今回のキャラバンで最大規模となった大阪会場は、TSUTAYAサイレントライブなど、イベント運営という面でも重要な経験となった。岡田氏は2年前の第3回大阪会場を「苦い思い出」としたが、今回はその雪辱を果たした様子だ。
岡田氏:物販コーナーでは売上金額・件数共にNo.1でした。この辺りはさすがというべきでしょう。カスタムIEMも大人気で、耳型採取をお願いしていた「きこえ補聴器」の担当さんが「手が痛くなった」と言っていらしてましたね。
――大阪会場限定のイベントもありましたね。Final Audio主催のイヤフォン自作教室では、当日キャンセルの2枠をめぐって、急きょ大じゃんけん大会なんかも開催されていました。
岡田氏:自作教室の反響も良かったですねそれからTSUTAYAさんとの連動企画も、大阪で「サイレントライブ」というカタチになりました。タワレコさんとかと違って、今までTSUTAYAさんではあまりインストアイベントをやってきませんでした。
――アース・スターレコードなど、グループでコンテンツを持っているのに、不思議な感じですね。
岡田氏:しっかりとしたライブイベント運営の出来る人が、TSUTAYAさんの内部にいなかったみたいです。今回のあべの橋駅前店でのサイレントライブは、TSUTAYAサイドからも一石を投じたイベントだったそうですよ。会場の階段に列ができるくらい、多くの方がいらっしゃりましたからね。
――ライブなのにヘッドフォンを使ってアーティストの曲を聴くという発想がとても斬新ですよね。
岡田氏:僕達も初めてでした。僕はあべの橋の会場に行っていたんですけど「こんなの体験したことない」「イヤフォンで音が違うの知らなかった」「アーティストがとても近い」「耳元で歌ってくれる」など、多数の「生の声」を直接いただきました。一番喜ばれたのはファンのみなさんだと感じましたね。
松田氏:通常のインストアライブや、雑多な空間のストリートライブとも全然違う体験ですよね。言うなれば「アーティストと一緒にその場限りのマスターを聴く」といったところでしょうか。
岡田氏:不思議な空間を共有できたと思います。同一体験という一体感が凄くて、ライブ後にファンの方からいっぱい感謝の言葉をかけられ、そのまま仲良くなったりもしました。中には感極まって涙を流している方もいらっしゃいましたよ。
――そんなにすごい体験ができるのならば、いっそお店にライブ会場を常設してみては如何ですか。
松田氏:アリかもしれない(笑)。
岡田氏:考えておきましょう。それはそうとして、今回の大阪は他の会場の3倍の広さでした。
松田氏:ブランドはおよそ100弱。入り口に立っていて、閉幕直前までお客さんが途切れなかったです。
岡田氏: 大阪というとどうしても2年前を意識せざるをえないです。正直いってあの時はあまり芳しくなかったですから。
――傷口をえぐるようで申し訳ないですが、2年前のことを教えて下さい。その時の目玉は何でしたか?
岡田氏:シュアのハイエンドモデル「SE846」が関西初上陸という時期でしたね。試聴整理券を徹夜で作ったのを憶えています。
――ということは、同じシュアの「SE535」などがブイブイいわせていた時代ですね。一般的なハイエンドモデルの相場がだいたい5万円弱といったところでしょうか。ゼンハイザー「HD800」やAKGの「K3003」で“6桁円”の兆しも見えたりした気もします。
岡田氏:今ではプレイヤーはAKだったり。
――イヤモニメーカーがカスタムIEMの手法をそのままに、超弩級のハイエンドのユニバーサルを作ったりしてきますよね。
松田氏:「Layla」「Angie」などですね。「SE846」はこういったもののはしりだったように思います。
岡田氏:2年前の印象と全然違いました。あの時と比べても、みなさんの装備品単価がグッと上がりましたね。以前とよりもずっとマーケットが成熟したと感じます。
言い方に困りますが、若干大阪を避けていたようなところがあったんですよ。で、今回改めて大阪でやってみると、自分たちの地元で熱意をもって歓迎されました。「なんで今までやってくれなかったの?」など、みんな声をかけてくれてアットホームな雰囲気でした。昔のお客さんなど、熱心な「e☆イヤホンファン」が多かったです。
松田氏:大阪には店舗もあるけれど、こういうイベント的な、フェスティバルに乗りたいんでしょうね。お祭り的なものをやってほしかったのかな?
岡田氏:店舗があるにも関わらず、イベントにこれだけの方が来てくれるのがうれしかったです。これでトラウマが1つなくなって、スッキリしました。
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