FeliCaカード、この場合は「2枚重ねても干渉しない」

» 2004年09月03日 23時59分 公開
[新崎幸夫,ITmedia]

 財布の中に、複数枚のFeliCaカードがある。この状況で財布をリーダー・ライターにかざしたが、うまく読み取ってもらえなかった。原因は、カード間で干渉を起こしたため。FeliCaカードの種類が増えた今、こんな経験をしたユーザーも多いだろう。

 一方で、「財布に複数のカードがあるが、問題なく使えている」というユーザーも存在する。たとえば、記者が試した限りではEdyカードをSuicaに重ねても、JR東日本の改札を通ることができた。

 この差はどこからくるのだろうか。調べてみると、どうもカード側、リーダー/ライター側両面に問題があるようだ。

どのタイプの「リーダー/ライター」で読むか

 まず知っておきたいのは、リーダー/ライターの種類によって、干渉するかしないかが変わってくること。

 実は、リーダー/ライターには比較的強い無線信号を出してカードを読み取るものと、弱い信号しか出さないものがある。後者の場合は、複数カード間の干渉の影響を受けやすい。

 「FeliCaのリーダー/ライターには機種として『RC-S460』シリーズや『RC-S490』シリーズなどがあり、末尾にAとかCとかアルファベットの記号が付いている。Aなら無線が弱いタイプ、Cは強いタイプだ」(ソニーの担当者)

 なぜ2種類あるのか。ソニーによれば、かつてはFeliCaのリーダー/ライターといえども無線周波数を利用するため、国の許認可が必要だったという。

 「出力が強ければ、免許が必要。そこで手間をかけることを嫌う事業者向けに、免許が要らない程度に出力を弱めたリーダー/ライターを販売していた」

 今では、電波法の規制が緩和されており、Cのタイプのリーダー/ライターでも免許は不要だという。

カードが「アンチコリジョン」対応か否か

 干渉を考える上で、もう1つ重要なのはカード側が「アンチコリジョン」に対応しているか否か。コリジョンとは、FeliCaの無線通信で、同じ周波数でデータが衝突することを指す。これを回避するよう通信を整理するための機能が「アンチコリジョン機能」だ(8月26日の記事参照)。

 たとえば、Edyはアンチコリジョンに非対応。Suicaは「アンチコリジョンに対応している」(JR東日本広報)という。注意すべきは、片方のカードさえアンチコリジョン対応なら大丈夫……というわけでもないことだ。

 「無線出力の強いリーダー/ライターを使うと仮定して、アンチコリジョン対応のカード同士なら、3枚まで重ねても干渉が起きない」(ソニー)。逆に、1枚でもアンチコリジョン非対応が混じると、もう保証はできないという。

 ただ「実際に試してみれば、情報にアクセスできる場合もあるだろう」(ソニー)とのこと。冒頭に、EdyとSuicaを重ねても問題なかったと書いたが、これなどが該当するケースのようだ。

 ユーザーにすれば、すべてのカードがアンチコリジョン対応になってくれればとも思うが、なぜ“非対応カード”が残存しているのか。

 「これは、事業者のポリシー設定次第のところがある。アンチコリジョンに対応すると、厳密には利用可能な距離が狭くなる」(ソニー)

 たとえば、アンチコリジョンに非対応なら読み取り可能距離が15センチなのに、対応させると12センチになってしまう……ということがあり得るという(ちなみに、読み取り時間は、扱うデータ量によって変わる)。事業者としては、距離と使い勝手の関係を考慮して「アンチコリジョン非対応」を選択する場合もあるのだという。

 アンチコリジョン対応カードと、非対応カードの枚数の比率は、残念ながらソニー側で「公開できる情報が手元にない」とのことだった。

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