動画再生は録画機能よりもさらに許容範囲が広く、QVGAサイズ、フレームレート30fps、ビットレート1.5Mbpsの動画の再生をサポートする。再生のほうが高機能なのは、同社のSDビデオ対応機器で扱う動画や、PCで作成したSDビデオ準拠のMPEG-4ファイルを視聴するビューワとして位置付けられているからだ。DVDレコーダー「DIGA」や薄型テレビの「VIERA」、SDマルチカメラ「D-Snap」といった機器で撮影した動画が再生できる。
PCでSDビデオ準拠の動画ファイルを作成するためのソフト「SD-Movie Stage V2.5 Mobile Edition」は、Panasonicの直販サイト「パナセンス」で販売されており、カノープスのテレビチューナーカード向け機能強化ソフト「Xpack Plus」にも対応している。
Xpack Plusを使い、QVGAサイズで1.5Mbps/768/384/256KbpsのMPEG-4ファイルを作成してみたところ、問題なく再生できた。内蔵スピーカーの音量も十分で、昼休みのオフィスや就寝前のベッドの中などで手軽にビデオを楽しむ──といった使い方もできそうだ。
画質はP900iVのディスプレイで視聴する限り、256Kbpsでも十分な印象を受けた。256Kbpsならば128MバイトのminiSDカードにも1時間前後の動画が保存でき、連続ドラマやバラエティ番組を1本まるまる収められる。P900iVのminiSDカードの対応は、公式には“128Mバイトまで”となっているが、登場したばかりの256MバイトのminiSDカード(3月19日の記事参照)でも読み込みや書き込みには問題はないようだ。
動画再生時のバッテリー駆動時間は特にカタログでは触れられていない。消費電力の高そうなテレビ電話時で約90分なので、満充電の状態なら1時間程度は持ちそうだ。試しに満充電から1時間の動画を再生させてみると、再生後でもバッテリーゲージはフルのままであった。
動画再生時もテレビ出力が可能で、テレビ電話時と同様に通話スタイルでは縦長、ムービースタイルとビューワスタイルでは横長のフルスクリーン表示になる。1.5Mbps、768Kbpsではビデオデッキ代わりに十分使えるという印象で、256/384Kbpsではディテールがつぶれて見えるものの、字幕もはっきりと読み取れるレベル。出先でちょっとテレビを拝借して動画でプレゼン、といった使い方もできそうだ。
再生時に、左右キーやズームキーを押しっぱなしにすると、約3倍速での早送りや巻き戻しも可能。一時停止して「機能」から「再生位置選択」を呼び出すと、スライドバーから動画全体の30分の1単位で再生位置を移動できる。早送りや巻き戻しがそれほど高速ではないところを補完する機能だ。
長時間のビデオ再生に配慮して、「しおり」機能も備えている。動画ファイルの任意の位置に合計で最大2カ所。動画再生時に着信した場合には別途自動でしおりが作成され、「復旧しおり」として呼び出せば、着信した時点の再生位置を呼び出せる。
再生中断の理由に関わらず、最後の再生指定位置を「復旧しおり」として記憶しておいてくれると便利なのだが、そうはなっていない。しおりの登録がもう少し簡単ならいいのだが、「一時停止」「機能」「しおり」「しおり2分の1選択」と、操作のステップは少なくない。モバイルビデオプレイヤーとしてみるともったいないとも思える部分だ。
次回は静止画撮影機能と、ビューワスタイル時の使い勝手をレビューする。
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