N900iL発表でケータイ組み込みLinuxはスタンダードになるか

» 2004年07月13日 18時15分 公開
[木田佳克,ITmedia]

 モバイルチャンネル6月2日既報のように、Linux World Expo/Tokyo 2004でNECが出展していたLinux組み込みの携帯電話。会場で手にとって操作できたことからも完成度が高いことがうかがい知れたが、7月13日、早くもNTTドコモからN900iLとして製品発表会が開かれた。具体的な出荷日は未定なものの、現行のN900iがベースとなっており、初となる無線LAN付加機能が上乗せされた4〜5万円程度を見込んでいるという(関連記事)。

 N900iLとして発表されたこのケータイは、無線LANを内蔵するFOMAとのデュアル端末モデル。法人向け展開となり既存のPBX、ビジネスフォン更改ニーズを見込んでいる。FOMAとしては既存のサービスと同等のサービスとなるが、新たに搭載された無線LAN機能は「SIP」(Session Initiation Protocol)サーバを利用することで、インスタントメッセージ、プレゼンスを実現するもの。また、無線LAN利用という点からも待ち受け230時間はかなりの長時間だが、アクセスポイント側で省電力機能をサポートし、ビーコン送出周期設定が可能であることが前提となる。

 N900iLには、組み込み開発に「MontaVista Linux Consumer Electronics Edition」が使われていることが知られているが、この製品はCPUサポートがTexas Instruments「OMAP 1510/5910」とIBM「PowerPC 405LP」。Linuxカーネル 2.4.20をベースとしたディストリビューションとクロス開発環境がセットになっている。現段階で、N900iLのLinux搭載詳細についてNECはコメントを控えているが、上記環境による市場向け製品として、同社はハードディスクレコーダー「AX-10 PVR」に続くデバイス発表といえる。

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