香港でW-CDMAサービス「3 Hong Kong」サービス開始(2/2 ページ)

» 2004年01月29日 07時55分 公開
[山根康宏,ITmedia]
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 契約時にはU-SIM代金(100香港ドル)、また他オペレーターから電話番号を移行する(番号ポータビリティ)場合には40香港ドルが別途かかるが、いずれもサービス開始時のキャンペーン期間中は免除される。また香港ID非所持者であっても、5000香港ドルのデポジットを支払えば回線契約が可能だ。

端末はNEC製「c616」

 対応端末はNECの「c616」。W-CDMAおよびGSM900/1800MHzに対応している。重さ130グラム、厚さ26ミリと小型で、同社の最近のFOMA端末とよく似たスタイルとなっている。

 カメラはインカメラとアウトカメラの2つを備え、静止画と動画の撮影が可能。内蔵のブラウザはAccessのNetFrontを搭載、本体に「トライアングルボタン」が装備され、ボタン一発でコンテンツにアクセスできる。メールソフトはPOP3/IMAP4のメールアカウントにも対応している。外部メモリはメモリースティックDuoを採用、外部との接続用にUSB端子、Bluetoothを備えており、Bluetoothヘッドセットを利用しながらのテレビ電話も可能だ。PCとのリンクソフトとUSBケーブルが同梱され、アドレスやスケジュールなどをPCと同期できる。なお端末の表示言語は英語、中国語(繁体字)に切り替えが可能。

 価格は4388香港ドルで、2台以上購入の場合は3988香港ドルの割引価格で購入が可能(ただし回線契約も必要)。VideoCallの普及のために、ペアでの購入には大幅な割引プロモーションを行っている。なおc616をヨーロッパ言語に対応させた「e616」を、向こう3週間以内にヨーロッパおよびオーストラリアのHuchison3に出荷予定だという。

通信方式W-CDMA & GSM 900/1800MHz
サイズ(幅x高さx厚み)103×53×26ミリ
重さ130グラム
メインディスプレイ2.2インチ、6万5536色
カメラ10万画素、CMOS
主な機能GPRS、Java、Bluetooth、GPS
メモリースロットメモリースティックDuo (最大128Mバイト)
再生可能フォーマットビデオMPEG-4、WMV
オーディオWMA、MP3、 AMR、 WAVE
静止画JPEG、GIF、PNG、BMP、JFIF、DCF

普及の鍵はコンテンツ内容と端末の充実

 香港の携帯電話普及率は契約ベースで約7割、プリペイドも含めると100%を超えている(9月22日の記事参照)。新規参入した3 Hong Kongは顧客獲得を他社からの乗り換えに頼ることになる。

 そのためにはコンテンツの拡充もさることながら、端末種類を早急に増やす必要があるだろう。ここ1年でGSM携帯電話はカラー液晶、カメラ内蔵、パケット通信対応の端末がかなり出そろってきた。

 GSMならば高機能端末だけでも十数機種から選ぶことができるが、3 Hong Kongが提供する端末は1機種のみ。テレビ電話機能などGSM端末より高機能であるが、普段から何十機種もの端末の中から自分の好みに合った端末を選ぶことに慣れている香港人にとっては、やや不満があるかもしれない。

 またGSMオペレーター各社間では通話料金、基本料金の価格競争が激化しており、最低の月額料金は50香港ドルとなっている。3 Hong Kongの最低月額料金はその約5倍。「それだけの料金を払ってもいい」──と思えるようなコンテンツやサービスを用意することがユーザー獲得の鍵となるだろう。

 とはいえ香港ではGSMでも本格的にコンテンツサービスが始まったばかり。またパケット通信の普及も契約ベースで15%程度(OFTA調べ)。ユーザーのニーズにマッチしたコンテンツ等をサービスできれば、普及に弾みがつくだろう。

 年内には香港内のほかのオペレーターもW-CDMAサービスを開始すると伝えられえており、2004年は香港の“3G元年”になりそうだ。

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