紙の手帳のような使い心地の新CLIE、「PEG-TH55」(2月10日の記事参照)が売れている。ここ数年、伸び悩んでいたPDAだけに、売れ行き好調と聞くとうれしいものだ。
全く買う気がなかった筆者だが、たまたまキャンセルで残っていた限定色のセレブレッドを、ついふらふらと買ってしまった。「PDAにもキーボードは必須」というタイプのため、メモを書いたりするのはやや煩わしく感じるが、全般的な使い勝手は意外と気に入っている。320×480ピクセルの縦長ディスプレイは、一画面あたりの情報量が多く視認性もいい。無線LANも内蔵しているので、ちょっとしたWebブラウズやメールの確認にも重宝している。
だがTH55では、日本のモバイル通信では主流ともいえるCFカード型PHSが使えない。インターネットへのアクセス手段は、1) IEEE802.11bの内蔵無線LAN、2) 別売りのモバイルコミュニケーションアダプタ「PEGA-MA15」+音声通話タイプの携帯電話やPHS、3) ICカード公衆電話+赤外線、4) 携帯電話+赤外線 の4通りだ。
ユーティリティソフトウェアなどを使って、PC経由でインターネットにアクセスすることも可能だが、どこでも利用できるわけではない。また赤外線経由の接続は、メールを除けば速度の点でとても現実的とはいえない。
だが、もっと手軽な通信手段がないわけではない。それも、「CFカード型のPHSカードを使って」だ。ソニーの保証対象外の手段なので自己責任という形にはなるが、PEG-Tシリーズ用に販売されていたCFカードアダプタ「PEGA-CF60」もしくは「PEGA-CF61」を改造すればTH55でも使えるようになるのだ。
そのまま接続しようすると、CFカードアダプタ本来のCLIEホールド用の出っ張りがじゃまになってしまう。そのままでも接続できないことはないが、浮き上がってしまって不安定な上、物理的に離れてしまって接続が切れる可能性もある。コネクタも傷んでしまいそうだ。
出っ張りとウラ蓋を削ってみた。改造になるので、自己責任で行う必要がある |
そこでCFカードアダプタの出っ張りを削ってみた。かなりましになったが、デジタルカメラの部分がわずかに出っ張っているため、ぴたりとくっつくというわけにはいかなかった。Webサイトを調べると、既に同じことを考えた先人のページがあったのだ(ちなみに先人の先人は「CLIE User Club」のSPA氏。同サイトには具体的な方法が紹介されている)。そこには、アダプタ側のTH55のデジタルカメラ部が当たっている部分を切ってしまう方法が紹介されており、普段工作などしない不器用な筆者でも、問題なく加工できた。
AirH" 対応の「AH-N401C」、@FreeD対応の「P-in Free 2PWL」で動作させたところ特に問題なく接続できた。ただし削っただけでは、PEG-TH55が浮き上がらなくなったというだけで、しっかり固定されているわけではない。ゴムバンドで固定しようかとも考えたが、TH55の液晶がボディの端まできているため、現実的ではない。TH55の底面とCFカードアダプタの上部にマジックテープを付けるとか、アダプタ側に紐を付けるなどの工夫がさらに必要だ。
CFカードアダプタ「PEGA-CF60」+TH55の組み合わせでは、アダプタ側にバッテリーが内蔵されているため、TH55に給電できるという意外なメリットもあった。
インターネットの接続は、CFカードアダプタ対応のCLIEと同じ手順でいい。moperaを利用する場合は、ダミーの「ユーザ名」と「パスワード」を設定する |
TH55にはWebブラウザとして「NetFront 3.1」がバンドルされている。サイトの見え方を、レイアウト優先、読みやすさ優先など4種類から選べるため、閲覧するサイトに最適化させた表示が可能だ。320×480ピクセルの液晶は、小さなフォントを選べば、PCでの閲覧時とさほど情報量の差がない。
メーラーはマルチアカウントに対応した「CLIE Mail」が付属する。PC用メールソフトのOutlook、Outlook Expressなどとの同期が可能だ。
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