モバイル端末で「だめんず」度を判定してみました

» 2004年04月10日 17時30分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 人工知能は、どうやら「恋愛」の分野にまで進出してくるらしい。

 インデックスは、「恋愛」「性格診断」「芸術分野」などの分野で判断を下せる人工知能エンジン「ヴァイスコープ(Weiscope)」を開発した。製品化第1弾として、5月からタカラが販売するモバイル端末「だめんずうお〜か〜♀(レディス)」「同 ♂(ボーイズ」に同技術を搭載する(3月23日の記事参照)。

 だめんずうお〜か〜を使えば、ユーザーは質問に応えるだけで「特定の異性との相性を診断、アドバイスを聞ける」(インデックス)。実際にどのような端末なのか、そして判定エンジンであるヴァイスコープとは一体何なのか。インデックスの担当者に話を聞いた。

くらたま漫画のキャラクターが診断

 ひとまずは、だめんずうお〜か〜を試してみよう。「だめんず」とは、ダメな男たち(=ダメ+メンズ)を意味する造語。漫画化の倉田真由美さん(通称:くらたま)が、ダメ男を紹介する同名企画を雑誌「SPA!」上で連載しているので、聞いたことがある人も多いだろう。

 端末の液晶画面には“くらたま漫画”のキャラクターたちが、ところ狭しと表示される。まだ開発段階とのことで、紙面でお見せできないのが残念だ。くらたまが繰り出す「あんたの年は?」「(相手は)ケバイ?」「きょにゅう?」などといったぶしつけな質問に回答していくと、見事相手となる異性のダメ度が判定される。

 「♂(ボーイズ」の方で適当に質問に答えてみると、「このてのタイプのおんなは……」「ダメど56!!」との表示が。「“オラオラ女”とにかく男らしい! たのもしい!」などと、相手のタイプを解説してくれる。

 判定には3段階あり、第一印象だけで判定することもできれば、相手を熟知した上で判定することもできる。ちなみに、段階が上がると端末側も「チャリをこぐスピード?」「ユーレイがみえる?」などと、なかなか踏み込んだ質問をしてくる。

 端末には、知人を20人まで登録することが可能。ダメ度のランキングも表示されるため、新しい異性に出会ったら即座に判定し、「ふむ、自分の知り合いの中では○番目の“だめんず”だな……」などと確認できる。

エンジンの仕組みとは

 だめんずうお〜か〜に採用されているヴァイスコープは、インデックスとサミー、筑波大学による産学共同研究「Arcプロジェクト」で開発したもの。インデックスの企画営業部 Arcプロジェクトリーダー、千葉大輔氏は「分岐を増やして判断を行う、従来の古典的なAI(人工知能)とは異なる」と話す。

Photo 左から、インデックスの企画営業部、千葉大輔氏(ダメ度28:ワリカン男)と、企画営業部工学博士の川村誠氏(ダメ度61:ぼうりょく男)

 千葉氏によれば、従来AIと呼ばれていたものは、単に「こう来たらこうする」といった対応を学習させただけのものが多い。「あらかじめインプットされたシナリオを一歩でも外れると、情報を一切処理できなくなる」(同氏)。

 一方、ヴァイスコープでは人間の脳の仕組みを数学的にモデル化したといわれる、“ニューラルネットワーク”で判断を行う。「複雑系とか、ソフトコンピューティングとか呼ばれている分野だ」(企画営業部の川村誠氏)。

 具体的には、学習用のデータを与えると自力で入出力対応関係を考え、法則性を発見してそれを“学習”する。これにより、入力情報から出力情報を生成することができるようになり、未学習の入力があった場合も「ある程度適切な出力ができる」(川村氏)という。

 ヴァイスコープではまた、“ファジィ推論”により推論に柔軟性を持たせている。「○か×かではなく、△ですべてを判断していくやり方。ニューラルネットワークとファジィ推論によって、人間に近い判断が可能になる」(千葉氏)。

 だめんずうお〜か〜の場合、まずインデックスの運営するiモード向け恋愛占いサイト「恋愛の神様」で、端末を利用すると想定されるユーザー層に近い男女1万人を対象にアンケートを行った。このデータを、外れ値を排除するなどした上で、ヴァイスコープに学習させたわけだ。

 「ヴァイスコープでは、パラメータだけを見て法則性を作る。別に“恋愛”でなくともかまわない」(千葉氏)。夏には、ビジネス向けに「より適切なネーミングを判断するエンジン」の提供も予定しているという。

正解なき問いへの“答え”を

 インデックスでは、だめんずうお〜か〜を製品化するにあたり、社内でテストのため「結果は一切口外するな」と厳命した上で、会議室にこもって各社員のダメ度を相互に判定したという。

 「そうしたところ、えらい盛り上がった」(インデックス広報宣伝部副部長、樋口由美子氏)。ユーザーでも同様に利用されることを想定しているという。「たとえば、合コンなどで使うことになるだろう」。

 ヴァイスコープは、存在することが分かっている解を、高速な計算で導く……という種類のマシンとは一線を画すと千葉氏は話す。

 「むしろ正解がない問題を与えられて、それに判断を下すものだ」。同氏は、恋愛や結婚に正解はないでしょう? と笑った。

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