携帯でも“日本語ドメイン”

» 2004年12月23日 03時29分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 これまで公式サイトが中心だった携帯向けサイトだが、昨今はURLを入力する機会が増えてきた。携帯サイトを使った企業キャンペーンの増加や、企業が携帯サイトの重要性を認識しつつあるのが背景だ。

 とはいえ、リンクをたどればアクセスできる公式サイトとは違い、一般携帯サイトには大きな課題がある。URLを入力しなくてはならないことだ。

 改めて指摘するまでもなく、英数字からできているURLは携帯での入力には不向き。さらに、サイト名をPRする際にも、ほとんど意味不明な英字の連続は不都合だ。「エイチティーティーピーコロン。スラッシュスラッシュ。ダブリュダブリュダブリュドット……」。ラジオやテレビで流れるURLの表現に違和感を感じたことがあるだろう。

携帯にURLをどう入力させるか?

 もちろん携帯キャリア側も、この状況を黙って見てきたわけではない。

 URLの代わりに数字を割り当て、数字の入力でサイトにアクセスできるようにするやり方が1つだ。KDDIはEZwebの基本機能として、数字によるアクセスを可能にしている。「カンタンアクセス」と呼ばれるこの機能を使えば、待受画面から数字を入力して[EZボタン]を押すと、英字の入力なしでサイトにアクセスできる(2001年10月18日の記事参照)。

 続いて3キャリアが対応を進めているのが、2次元コード「QRコード」にURL情報を埋め込み、携帯カメラで読み取る方法だ。ドコモだけで1400万台が対応しており(10月30日現在)、au端末、ボーダフォン端末でも対応が進んでいる。

 ただし2つの方法とも課題を抱えている。数字によるアクセスは番号体系が複数あり、URLのように“これ1つ”というわけにいかない。インターネットナンバーが大きなシェアを持つが、ユーザーが迷わず使えるとはまだいい難い。そして数字は覚えやすいとはいえないのも難点だ。

 QRコードは、印刷物でしか配布できないこと、人が見ても識別できないため“ブランド名”としての価値を持たないことが難点として挙げられる。

 携帯電話から商品のサイトへアクセスしてもらうには、英字のURLを入力してもらうか、割り当てた数字を入れてもらうか、QRコードを読み取ってもらうかが基本。空メールを出してもらって、返信メールにURLを記述する方法もあるが、ドメイン指定などが増えている中で企業にとってもユーザーにとっても簡単とはいえない。

 いずれの方法も一長一短あり、これですべてが解決するというものではない。

日本語ドメイン名の可能性

 URL入力方法が多様化するなかで、もう1つの方法として浮上してきそうなのが日本語ドメイン名だ。英字のURLの代わりに、例えば「総務省.jp」などと入力することでサイトにアクセスできる。もう1つのURLである。

 実際のところ、携帯電話と日本語ドメイン名の相性は悪くない。予測変換機能の進化などにより、英字よりも日本語のほうがユーザーも入力するのに慣れてきている。商品名をそのままドメイン名として使えるため、ブランド名だけを訴求すればいいというメリットもある。

 日本語ドメイン名であれば、長いURLを覚える必要もなく記憶に残りやすい。商品のブランディングを生かしたサイトへの誘導が図れるわけだ。有名な成功例としては、キリンビバレッジの「生茶.jp」がしばしば例に挙げられる。

 日本レジストリサービス(JPRS)によると、2004年12月1日現在の日本語JPドメイン名の累計登録数は4万8016件。日本語JPドメイン名の11月1カ月間の登録数は6342件と過去最高を記録した。

 サイト数としてはまだ少ないものの、その有用性が認められつつあるのは間違いない。

増えてきた日本語ドメイン名対応ブラウザ

 有用な方法であるにも関わらず、これまでの普及が遅かったのはひとえに対応ブラウザが少なかったのが理由だ。PC向けでは、最大のシェアを持つInternet Explorer(IE)が対応していないのが大きい。

 携帯向けでは、各キャリアともURL入力欄にそもそも日本語の入力ができなくなっている。

 ただし、昨今急速に状況は変わりつつある。

 Googleは日本語JPドメイン名に対応し、検索結果のURL表示が日本語JPドメイン名で表示されるようになっている。JPRSが運用する「日本語JPアクセスサイト」を経由すれば、IEや携帯電話からも日本語ドメイン名でのアクセスが可能になっている。

 さらに携帯向けブラウザ自体の対応もスタートした。

 FOMA向けブラウザなどで大きなシェアを持つACCESSは12月22日、組み込みWebブラウザ「NetFront」で日本語ドメイン名に対応していくと発表した。次期バージョン(現在は3.2)のコアエンジンから標準機能とする。

 「携帯キャリアの意向によっては外すこともあり得るが、コアの基本機能。携帯にも載せていきたい」(ACCESS)

 KDDI端末でも日本語ドメイン名への対応が始まっている。PCサイトを閲覧できるOperaブラウザを搭載した端末、「W21CA」では日本語ドメイン名によるサイトアクセスが可能だ(12月21日の記事参照)。

W21CAのOperaブラウザで、「生茶.jp」へアクセスしてみた

 またアプリを使ったフルブラウザとして有名な「jigブラウザ」も、日本語ドメイン名によるサイトアクセスに対応している(10月1日の記事参照)。

 携帯電話というドメスティックなデバイスこそ、日本語ドメイン名でのアクセスと相性がいい──という点も指摘できる。今後、携帯向け一般サイトの重要性が増していく中で、日本語ドメイン名への対応は重要課題となっていきそうだ。

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