3G携帯技術TD-SCDMA、中国で2005年までに商業化

» 2004年06月24日 16時30分 公開
[IDG Japan]
IDG

 中国で独自に開発された第3世代(3G)携帯電話技術TD-SCDMAは、2005年半ばに商業化の準備が整う見通しだ。政府関係者の発言として、中国日報がそう報じている。

 この記事で、中国通商産業省の電子情報機器管理局のチャン・チー長官は、来年6月までにTD-SCDMAの完全な製品ラインナップの商業化の準備が整うと語っている。

 中国日報によれば、このチャン長官のコメントは6月22日、カナダのNortel Networksと中国の通信機器メーカーChina Putianとの覚書の調印式で行なわれたもの。

 Nortelの発表によれば、同社とPutianは今後、この合意に基づき、TD-SCDMAと別の3G規格であるW-CDMAをベースとした3G機器の研究、開発、製造で協力する。この合意は、両社が中国で行なったTD-SCDMAネットワークの実地試験における作業を土台とするものだ。

 中国は3Gライセンスを同国でいつ発行するかについては、まだ正式には明確なスケジュールを定めていない。また中国日報が報じたチャン長官のコメントも、政府がいつこの動きに出るかを明言していない。だが中国政府は以前に、2004年後半か2005年初頭には3Gライセンスを発行できる可能性を示唆している。

 一部の中国観測筋は、TD-SCDMAの商業化の準備が整うまで中国政府は3Gライセンスを発行しないと推測している。もしそういうことであれば、今回のチャン長官の発言は、この条件が来年半ばまでに実現されることを示唆している。だが他方では、いずれにせよTD-SCDMAに関してはそれほど大きな商業的成功を見込めないことから、TD-SCDMAの商業化の準備が整う時期と、中国政府が3Gライセンスを発行する時期をそれほど強く関連付けて考えない向きもある。

 チャン長官のコメントについて、あるアナリストは、中国政府が3Gライセンスを発行し、業者が商用の3Gサービスの提供を開始するスケジュールを知らせるというよりは、TD-SCDMAに対する業界の関心を高めようという中国政府の試みだと指摘している。

 「TD-SCDMAの帆に風を吹き込むための保身的な発言だったのだろう」と通信コンサルタント会社BDA Chinaの代表取締役ダンカン・クラーク氏は語っている。

 クラーク氏によれば、中国当局は、3Gライセンスの発行のタイミングに関しては、世界各国での3Gの導入状況や3G技術の成熟度を基準に判断すると述べている。だが3Gの導入が急速に進む中、中国に対して3Gライセンスの発行を求める声も高まっている。

 クラーク氏は、中国が3Gライセンスを発行するのは早くて今年の9月と予測している。

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