 実は、本連載「ビジネスマンの不死身力」も、同じステップでチャンスをつかんでいる。

 ブログやメールマガジンを執筆する中で、その内容を多くの人に読んでほしいと考えるようになった。執筆しているブログだけではその夢は実現しないと考え、Webメディアで記事を書きたいという思いが膨らんでいった。だが、元々はWebメディアの一読者。常識的に考えると、そこで自分が執筆するのは無理という結論に至ってしまう。

 そこで、「Webメディアで記事が書けたらいいな」という思いから、それがもたらす結果をイメージしてみた。自分の署名が入った記事を想像すると、わくわくしてきた。そして、今できることを考え、原稿を書いてみることにした。原稿を電子メールで送るのは勇気が必要だったが、結果のイメージを支えに、送信ボタンをクリックした。今自分ができることを考え、その一歩を踏み出したことで、連載を担当する機会が得られた。


 結果のイメージを基に行動を起こすことで、夢が実現する可能性は広がっていく。もちろん、システム開発のように結果をもたらす要素を分割し、1つずつ実行していくことが求められる場面もある。だが、立てた目標を実現するためのプロセスが長く、過去の経験では具体的にできない場合は、結果をイメージし、今の自分ができる行動を起こすことが有効になる。

 3つのステップを忠実に再現すれば必ず夢がかなう、と言うつもりはない。だが「○○になったらいいのに」とぼんやり考えているだけでは夢はかなわない。行動を起こすことによってのみ、結果はついてくるのだ。

著者プロフィール:竹内義晴(たけうちよしはる)

 竹内義晴

テイクウェーブ代表。自動車メーカー、コンピュータ会社を経て、現在は、経営者・起業家・リーダー層を中心としたビジネスコーチング、人材教育に従事。システムエンジニア時代には、プロジェクトマネジメントにコーチングや神経言語学を生かし、組織活性化を実現。この経験を生かして、クライアントの夢が現実になるよう、コーチングの現場で日々奮闘している。アイティメディア「オルタナティブ・ブログ」の「竹内義晴の、しごとのみらい」で、組織作りやコミュニケーション、個人のライフワークについて執筆中。




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