オレオレ詐欺はプリペイド携帯から――対策に乗り出す警察庁

» 2004年09月23日 15時44分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 プリペイド携帯の販売方法に見直しが迫られている。実際に犯罪の現場で悪用されていることがうかがえるデータも出ており、警察庁は携帯キャリアに本人確認の強化などを求める。

 この問題に関する政府、および警察庁の取り組みを確認しよう。

オレオレ詐欺の9割はプリペイド携帯から?

 2003年12月、政府の犯罪対策閣僚会議は今後の指針となる「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」をまとめた。この中では、文字通り犯罪に強い社会を築くために何を実現すべきかが示されている。

 具体的には「犯罪に用いられるおそれのある各種物質の管理を徹底する」「預金口座の不正利用防止対策を推進する」などが挙げられている。この中に、「プリペイド式携帯の販売時に、本人確認の徹底を図る」という文言も見られる。政府も、プリペイド携帯が犯罪に悪用されることを憂慮していることが分かる。

 実際に、悪用されていることを示すようなデータもある。警察庁では、今年1月から6月にかけて認知した「オレオレ詐欺」が6284件だったと公表している。

 捜査の結果、携帯電話が利用されていると判明したケースが827件あったが、うち766件はいわゆるプリペイド携帯を用いたものだった。これだけ見れば、実に9割以上の“利用率”となる。

 こうした状況を受けて、警察庁では「犯罪対策として必要な措置」をまとめた。プリペイド携帯の本人確認を強化することなどを主眼とするもので、「写真付き公務所発行証明書の原本による確実な本人確認」が必要であるとしている。

 ほかにも、同一名義人による複数契約の原則禁止や、第三者への譲渡の原則禁止、キャリアによる販売店の不正のチェック、および不正への制裁などがうたわれている。警察庁ではこうした措置の実施を、キャリアに求めていく考えだ。

キャリアの自主的な取り組みが進むか

 キャリア側も手をこまぬいているわけではない。ドコモは2003年9月の段階で本人確認を強化しているほか、KDDIは今年8月から、ボーダフォンなども年内に、同様の確認方式に移行する予定だ(5月11日の記事参照)。もっとも、これらはあくまで自発的な取り組みであるため、警察庁の要求を完全に満たすとは限らない。

 前述の「必要な措置」の中で、警察庁は「不正を行った代理店はキャリア側で契約を解除するほか、当該携帯電話は利用停止する」ことや、「プリペイド式に限らず、同一名義人による複数契約をチェックし、排除するシステムを構築する」ことなどにも言及している。エンドユーザーの利用形態にも直接関わってくるだけに、ことの推移を注意して見守りたい。

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