「のぞき見」対策が今年のトレンド?〜EDEX2004

» 2004年04月07日 22時14分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 こと携帯向けに限ってみると、小型液晶パネルはサイズは2.4インチ、解像度はQVGA、色数は26万色でひとまず打ち止め(4月の10月の記事参照)。では液晶パネルメーカーは、どこを次の改善点と考えているのか。4月7日から東京ビッグサイトで開幕した「EDEX 2004 電子ディスプレイ展」で、各社の動向を追った。

地上デジタルテレビにらみ、進む高視野角化

 携帯ディスプレイに求められる次なる改善点のひとつは高視野角化だ。「従来60度〜80度程度だった視野角を、160度まで上げた」と話すのは東芝松下ディスプレイテクノロジー。2.2インチQVGA解像度の低温ポリシリコンを使った超高視野角パネルがまもなく量産に入る。

photo 従来の液晶パネルの視野角は左右を中心に広がっていたが、超高視野角をうたうパネルは、上下方向から見ても反転せずに美しく見える(右下グラフ参照)

 同じく160度の視野角を持つ超高視野角液晶を「モバイルASV液晶」の名で進めるのがシャープだ(2003年10月の記事参照)。各社が視野角を重視するのは、モバイル機器でも動画が重要になってきているためだ。

 特に2005年にもスタートするモバイル向けの地上デジタルテレビ放送(1セグ放送)でのニーズをにらむ。東芝松下ディスプレイテクノロジーは、左右だけでなく上下方向も高視野角とすることで、「携帯を横向きにしてカメラのファインダー代わりにしたり、映像を見たりしても違和感がない」ことを目指す。

高視野角と相反する、プライバシー

 高視野角化が進む中、問題になるのがプライバシーだ。携帯電話やノートPCでは、横から個人情報をのぞかれる可能性がますます高くなる。

 こんな問題を解決する技術も、EDEXでは数社が展示している。携帯向けに、横からは画面を見えなくする視野角制御技術を展示したのがエプソン。「パーソナルで使う場合に、横からのぞかれたくないというユーザーの声に応えて」開発したと言う。

photo エプソンの視野角制御技術付き液晶。左が高視野角モード、右は視野角を制限したところ。バックライトが消えているわけではなく、横から見るとこう見える。もちろん、正面からは通常と変わらない

 技術の詳細は明かさないが、通常160度程度の高視野角液晶に機能を追加し、スイッチひとつで視野角を半分程度に狭くすることができる。

 現在は技術展示だが、要望があれば量産も可能。EDEXで来場者の反応を見るという。

 ノートPC向けの視野角制御技術を展示したのが、東芝松下ディスプレイテクノロジー。「のぞき見シャットアウト!」というキャッチ付きで紹介しており、10月にも出荷を開始する予定だ。

photo 一見普通のノートPCだが(左)、スイッチをオンにすると格子模様が浮かび上がり、のぞき見を防止する。もちろん、正面からは格子模様は見えない。格子模様なのは、「一方向しか制御できない」から。つまり、右から見ると黒くなっている部分は、左から見ると透明になる

 こちらは通常の液晶パネルの上に、もう一枚液晶を重ね、電圧をかけることで視野角をコントロールする。液晶分子の向きを工夫し、正面から見ると透明だが、左右から見ると格子模様が現れてのぞき見ができないようにしている。パネル2枚重ねによる輝度低下は20%程度で、「タッチパネル程度」だという。

 市場としては、まずノートPCや銀行ATM、キオスク端末、電子投票機への採用を狙う。技術的には、PDAや携帯電話にも応用でき「いま、使えるか検討している」段階だという。

photo エプソンが展示した高分子型の有機ELディスプレイ

 これまでの展示は携帯電話を模したものだったが、今回は「モバイルテレビ向けに変更」(説明員)。有機ELが実用化に手間取る間にも、液晶の高性能化は止まらない。結果、「有機ELの応答速度が高いのをウリにしていく」ということで、テレビを選択した。2.1インチ、26万色、208×178ピクセルで、消費電力は120mW。

 右の写真は、有機ELのロードマップ。高分子型はそもそも大画面化に向くとされており、面積を向上させ、アプリケーションはテレビ──というのが、エプソンの有機ELの方針だ。現在の課題は有機材料。「発光寿命が1万時間は必要。まだ足りない」(エプソン)


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