2017年も残りわずか。毎年忘年会のシーズンがやってくると、大切な財布にスマホ、家のカギなどをなくしてしまったあの時の切ない思い出が蘇ってくるという方も多いのでは。今回は一風変わった“メガネを置き忘れないためのBluetoothトラッカー”をご紹介しよう。
Bluetoothトラッカーはスマホにペアリングして、装着したデバイスの現在位置を地図アプリなどで確認できる、いわば遺失物を探す、または未然に回避するための便利ツールだ。筆者みたいに日ごろから激しい物忘れに悩まされている人間には必携のアイテム。最近はうっかり仕事カバンを電車の網棚に置き忘れたりもするぐらいなので、なくしそうな身の回り品には全部付けたいぐらいだ。
Bluetooth機器の省電力駆動を実現するBLE(Bluetooth Low Energy)のテクノロジーが発展したこともあって、近頃は最もポピュラーな「キーホルダー型」や財布の中に忍ばせておける「カード型」のほかにも様々な種類のトラッカーが商品化されている。筆者が秋に海外のイベントを取材したときに、何気なく立ち寄ったオーストラリアのHButlerというスタートアップのブースでちょっと変わった製品を紹介してもらった。「Orbit for Glasses」というメガネをなくさないための専用トラッカーだ。
筆者はコンタクトレンズが苦手で、20年以上も前からメガネオンリーで過ごしている。朝起きたら枕元に置いたメガネをすぐさまオン。寝ぼけてメガネを着けたまま顔を洗うこともあるぐらいなので、メガネにBluetoothトラッカーなんてばかげてると思っていたのだが、先日HButlerからDHLの国際貨物でサンプルを送ったという連絡をもらった。残念ながら日本で試すことは法規上難しそうなので、今回はこの製品の使い道を色々想像してみることにした。
Orbit for Glassesの最大のウリは、小さく、軽くてメガネに装着しても違和感がないことである。確かに小さい。取り付けも両面テープで簡単だ。ただあまりに簡単なだけに、何かにぶつけた拍子にポロリと落ちてしまわないか心配だ。メガネのリム(ツル)に装着するスタイルが妥当だが、内側だといくら小さいとはいえ視界に入ってきそうなので外側に装着してみた。幸い筆者のメガネのリムと色が似ているのでそれほど目立たないといえばそうなのだが、普段、私の顔など見慣れていて興味もないであろう家人にですら、「あんた、それ何さ」と見破られてしまうほど、やはり何かエクストラなものがメガネに付いている雰囲気はぬぐい去れない。どうせなら明るい色や、へんてこなキャラがメガネにのっかっているような絵面になる突きぬけたデザインのバリエーションがあってもよさそうだ。
スマホによるトラッキングは専用アプリ「Orbit」を使う。iOSとAndroidの両バージョンがそれぞれのストアで配布されている。デバイスを追加して、簡単なセットアップを済ませれば、トラッカーを装着したデバイスがマップ上で確認できる。もしカバンやポケットの中にあることは確実なのにすぐに見当たらないときは、けっこう大きなビープ音が出せるスピーカーが内蔵されているので、アプリの「Find Orbit Glasses」アイコンをタップしてピロピロと音が鳴る場所を掘り当てればいい。メガネから半径30m以上、スマホを持って離れるとこれまたビープ音が鳴り響く「忘れ物防止」の機能もある。至れり尽くせりだ。
万が一手もとにトラッカーを装着したメガネが見つからない場合も、地図上には最後にOrbit for Glassesが電波を発していたポイントがマークされる。Orbit for Glassesのバッテリーはフル充電にしておけば約1カ月は持つので、落とした場所の近くまで足を運んでビープ音を鳴らせば見つけられる確率は高い。
確かに使い勝手はよさそうだが、でもいったい「いつ」これが活躍するのだろうか。メガネを四六時中手放さない自身の狭い見識でOrbit for Glassesの存在価値をあれやこれやと思い巡らせていたのだが、ふとある方に「これ、遠近両用メガネの方に付けておくと良さそうだね」と指摘を受けて、遅ればせながら筆者も色んな活用方法ができそうだと開眼した。
実は筆者もふだん使いのメガネとPC用の“ブルーライトカット”処理を施したレンズのメガネを、時々一緒に持ち歩いていることがある。常時身に着けているメガネ“じゃない方”のメガネなんて、いつでも忘れたりなくす準備は万端だ。ぜひOrbit for Glassesをサブのメガネに装着しておくべきだ。スポーツの時には目の日焼け防止のため、サングラスを装着することもある。Orbit for Glassesが日本に上陸した日には、さっそく最低2個は買い求める必要がありそうだ。価格は49.95ドル(約5600円)。
Orbit for Glassesはとても小さなデバイスなので、両面テープをはり付けてオッケーなものであれば応用もできそうだ。Orbitシリーズの製品は日本でも先行して取り扱われているモデルもあるようなので、このメガネ用モデルが登場することも期待したい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR