100万画素カメラ、FMラジオ、電子コンパス、miniSDスロット、QRコードリーダ、USBポート──これらの機能を搭載し、米国や韓国、オーストラリアなど12の国や地域での音声通話が可能なグローバルパスポート端末が、三洋電機製の「A5505SA」だ(3月17日の記事参照)。
豊富な機能に注目が集まるが、実はデザインや使い勝手にもこだわりが見られる。三洋電機の開発陣に、そのポイントを聞いた。
三洋電機はラジオ付きケータイとして話題になった「A5503SA」(2003年12月の記事参照)に、大型背面液晶と方向キー、カーソルキーを搭載、閉じたままでもさまざまな操作が行えるような仕組みを取り入れた。A5505SAでは、それをさらに進化させ、「閉じたままでもメインディスプレイ感覚で使える」(国内携帯電話BU 商品企画二課の湯山誉氏)ことを目指した。
「方向キーだけでは、どうしても操作が限られてしまうので、背面にも右ソフトキーと左ソフトキーの役割を担うボタンを用意した」(湯山氏)
ボタンの追加に伴って背面液晶の下部には、「戻る」「決定」などの操作がアイコン表示される。例えば、待ち受け時には背面液晶の左下にメールアイコン、右下にEZwebアイコンが表示されており、左右のボタンを押せばそれぞれの機能にワンボタンでアクセスできる。背面液晶でのメール閲覧時も、左ボタンに「前メール」、右ボタンに「次メール」が割り当てられ、直感的な操作でのメール確認が可能だ。
ラジオ機能も閉じたまま操作できる項目が増えた。A5503SAでは音量調節のみ可能だったが、A5505SAでは上下キーでチューニングでき、長押しするとオートチューニングも行える。
海外で使えるのがウリのA5505SAは、デザインに和のイメージを取り入れた。「扇のように広がりがありながら直線的なイメージを意識したデザイン」(デザイン部デザイン課の矢部智哉氏)。ボディカラーは、シャインゴールドとシャドウパープルの2色がラインアップされる。
「シャドウパープルは、モーブと呼ばれる夜明け前の空のような薄暗い紫」。黒にも紫にも見えるこのカラーは、塗装に偏光パールを採用。光の加減によっては深みのあるブラウンのような色にも見える。シャインゴールドには、つや消し処理が施され、落ち着いた雰囲気だ。
いずれも意識したのは高級感だと矢部氏。「国際データローミングに対応したフラッグシップ機という位置付けなので、“高級感や上質感を感じさせる端末”というところを狙った」。ダイヤルキーや方向キー部分は高級オーディオ機器のフロントパネルをイメージさせるもので、パーツの工法としてオーディオ機器でよく使われる手法を取り入れている。
また、背面に搭載されたツインステレオスピーカー部分は、置いたままでもきちんと聞こえるよう、「サイドに突起を設け、音が抜けるよう穴を開けた」(湯山氏)。実際にスピーカーから流れる音を聞きながら突起部の高さを微調整するなど、こだわった部分だ。
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