
在庫管理システムは、在庫の見える化と業務効率化を実現するITツールです。企業が保有する商品や資材の在庫状況を適切に管理するシステムで、入出庫情報の記録・集計に加えて、余剰在庫や欠品を防ぐための数々の機能を搭載します。商社やEC、工場など、さまざまな種類の商品や資材を抱える業態には欠かせないシステムですが、利用することでどのようなメリットとデメリットが生まれるのでしょうか。
本記事では、在庫管理システムの機能・種類の基本から、気になる料金相場、メリット・デメリット、選定ポイント、業種別の選び方までを、「専門家の視点/アドバイス」とともに解説します。そのうえで、在庫管理システムのおすすめ製品(62製品 2026年11月更新版)を紹介します。導入前に迷いやすい疑問はよくある質問にまとめました。主要15製品の違いは、すぐ下の製品比較表でも確認できます。
表は横にスクロールできます(項目名は固定されます)→
| 製品 | 株式会社アッカ・インターナショナル | 株式会社東光オーエーシステム | トヨタ情報システム愛知株式会社 | 株式会社マテハンソフト | 瀬戸内scm株式会社 | フィールドシステムズ株式会社 | 株式会社ナレッジ | MICKS株式会社 | 株式会社日本データコム | 株式会社コネクテッド | インフォポート株式会社 | 株式会社東計電算 | フィールドシステムズ株式会社 | 株式会社アイティジェイ | 株式会社東計電算 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 資料請求 | |||||||||||||||
| 一言でいうと | 在庫消化率を高め収益を最大化 | 少人数で現場が回る!物販業務に特化したRFIDシステム | 様々な業種にマッチしたWMSパッケージ | 簡単操作で物流コストを利益へ倉庫内業務を支援する検品システム | 改善の専門家・在庫管理110番 | 複数荷主OK!タブレットにて検品!手軽な在庫管理が可能! | シンプル操作で即導入OK、誰でも使える在庫管理システム | 自社専用の在庫管理システムを導入しませんか | 「スゴ腕」は小売店経営者の店舗管理を手助けいたします | スモールスタートから、マテハン機器の制御カスタムまで対応可能 | IoT・マテハン連携に強いクラウドWMS | クラウド型検品出荷管理システム | バーコード読取で速く正確な出荷検品。個数表もその場で発行! | 論理倉庫×在庫ステータスで倉庫在庫を用途別管理 | 大手アパレル会社様と共同開発したWMS |
| タイプ | EC在庫・受注一元管理型 | RFID検品・棚卸型 | 倉庫管理(WMS)型 | クラウド在庫管理・検品型 | カスタム在庫管理型 | 在庫管理・配車一体型 | クラウド在庫管理型 | ローコード在庫管理型 | 小売向け商品管理・POS型 | 倉庫管理(WMS)型 | 倉庫管理(WMS)型 | 出荷検品・送り状発行型 | 出荷検品・個数表発行型 | 倉庫管理(WMS)型 | アパレル特化WMS型 |
| 無料トライアル | なし | なし | あり | なし | あり | なし | あり | なし | なし | あり | なし | なし | あり | なし | なし |
| 料金の目安 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | クラウド 月6万円+初期費用100万円(ハンディ1台の場合) | 要問い合わせ | カスタムプラン 初期費用70万円~(月額は要問い合わせ) | ライト 月9800円+初期費用20万円 | スタート 月3000円+初期費用0円(初年度限定) | 基本機能 月3万円+初期費用10万円(別途FileMakerライセンス) | 初期費用80万円~+月額5万円~(5ライセンスの場合) | 初期費用35万円~、月額3万9800円~(3エディション) | 要問い合わせ(ヒアリング後に提案) | 初期費用無料+月額利用料と出荷件数に応じた従量課金 | 本番プラン 月1万9800円×取引先数 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 主な機能・こんな企業におすすめ・運営会社情報・ユーザー評価・情報更新日 | |||||||||||||||
| 主な機能 | 複数モールと自社サイトの商品・在庫・受注・出荷を1つの画面で管理 | RFIDタグの一括読取、入荷検品、棚卸、返品処理、基幹システム連携 | バーコードによる在庫とロケーションの管理、フリーロケーション、トレーサビリティ | 入荷から出荷までのバーコード検品、在庫情報の表示、他機能との連携 | ユーザー数・端末数の制限なし、不要な機能を省いたシンプルな操作 | 入出庫、在庫照会、棚卸、複数荷主の在庫管理、タブレット検品、配車 | スマホ・タブレットでの在庫編集と棚卸、QRコード生成、数量アラート | 倉庫・現場・端材の在庫統合、入出庫処理、材料の有効期限管理、バーコード | 単品の売上・仕入・在庫・買掛の管理、Web POS、顧客管理 | 在庫・入出庫・棚卸、発注点管理、構成品管理、マテハン機器との連携 | ロット・期限管理、自動引当、IoT・マテハン連携、スマホ・タブレット対応 | 複数運送会社の送り状印刷、スマホ検品、基幹システムとのAPI連携 | バーコード読取、店舗別ケース数の自動集計、オフライン読取、個数表の発行 | 論理倉庫と在庫ステータスによる区分管理、ロット・賞味期限、送り状発行連携 | BtoB・BtoC在庫の一元管理、ハンズフリー作業、多様な出荷機能 |
| こんな企業におすすめ | 複数のECモールを運営する事業者 | アパレルなど物販の店舗・物流倉庫 | 倉庫の在庫とロケーションを可視化したい企業 | 倉庫内の検品を簡単な操作で進めたい企業 | 現場に合う機能だけで在庫管理を始めたい企業 | 自社配送を含めて在庫を管理したい事業者 | 企業規模や業種を問わず手軽に始めたい企業 | 材料の在庫を自社専用の仕組みで管理したい企業 | アパレル、スポーツ用品などの小売店 | スモールスタートで倉庫管理を始めたい企業 | マテハン機器との連携も検討する物流現場 | 出荷業務を効率化したい卸・小売・EC事業者 | 出荷検品をペーパーレス化したい物流・卸の現場 | 複数ブランドやEC・店舗の在庫を分けて管理したい企業 | アパレルメーカー、EC事業者、物流倉庫事業者 |
| 運営会社情報 | 2006年設立/従業員数未登録/東京都港区 | 1984年設立/従業員32人/東京都渋谷区 | 1984年設立/従業員389人/愛知県日進市 | 1976年設立/従業員58人/栃木県宇都宮市 | 2019年設立/従業員数未登録/東京都豊島区 | 2010年設立/従業員25人/福岡県福岡市 | 2015年設立/従業員5人/岩手県盛岡市 | 2021年設立/従業員5人/東京都港区 | 1984年設立/従業員6人/大阪府大阪市 | 2019年設立/従業員14人/兵庫県神戸市 | 2015年設立/従業員13人/岡山県岡山市 | 1970年設立/従業員821人/神奈川県川崎市 | 2010年設立/従業員30人/福岡県福岡市 | 1995年設立/従業員10人/東京都台東区 | 1970年設立/従業員821人/神奈川県川崎市 |
| ユーザー評価 | レビュー未掲載 | レビュー未掲載 | レビュー未掲載 | レビュー未掲載 | レビュー未掲載 | レビュー未掲載 | レビュー未掲載 | レビュー未掲載 | レビュー未掲載 | ★ 4.5(1件) | レビュー未掲載 | レビュー未掲載 | レビュー未掲載 | レビュー未掲載 | レビュー未掲載 |
| 情報更新日 | 2025年4月24日 | 2026年9月14日 | 2026年10月29日 | 2026年10月29日 | 2025年11月27日 | 2025年1月8日 | 2025年6月10日 | 2025年3月21日 | 2025年3月19日 | 2026年10月29日 | 2026年6月5日 | 2025年2月20日 | 2026年8月21日 | 2025年10月16日 | 2025年4月24日 |
| 資料請求 | ECデータ一元管理連携システム | Compact RFID | 人とモノが「みえる」倉庫管理システム | おまかせ在庫NEO | 成長する管理システム | 庫太郎 | コレアル在庫管理システム | 在庫管理システム | スゴ腕「商品管理、WebPOS、顧客管理」 | Connected Linc | INFO-Wms | LAION | 検太郎 | 倉庫管理システム | ファッション・アパレル特化型WMS CLOWS |
| 製品詳細 | 製品詳細を見る › | 製品詳細を見る › | 製品詳細を見る › | 製品詳細を見る › | 製品詳細を見る › | 製品詳細を見る › | 製品詳細を見る › | 製品詳細を見る › | 製品詳細を見る › | 製品詳細を見る › | 製品詳細を見る › | 製品詳細を見る › | 製品詳細を見る › | 製品詳細を見る › | 製品詳細を見る › |
※2026年10月30日時点の情報です。料金は税別です。ユーザー評価はITreviewのデータを利用しています。
この記事のポイント
- 在庫管理システムとは:企業が保有する商品や資材の入出庫と在庫数を記録し、在庫の状況を管理するシステムです。入出庫管理、検品、棚卸、在庫分析などの機能を備えます。
- 導入のメリット:手作業での入力と集計を減らし、棚卸の在庫ズレや不要な仕入れの抑制が期待できます。在庫情報を社内で共有しやすくなり、部署間の重複作業も減らせます。
- システム選定の基準:自社の課題を解決できるか、既存システムと連携できるか、サポート体制が十分か、業種に精通したベンダーかを確認します。おすすめ製品の比較表はこちら。分からなければ「専門家に聞く」手段もあります。
- 費用と業種別の選び方:費用は導入形態で大きく変わります。民間各社の目安は料金相場で出典付きで紹介しています。卸売、製造、小売、EC・通販で重視する点が違うため、業種別の選び方も参考にしてください。
機能で比較「在庫管理システム」おすすめ製品一覧
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在庫管理システムの機能と種類
在庫管理システムは、さまざまな種類の商品や資材の入出庫管理を効率化するためのIT製品です。入出庫管理は在庫数の把握に加えて、会計処理や購買計画を立てるためのデータを作る際にも役立ちます。
在庫管理システムの主な機能
在庫管理システムは、一般的に以下の7つの機能を備えています。本記事では、この7機能を役割の近いものごとに4つのカテゴリに整理しました。
| 機能名 | 役割・メリット |
|---|---|
| 入出庫管理機能 カテゴリ1 入出庫・検品 |
商品や資材の入荷・出庫を保管拠点ごとに管理し、在庫数を記録します。種類別やカテゴリー分類など、指定した条件で管理できるため、拠点ごとの在庫数を把握しやすくなります。 |
| 検品機能 カテゴリ1 入出庫・検品 |
連携したハンディスキャナーなどで商品のバーコードを読み取り、入出庫する品目・数量を記録して確認します。入出庫予定の品目・数量を登録しておけば、相違があるときにアラートで再チェックを促す製品もあります。 |
| 棚卸機能 カテゴリ2 棚卸・返品 |
データ上の在庫数と実際の在庫数を照合し、ズレをチェックします。バーコードの読み取りで確認でき、倉庫内の全商品を対象にした一斉棚卸のほか、カテゴリーごとや商品ごとの部分的な棚卸にも対応する製品があります。 |
| 返品管理機能 カテゴリ2 棚卸・返品 |
出荷した商品が返品される際の手続きを支援します。処理手順を標準化することで、企業や拠点間の処理方法の差異を抑え、在庫情報の正確性を保てます。 |
| 在庫分析機能 カテゴリ3 分析・データ抽出 |
過去の入出庫や在庫状況の記録を分析し、売れ筋や売れていない商品を把握します。過去の入出庫状況から、時期ごとの入荷予測を自動で算出できる製品もあります。 |
| データ抽出機能 カテゴリ3 分析・データ抽出 |
システム内に記録された情報から、必要な情報を取り出します。グラフや一覧表に加工して出力できるため、社内会議などの資料作成に使えます。 |
| マスター管理機能 カテゴリ4 マスター管理 |
顧客や社員、商品分類などのマスターデータを管理します。在庫管理に必要な複数のデータを横断して管理できるため、特定の顧客に関連する商品の在庫変動など、欲しい条件のデータを抽出しやすくなります。 |
上記の7機能に加えて、製品ごとに対応が分かれる機能もあります。ITセレクトの在庫管理システムの製品一覧では、「リアルタイムな在庫トラッキング」「入荷管理」「バーコード/RFID対応」「レポート・分析」「倉庫管理」「フルフィルメント」「自動再注文」「賞味期限・消費期限管理」の8項目で、機能の有無から製品を絞り込めます。自社で必須の機能を先に決めておくと、候補を絞りやすくなります。
運用面の参考として、棚卸のズレへの対処は棚卸差異はなぜ起こる? 現場と経営層が知っておくべき原因と対策、在庫データの見方は在庫分析の具体的手法と在庫分析に役立つツールもあわせてご覧ください。
在庫管理システムの種類
在庫管理システムは、ベンダーからの提供形態によって「クラウド型」「オンプレミス型」「スタンドアロン型」に分類されます。さらに、システムの作り方(開発方式)によって「パッケージ型」「スクラッチ開発型」に分ける見方もあります。この2つの軸を組み合わせて見ると、製品の位置づけを整理しやすくなります。
クラウド型
クラウド型は、インターネット上のサーバに構築されたシステムをインターネット経由で使用するタイプです。インターネットにつながっている端末であればどこからでも使えるので、多拠点間、グループワーク、リモートワークでも使いやすいのが特徴です。システムやセキュリティのアップデートなどもベンダー側の主導で行われます。
クラウド型は、オンプレミス型と異なり、自社で独自のサーバやインフラを構築する必要がありません。導入時の初期費用が低く抑えられるため、初期投資を抑えたい企業や、改善と対策に高いスピード感を求める企業に向いています。
ただし、クラウド利用料の値上げや従量課金制による利用量の増加で、長期的にはコストが増える可能性もあるため、継続的な費用管理が重要です。費用の目安は在庫管理システムの料金相場で解説しています。本記事では、クラウド型を想定した検討シーンを中心に解説します。
オンプレミス型
オンプレミス型は、自社管理下のサーバにシステムを構築するタイプです。自社独自に構築するのでカスタマイズ性が高く、自社の業務内容にフィットしたシステムを構築しやすいのが特徴です。
ただ、独自の機能開発まで含めると、開発・導入のためのコストや手間は大きくなります。特に、想定されるピーク利用時に合わせて機器をまとめて購入するため、初期費用に差が出やすいことも特徴です。オンプレミス型では、導入プロジェクトの進行チームや担当者にも相応のIT知識が求められます。また、導入後のシステムやセキュリティのアップデートや管理も原則は自社で対応していくことになります。
スタンドアロン型
スタンドアロン型は、在庫管理システムとして販売されているソフトウェアをインストールして使用するタイプです。旧来よりある方法ですが、現代では、インストールしたPCでしか使えないといった「利用」における制約がいくつか存在し、複数人・複数拠点・複数デバイスを想定した作業や管理を行いたいシーンには適しにくくなっています。一方で、手軽に導入でき、機能も購買スタイルもシンプルであることから、個人事業主や小規模での導入に適するシーンはいまだにあります。無料で使える製品を探す場合は、無料で使える在庫管理システム10選|2026年最新の選び方とExcel比較も参考になります。
開発方式で分ける:パッケージ型とスクラッチ開発型
提供形態とは別に、システムをどのように作るかという「開発方式」でも違いがあります。
パッケージ型は、ベンダーがあらかじめ機能をそろえて提供する製品を、そのまま、または設定やオプションで調整して使う方式です。導入までの期間と費用を抑えやすい反面、自社固有の業務ルールが標準機能に収まらない場合があります。カスタマイズに対応するかどうかは製品によって異なります。
スクラッチ開発型は、自社の要件に合わせて設計から一から開発する方式です。業務に合わせた作り込みがしやすい一方、開発期間と費用が大きくなりやすく、稼働後の保守や改修も継続して必要になります。
なお、「パッケージ型」という言葉は、買い切り型のソフトウェアを指して使われることもあります。本記事では、あらかじめ機能がそろった製品を使う開発方式の意味で使います。
提供形態×開発方式の早見表
2つの軸を組み合わせると、次のような位置づけになります。実際の製品は、パッケージ型でもオプションでカスタマイズに対応するなど、境界があいまいな場合もあります。以下は一般的な傾向を整理したもので、製品ごとの対応は各社へ確認してください。
| 提供形態\開発方式 | パッケージ型 | スクラッチ開発型 |
|---|---|---|
| クラウド型 | ベンダーが運用する製品を、月額などで利用する形。サーバの用意が不要で、導入しやすい | クラウド基盤の上に、自社の要件に合わせて個別に開発する形。要件に合わせやすい一方、開発費用と期間が必要 |
| オンプレミス型 | 製品を自社のサーバに導入して運用する形。カスタマイズに対応する製品もあるが、運用と更新は原則として自社が担う | 自社のサーバ上に一から構築する形。業務へのフィットを追求しやすい反面、開発・運用の負担が大きい |
| スタンドアロン型 | 市販のソフトウェアを1台のPCにインストールして使う形。個人事業主や小規模な運用で選ばれる | 該当する例は少ない傾向。小規模な運用であれば、パッケージ型で足りることが多い |
標準機能で足りるかどうかが、パッケージ型とスクラッチ開発型を分ける大きな目安です。業務にあわせた調整が必要な場合は、カスタマイズに対応するパッケージ型製品も候補に入ります。選定時の確認点は、後述の選定ポイントで解説します。
在庫管理システムの料金相場
在庫管理システムの費用は、クラウド型(SaaS)なら初期費用が無料~数十万円、月額費用が数千円~15万円程度の範囲で示されることが多く、オンプレミス型(パッケージ)は初期費用が数十万円~1000万円と出典によって幅があります。費用の内訳は、導入時にかかる初期費用と、利用料にあたる月額費用です。オンプレミス型ではこれに保守費やサーバの運用費が加わります。
ここで挙げる金額は、比較メディアやベンダーが公開している目安であり、民間各社の目安で、公的統計ではありません。いずれも資料請求の窓口や製品を提供する事業者の記事です。ユーザー数、拠点数、機能、カスタマイズの範囲で金額は大きく変わるため、一つの数字に決めず幅で捉えてください。製品の一覧は在庫管理システムのおすすめ製品一覧、製品の評価・順位はランキングで確認できます。
ITトレンドは90万円程度まで
ユーザー数や拠点数で変動
zaicoは小規模でも100万~300万円程度
保守費は初期費用の10~20%(zaico)
金額を示した出典は確認できず
掲載ページの実例は下の表を参照
導入形態別の料金比較(クラウド・オンプレミス・自社専用クラウド)
各出典に書かれた金額を、そのまま併記します。出典によって数字が割れる項目は、幅で示しています(2026年10月30日確認)。
| 導入形態 | 初期費用の目安 | 月額費用の目安 | 向く企業 | 注意点 |
| クラウド(SaaS) | ミツモア調べ(2025年10月更新):0円~数十万円 imitsu(2026年10月更新):0円がほとんどで、数万~数十万円の製品もある ITトレンド(2026年10月更新):無料~90万円程度 zaico(2026年4月):小規模は0~数万円 |
ミツモア:5000円~10万円 imitsu:980円~9万円(サポート費は9800~2万円) ITトレンド:1ライセンスあたり約1万円~15万円 zaico:3~5人程度の小規模で3000~1万円、5人以上の中規模で2万~5万円、大規模で10万円以上 |
サーバを自社で持たず、小規模から始めたい企業。製品によっては、ユーザー数に応じて月額が上がる | 初期費用が安くても、追加機能のオプションで総額が膨らむことがある(zaico)。導入支援や初期設定代行を付けると、初期費用が数十万円になる場合がある(ミツモア) |
| オンプレミス(パッケージ) | ミツモア:100万~1000万円 imitsu:数十万~数百万円 zaico:小規模でも100万~300万円程度が一般的で、本格構築は数千万円を超えることもある ITトレンド:確認した記事に記載なし |
ミツモア:月額1万~10万円。社内サーバで運用する場合は、サーバ費が月1万円前後、エンジニアを採用する場合の人件費が月30万円前後、別にかかる imitsu:月額数万~数十万円(機能要件で変動)。買い切りが多く、保守・サポート費は別 zaico:年間保守は初期費用の10~20%。ハードの寿命は5年程度で、刷新が必要 |
自社の業務に合わせて作り込みたい企業。社内に運用の担当者を置ける企業 | 初期費用が大きく、サーバの運用や保守、更新費用も続く。保守費や刷新費まで含めた総額で比べる |
| クラウド(自社専用・プライベートクラウド) | 見積もりによる(金額を示した出典は確認できませんでした) 掲載ページの実例:MieLUのプライベートクラウドは360万円(ハンディターミナル2台、カスタマイズ料含む、税別)。Connected Lincは「オンプレミス、またはお客様専用クラウド環境」で35万円~ |
見積もりによる 掲載ページの実例:MieLUのプライベートクラウドは月8万円(5ライセンスまで、税別)。Connected Lincは3つのエディションがあり3万9800円~。庫太郎のエンタープライズ(オンプレミスのサーバとして提供)は要問合せ |
自社専用の環境で、カスタマイズや他システムとの連携を行いたい企業 | 実例は個別製品の金額であり、相場ではない。ライセンス数やカスタマイズの範囲で変わるため、見積もりで確認する |
出典(2026年10月30日確認)
- ミツモア「在庫管理システムの費用相場は?」(最終更新2025年10月25日)
- PRONI「imitsu」の在庫管理システム記事(更新2026年10月5日)
- ITトレンドの在庫管理システム比較記事(最終更新2026年10月2日)。クラウド型の料金は同サイトのクラウド型記事(最終更新2026年6月22日)でも、紹介製品の相場を月額5万円ほど、製品により8980円~15万円、初期費用は無料~数万円としています
- zaico(株式会社ZAICO)のコラム(2026年4月6日)
いずれも民間事業者による目安で、公的統計ではありません。zaicoは自社で在庫管理システムを提供する事業者、ほかの3つは比較・資料請求を扱うメディアで、販売や紹介の立場からの記述です。金額は各記事の記載をそのまま掲載しており、税区分は記事ごとに異なる場合があります。
ITセレクトおすすめ製品の料金例
ITセレクトに掲載している在庫管理システムのうち、料金欄を確認した15製品の内訳です(2026年10月30日確認)。9製品は掲載ページに金額が書かれており、6製品は初期費用・月額費用とも「料金はお問い合わせください」です。個別製品の料金は要問い合わせとなる場合が多く、課金の単位もライセンス数、品目数、拠点数、取引先数と製品ごとに異なるため、参考としてご覧ください。
| 製品名(提供会社) | 初期費用 | 月額費用 | 備考 |
| MieLU(トヨタ情報システム愛知) | クラウド:100万円(ハンディターミナル1台の場合) プライベートクラウド:360万円(ハンディターミナル2台、カスタマイズ料含む) |
クラウド:6万円 プライベートクラウド:8万円 |
5ライセンスまで、税別。6ライセンス以上は追加ライセンスで対応。倉庫管理システム(WMS) |
| 成長する管理システム(瀬戸内scm) | 70万円~ | 要問合せ | 「ユーザー数を増やしても月額費用は増えません」と記載。1社1ライセンスのカスタムプランを用意。 |
| 庫太郎(フィールドシステムズ) | ライト:20万円 フル:20万円(1拠点ごと) エンタープライズ:要問合せ |
ライト:9800円 フル:1万9800円 エンタープライズ:要問合せ |
税別。エンタープライズプランはオンプレミス運用向けとして提供 |
| コレアル在庫管理システム(ナレッジ) | スタート:0円 スモール:2万円 スタンダード:5万円 ビジネス:8万円 |
スタート:3000円 スモール:5000円 スタンダード:8000円 ビジネス:1万円 |
税別。登録品目数は100、2000、5000、ビジネスは無制限。拠点数は2、5、10、ビジネスは無制限。スタートは初年度限定。本文には「月額3300円(税込)から」とも記載 |
| 在庫管理システム(MICKS)(MICKS) | 基本機能のみ:10万円 月額カスタムプラン:0円 |
基本機能のみ:3万円 月額カスタムプラン:30万円 |
税別。FileMakerをベースにした製品で、別途FileMakerのライセンスが必要 |
| Connected Linc(コネクテッド) | 35万円~ | 3つのエディションがあり、3万9800円~ | オンプレミス、または客専用クラウド環境にて。税区分の記載なし |
| スゴ腕「商品管理、WebPOS、顧客管理」(日本データコム) | 80万円~ | 5万円~(5ライセンスの場合) | 小売店向けの商品管理・Web POS・顧客管理で、倉庫管理型の製品とは用途が異なる。税区分の記載なし |
| LAION(東計電算) | 無料(カスタマイズが必要な場合は別途) | 月額利用料と出荷件数による従量課金(具体的な金額の記載なし) | 送り状発行・検品出荷管理のクラウド型で、在庫管理の中核機能を持つ製品とは用途が異なる |
| 検太郎(フィールドシステムズ) | 記載なし | 取引先数×1万9800円 | 税別。ユーザー数の上限なし。出荷検品・個数表発行のSaaSで、在庫管理システムとは用途が異なる |
| 要問い合せ | ALIS(アッカ・インターナショナル)、Compact RFID(東光オーエーシステム)、おまかせ在庫NEO(マテハンソフト)、INFO-Wms倉庫管理システム(インフォポート)、倉庫管理システムWin2 WMS(アイティジェイ)、CLOWS(東計電算) | ||
上の表のうち、スゴ腕は小売向けのPOS系、LAIONと検太郎は出荷検品系の製品で、倉庫・在庫の管理を担う他の製品とは用途が異なります。金額は用途ごとに見てください。上記以外の製品の料金は、製品一覧から各製品のページで確認できます。
費用を左右する要素
見積もりの金額は、次の条件で変わります。掲載ページの課金単位にも、これらの条件が表れています。
- ユーザー数・ライセンス数:MieLUは5ライセンスまでの料金、成長する管理システムはユーザー数を増やしても月額費用が増えない設計と記載されています
- 拠点数:庫太郎のフルプランは1拠点ごとの料金、コレアルはプランごとに拠点数の上限が異なります
- 登録品目数:コレアルは登録品目数に応じたプラン構成で、人数の制限はありません
- オプション・カスタマイズ:MieLUのプライベートクラウドは、カスタマイズ料を含めた金額が示されています。LAIONは、カスタマイズが必要な場合の費用が別とされています
- 保守・サポート:オンプレミスの年間保守は初期費用の10~20%という目安があります。imitsuは、クラウド型でも製品利用の月額費とは別にサポート費として9800~2万円が必要となる例があります。
zaicoは、初期費用が安くても追加機能のオプションで総額が膨らむことがあるため、初期費用と月額費用の合計で比べるよう述べています。見積もりを依頼するときは、ユーザー数、拠点数、登録する品目数、必要な機能をそろえて伝えると、各社の金額を比べやすくなります。
在庫管理システムの無料プランと無料トライアル
ITセレクトの掲載ページでは、料金プラン欄に「無料プラン」と「無料トライアル」が別の項目で表示されます。確認した15製品のうち、無料プランがある製品はなく、無料トライアルがある製品は5製品でした(2026年10月30日確認)。
| 製品名 | 無料プラン | 無料トライアル | 期間・条件(掲載ページの本文で確認できた範囲) |
| MieLU | なし | あり | 期間・条件の記載なし |
| 成長する管理システム | なし | あり | 標準機能のみを搭載したお試し版 |
| コレアル在庫管理システム | なし | あり | 登録から2カ月間は無料。無料期間の終了後は、月額3300円(税込)からで利用できると記載 |
| Connected Linc | なし | あり | 期間・条件の記載なし |
| 検太郎 | なし | あり | 14日間の無料トライアル |
| ALIS | なし | なし | - |
| Compact RFID | なし | なし | - |
| おまかせ在庫NEO | なし | なし | - |
| 庫太郎 | なし | なし | - |
| 在庫管理システム(MICKS) | なし | なし | - |
| スゴ腕「商品管理、WebPOS、顧客管理」 | なし | なし | - |
| INFO-Wms倉庫管理システム | なし | なし | - |
| LAION | なし | なし | - |
| 倉庫管理システムWin2 WMS | なし | なし | - |
| CLOWS | なし | なし | - |
「なし」は、掲載ページの表示上の判定です。個別に相談すれば試用できる場合もあるため、気になる製品は資料請求や問い合わせの際に確認してください。
無料で使える在庫管理システムには、多くの場合制約があります。無料版は体験版、機能検証/お試し版の位置づけで、フル機能を使うには有料契約が必要となることが多いです。例えば、複数の拠点やユーザーの管理に対応しておらず、セキュリティやサポートが十分でないケースもあるといいます。この他、登録できるデータが200件までのアプリ、登録商品数が50点以内までとなるような例があります。決済事業者のSquareも、在庫管理アプリとは? 目的別の選び方とおすすめ比較|無料で試せる製品も紹介で、無料プランは商品点数に制限があったり高度な機能が使えなかったりする場合があるとして、商品点数の制限、無料と有料の違い、バーコード読み取り機能、他ツールとの連携を確認するよう述べています。
もちろん、取り扱う品目が少なく、担当者が1人で拠点も1つならば無料ツールで足りるシーンも多くあります。複数人で使う、拠点やチャネルが複数ある、品目が増えていくといった場合は、上記の制約に当たりやすくなります。無料で使える製品は、関連コラムの無料で使える在庫管理システム10選で紹介しています。
導入事例
各社が公開している事例から、業種の異なる3社を要約します。効果は各社が公開した事例に基づく自己申告であり、ITセレクトは数値を検証しておらず、業務の内容や運用の条件によって異なります(2026年10月30日確認)。ロジザードZEROとサトーのIritoDeは、ITセレクト掲載外の製品です。
| 企業名(業種) | 導入製品 | 内容と効果(各社公開事例の記載) | 出典 |
| CSロジネット (物流・倉庫業) |
ロジザードZERO (クラウド型WMS、ITセレクト掲載外) |
荷主の指示をFAXやメールで受けており、在庫がないのに出荷指示が届く、在庫確認や出荷数の調整に手間がかかる、人手作業でミスが出る、といった課題がありました。導入後は、荷主ごとにリアルタイムで在庫を確認できるようになり、入出荷管理と送り状発行が簡素化され、ロケーションの可視化でピッキング時間の短縮とミスの減少につながったと紹介されています。事例中では、ある化粧品会社の倉庫の棚卸が、従来の10人がかり・1週間から1日になったと語られています(荷主1社の倉庫の数値で、CSロジネット全体の効果ではありません) | ロジザード公式事例(2024年11月1日) |
| 長野FCLコンポーネント (電子部品製造) |
サトー「IritoDe」 (RFID対応の入出荷・在庫管理) |
約3万点の電子部品を目視中心で管理し、年4回、10人で2日かけて棚卸しても、理論在庫と実在庫に差異が出ていました。導入後は棚卸が6人で約2時間になり、頻度も年4回から月1回に増えたと紹介されています。サトーのリリースは、10人×2日×7時間の140時間と、6人×2時間の12時間を比べ、約91%削減としています(同社から提供された数値)。RFIDタグを使う運用の事例で、バーコード運用の一般的な効果ではありません | サトー公式事例、プレスリリース(2025年4月17日) |
| ウッディーハウス (アパレル小売・EC) |
ロジザードZERO (クラウド型WMS、ITセレクト掲載外) |
店舗とECの在庫反映にタイムラグが生じて欠品が頻発し、棚卸に大人数と丸一日を要して、その間の業務停止で販売機会を逃していました。導入後は、商品管理の作業時間が1/5になり、フリーロケーションで保管スペースを約30%削減、バーコード管理で欠品トラブルを大幅に減らしたと紹介されています。導入にあたっては現場に反発もあり、理解を得るまで時間を要したとの記述もあります | ロジザード公式事例(2024年12月6日) |
数値の対象は事例ごとに異なります。CSロジネットは荷主1社の倉庫の棚卸、長野FCLコンポーネントはRFIDタグを使った棚卸、ウッディーハウスは商品管理の作業時間です。自社に近い業種の事例を、効果の測り方まで含めて確認してください。
富士経済が2024年11月14日に発表した「2024年版 次世代物流ビジネス・システムの実態と将来展望」では、WMS(倉庫管理システム)の国内市場が2030年に457億円(2023年比57.6%増)になると予測されています。対象は物流現場で在庫管理や入出庫管理を行うWMSで、ERPなど他の製品の一機能として提供されるWMSは含まれず、また、在庫管理システム単体の市場規模ではありませんが需要の拡大傾向を表しています。
EC運営のデジタル型在庫管理需要の傾向は、経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」(令和6年度、2025年8月26日公表)が参考になります。2024年の物販系分野のEC化率は9.78%(前年は9.38%)でした。
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在庫管理システムを導入するメリット・デメリット
在庫管理システムの導入には、それぞれ以下のようなメリット・デメリットがあります。
在庫管理システムを導入する主なメリット
手作業で在庫管理を行っていた企業が在庫管理システムを導入すると、作業時間の短縮と効率化、そして正確性の向上が大きく期待できます。棚卸の際に発生する在庫ズレが少なくなり、不要な仕入が減りコストカットにもつながります。
オンプレミス型やクラウド型を使用すれば、全社内で在庫情報を共有しやすくなる点も大きなメリットです。部署間での混乱や作業の重複がなくなることで業務が効率化され、人件費の削減も可能になるでしょう。
在庫管理システムを導入する主なデメリット
在庫管理システムは便利な一方、利用には一定の費用がかかります。クラウド型製品の多くは、従来のパッケージ型製品のように1本○円の買い切り型ではなく、ユーザー数単位/機能数単位などで「月額○円(あるいは年額○円)」となるサブスクリプション型の料金体系になります。
サブスクリプション型は料金プランの選択や機能オプションの数などとともに細かくコストを定めやすい反面、例えば、「分からないので、とにかく全部入りで! 最上位のプランで!」「単に、テレビCMや交通広告でよく見かける著名な製品だから」のような安易な決め方はおすすめできません。導入コストやランニングコストの額によっては不要な費用負担がのしかかることになる恐れもあります。機能、予算と財政状態などに合わせた導入を検討する必要があるといえます。
また、一度在庫管理システムを導入すると、その後の在庫管理に関する業務はシステムに依存することにもなり得ます。障害発生時の対応策などにも気を使う必要があります。
在庫管理システムの選定ポイント
在庫管理システムごとに使用できる機能が異なりますので、自社にあったシステムを選ばなければなりません。初めて在庫管理システムを導入する際には、どのようなポイントを注意してシステムを選べばよいのでしょうか。選定ポイントは以下の6点です。
- 自社が抱えている在庫管理の課題を解決できるか
- 自社に適した登録方法となっているか
- カスタマイズを柔軟に行えるか
- 既存のシステムと連携しやすいか
- 十分なサポート体制があるか
- 自社の業種・業界に精通したベンダーか
(1)自社が抱えている在庫管理の課題を解決できるか
自社の在庫管理が抱える問題を解決するためにシステムを導入するなら、まずは具体的に解決したい課題や目標値、ありたい姿などを明確にするところから始めましょう。
また導入候補のシステムの費用や対応できる規模を把握し、自社の規模と合っているものを選ぶのがおすすめです。選ぶ際には、複数の候補を比較して選定しましょう。費用の目安は在庫管理システムの料金相場を参考にしてください。
(2)自社に適した登録方法となっているか
在庫管理システムは、頻繁に発生する商品の登録作業が現場の負担にならず、必要な情報を取得できるものであることが大切です。同じツールでも管理する商品や資材のアイテム数、拠点の数や規模などによって使い勝手は異なります。現在の業務で使いやすいというだけでなく、今後の事業拡大も考慮に入れてシステムを選ぶとよいでしょう。
(3)カスタマイズを柔軟に行えるか
在庫管理の仕方は業種や作業環境によって変わるため、特別な対応が必要な企業は、柔軟にカスタマイズできるシステムを選ぶとよいでしょう。
具体的には、在庫分類や管理ルール、受発注のロジック、承認フロー、既存システムとの連携方法、帳票形式、業種特有の管理項目などを自社要件に合わせて設定できるかを確認することが重要です。標準機能で足りない部分を設定やオプションで補えるかどうかは、製品によって対応が分かれます。
(4)既存のシステムと連携しやすいか
在庫管理システムは、受注管理システムや販売管理システムなどの商品の販売・生産に関わる他のシステムと連携することでも業務をより効率化できます。各商品の在庫変動を売り上げと連携させれば、より高度な売り上げ分析なども可能になります。既に利用しているシステムは何か、それらと連携は可能か、どのように連携できるかの観点も併せて確認するとよいでしょう。
(5)十分なサポート体制があるか
在庫管理システムはすべての商品の出入りに関わるシステムであるため、停止すると業務に大きな支障をきたす恐れがあります。万が一トラブルが起きた際に解決できるよう、十分なサポート体制が用意されたシステムを選ぶのがおすすめです。
(6)自社の業種・業界に精通したベンダーか
在庫管理で重視すべき点は、業種によって大きく異なります。卸売なら取引先ごとの掛け率、製造ならロット単位の管理、小売なら店舗間の在庫の動き、ECなら複数モールの在庫の同期というように、商習慣や管理項目に違いがあるためです。業種や業界に精通したベンダーであれば、自社の業務の前提を共有しやすく、要件のすり合わせもスムーズに進みます。
在庫管理システムの中には、特定の業界向けのものもあります。ファッションや食品など、業態ごとのパッケージを用意している製品もあるため、まずは自社が属する業界向けの製品から探すのは近道の1つです。“業界特化型”の製品がない場合でも、同業種への導入実績があるか、業界特有の管理項目に対応できるかを確認しましょう。業種ごとの確認点は、次の【業種別】選び方のチェックポイントにまとめています。
【業種別】選び方のチェックポイント
在庫管理システムは、業種や業務内容によって求められる機能が異なります。ITセレクトでは、商品や資材の在庫数・入出庫状況を管理する「在庫管理システム」を独立カテゴリーとして扱い、倉庫内の作業や保管場所の管理に重点を置く「WMS(倉庫管理システム)」、在庫管理や生産計画の立案を支援する「需要予測システム」などに分けながら製品を紹介しています。
また、在庫管理機能は、受注管理システム(OMS)や基幹業務システム(ERP)などに組み込まれている場合もあります。例えば、EC・通販では複数の販売チャネルにおける受注・在庫の連携、卸売業では取引先ごとの受発注や販売管理との連携が重要になります。
そのため、製品タイプや業種だけで判断せず、自社がどの業務を効率化したいのかを明確にし、必要な機能と既存システムとの連携性を軸に比較・検討することが重要です。 ITセレクトの製品一覧では、リアルタイムな在庫トラッキング、バーコード/RFID対応、倉庫管理、レポート・分析などの機能を条件に候補製品を絞り込めます。
以下では、卸売・製造・小売・EC/通販の4業種について、選ぶ際に確認したい点を整理します。
卸売業
卸売業では、取引先ごとに販売価格や掛け率が異なり、注文が電話やFAX、メールなど複数の経路で届くことも少なくありません。そのため、取引先別の価格設定ができるか、受注と在庫が自動で連携するか、受発注と在庫を一元的に管理できるかが主な確認点です。出荷検品や流通BMSへの対応が必要な場合は、対応状況も見ておきましょう。
製造業
製造業では、完成品に加えて原材料や部品、仕掛品まで含めた在庫の一元管理が欠かせません。生産ロット単位で入出庫の履歴を残せば、不良が見つかったときに対象ロットを追跡しやすくなります。生産管理システムと連携して材料を自動で引き当てられるか、バーコードで入出庫を記録できるかも確認しておきましょう。
食品を扱う製造業では、製造日や賞味期限を管理し、期限の古いものから出庫する先入先出の仕組みも欠かせません。
小売業
小売業は店舗ごとに在庫を持つため、複数店舗の在庫を一覧で確認し、店舗間の過不足を調整できるかが重要です。レジの販売データを取り込むPOS連携があれば、在庫数をリアルタイムで更新できます。在庫が少なくなった商品をアラートで知らせる機能の有無も、欠品を防ぐうえで確認したい点です。
アパレルでは、色・サイズ別のSKU(最小管理単位)管理や、シーズンごとの在庫管理、返品・交換の頻度への対応も確認点になります。
EC・通販
経済産業省による電子商取引に関する市場調査(令和6年度、2025年8月26日公表)によると、2024年の物販系分野のEC化率は9.78%で、前年の9.38%から上昇しました。ECの比重が増えるほど、販売チャネルごとの在庫管理が重要になります。
Amazonや楽天などの複数のモールやカートで販売していると、チャネルごとに在庫数がずれ、在庫がないのに注文を受けてしまう売り越しが起こりやすくなります。そのため、複数モール・カートの在庫を一元管理できるか、売り越しを防ぐ仕組みがあるかが主な確認点です。同期の頻度や対応するモールは製品によって異なるため、候補ごとに確認しましょう。倉庫や物流代行業者と連携できるかも、出荷業務の効率に関わります。
業種ごとのおすすめ製品は、おすすめの在庫管理システムの章で分類して紹介しています。機能や料金オプションから探す場合は、製品一覧や満足度ランキングもご利用ください。
参考にした公開情報
- ASPIC(一般社団法人 ASP・SaaS・AI・IoT クラウド産業協会)「在庫管理システム比較16選」(最終更新2026年10月2日)
- ASPIC「製造業向け在庫管理システム13選」(最終更新2025年10月7日)
- ASPIC「卸売・商社向け販売管理システム16選」(最終更新2026年10月19日)
- ASPIC「アパレル向け在庫管理システム15選」(最終更新2026年7月6日)
- 経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(令和6年度、2025年8月26日公表)
【業種別にチェック】2026年版 おすすめの在庫管理システム62選
これまでの解説を踏まえ、ITセレクトおすすめの在庫管理システムを、業種別の5分類に並べてご紹介します。各分類の冒頭に、システム名・ベンダー名・提供形態・特徴をまとめた比較表を掲載しています。ベンダー名と提供形態は各製品ページの記載にもとづき、記載が確認できなかった項目は「要確認」としています。(業種別に掲載/2026年11月更新版)→【並べ替える/機能の有無で探す】
製造業向けの在庫管理システム
製造業では、原材料・部品・仕掛品までを含めて在庫を一元管理できるか、生産計画や生産管理と連携できるかが選定の軸になります。生産ロット単位の入出庫履歴によるトレーサビリティや、製造日・使用期限の管理が必要かどうかも、事前に確認しておきましょう。このグループは、生産管理システムやERPの一機能として在庫管理を備える製品が中心です。
| システム名 | ベンダー名 | 提供形態 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ASTONE | アステック株式会社 | 要確認 | kintone活用のIoTデータ可視化。在庫管理は主用途ではない |
| Empower-X cx | 株式会社ネクステップ・ソリューションズ | 要確認(サブスクリプション形式の利用も可) | 製造業向けの基幹システム(ERP・生産管理) |
| FactoryAdvance | 株式会社イーポート | クラウド | 個別受注生産型の中小製造業向け。見積から在庫までを管理 |
| FutureStage 製造業向け基幹業務ソリューション | 株式会社日立システムズ | パッケージ | 販売・生産・購買・在庫・原価までを標準装備した生産管理 |
| 在庫管理システム | MICKS株式会社 | 自社サーバまたはクラウドサーバ | ローコードで構築。材料在庫・入出庫・生産予定を管理 |
| スマートF | 株式会社ネクスタ | クラウド型 | クラウド型の生産管理。在庫管理・工程管理から導入できる |
| 生産管理システムSpeedyNeo | 株式会社トップシステムプロダクツ | SaaS | 見積・受注から在庫、出荷、請求までを一元管理する生産管理 |

























































































