携帯電話端末で世界トップシェアのNokiaが、国内向け端末にも本腰を入れる。世界シェア33%を持つNokiaだが(9月3日の記事参照)、日本国内では眠れる巨人。世界共通のW-CDMA方式の普及に合わせて、日本でも積極的に展開していく計画だ。
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ノキア・ジャパン社長のヘイッキ・テンフネン氏 |
そのNokiaが満を持して投入するのが、10月19日に発表した「Nokia 6630」。W-CDMA/GSMに対応したストレート型端末で、全世界では第4四半期から投入する。国内では、「Vodafone 702NK」としてボーダフォンブランドで発売されるほか(9月22日の記事参照)、2005年初頭にはノキアブランドでも販売する。
「今回がある意味でいうと、日本語対応の初めてのマスマーケット向け端末」だと同社マーケティング部ディレクターの鈴木雅宣氏。
同社はこれまで、「6650」「7600」の2機種のW-CDMA端末を国内向けに販売してきたが、いずれも自社ブランドでの販売。キャリアによるインセンティブ(販売奨励金)がつかないため、6万円前後と高額で販売され、マスに浸透したとは言い難かった(8月20日の記事参照)。
ノキアブランドの6630は、従来と同程度となる6万円程度で発売する予定だが、ボーダフォン向けモデルはインセンティブが付き安価に販売される見込みだ。
ノキアブランドモデルは、成田第1/第2ターミナルと箱崎TCATのNokiaショップ、および青山のO-parts lifestyle shopやオンラインショップなどで販売する。
6630は、「W-CDMA/GSMで最小最軽量の127グラム」(鈴木氏)が特徴の3G携帯電話。130万画素CMOSカメラやBluetooth機能を備え、MP3再生も行える。PCで利用しているメールアカウントを利用できるクライアントソフトや、Outlookとスケジュール/アドレス帳を同期できるPC連携機能など、ビジネスに活用できる機能が盛り込まれている。
ボーダフォン向けモデルは、ボーダフォンのメールサービスやWebコンテンツなどが利用できるが、ボーダフォンのUSIMしか利用できない。ノキアモデルは、ボーダフォンのサービスは利用できないが、オープンなアプリケーションプラットフォーム「Series 60」の活用が可能だ。
ノキア・ジャパン社長のヘイッキ・テンフネン氏は、「日本でのNokiaブランド強化は、6630とオープンプラットフォーム(Series 60)の投入で達成したい」と、抱負を話した。
ブランド認知を強化し、国内でもマスマーケットへの本格展開を目指すノキア。ただし販売目標数やシェア目標などは明かされず、今回は「ユーザーが受け入れてくれることを確信している」(ヘイッキ氏)と話すに留まった。
今後の戦略は、GSMと同じように細かなセグメントに分けてW-CDMA端末を提供していくことだ。具体的な投入機種数などは明らかにしなかったが、「W-CDMA市場は加速している。年末には60の(W-CDMA)ネットワークが動き始める。(W-CDMA端末には)大幅に力を入れていく予定だ」(ヘイッキ氏)。
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