PalmSource CEOはLinuxに未来を見る3GSM World Congress 2005(2/2 ページ)

» 2005年02月15日 12時21分 公開
[IDG Japan]
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ネイゲル氏 その通りです。すべてではないにしてもほとんどの半導体メーカーは、最初にLinux上で動作する実装を出荷しています。ほかのOS向けの実装はその後です。ですからLinuxプラットフォームに移行することで、多くの作業を省けます。これは開発コスト削減につながります。

――Linuxは中国での可能性も開いてくれますか?

ネイゲル氏 確かにそうです。Linuxは中国ITセクターにおいて、政府が支援するえり抜きのプラットフォームとなっています。もちろんWindowsも中国に出回っており、デスクトップで広く使われています。ですが、Microsoftの独占に対する代替選択肢を少なくとも1つ確保しておくために、中国政府がLinux開発を支持する一連の決定を下したことは極めて明白です。中国でビジネスがしたい場合、Linuxベースの製品がある方が、ほかのOSベースの製品よりもずっといいスタートが切れます。

――あなたが主に関心を持っているのは、中国市場向けか、あるいは世界市場向けの製品にLinuxを採用することですか?

ネイゲル氏 初めはLinuxは中国市場で非常に価値があると考えましたが、今はもっと広い文脈でLinuxの採用を進めることに大きな意味があると信じています。われわれはCobaltのアプリケーションレベルとすべてのユーザーインタフェースプログラムを、最初にCobaltの一部として開発したマイクロカーネル上で走らせるよりも、Linux上で走るよう移植する予定です。

――OSのどのくらいの部分がLinuxに、どのくらいがPalmSourceになるのですか?

ネイゲル氏 プラットフォームのマイクロカーネル部分は、おそらくコードベース全体の15%を占めるでしょう。ですがこれは非常に重要な15%であり、製品の基本的な特徴を決める部分でもあります。Linuxはハンドヘルドだけでなく、組み込みデバイス、アプライアンス、家電も含む広範なデバイスに向けた将来のOSだと考えています。

――携帯電話分野でLinuxに目を付けたのはあなたが最初ではないですよね。どのように差別化を図りますか?

ネイゲル氏 現時点で、Linuxを採用しているスマートフォンは世界でもわずか少数です。特に成功もしていません。その理由は幾つかあります。例えば、Linuxベースの携帯電話は起動に時間がかかりすぎるのです。SymbianとWindows Mobileも同様ですが、20〜45秒かかります。これは受け入れられません。ユーザーは携帯が数秒で起動するものと思っています。ですから起動時間を短縮する作業が必要です。電力管理も問題です。CMSは既にスマートフォンなどのバッテリー式デバイスで起動時間と電力管理を改善するための開発作業をある程度行っています。

――LinuxへのシフトでCobaltやほかのOSの開発作業が圧迫されるということは?

ネイゲル氏 われわれは自社ソフトをLinuxに対応させることで、強力なコンビネーションを提供していると思います。われわれはPalm OS向けに作られた数万種のアプリケーションを提供しています。これは本当に恩恵となります。通常は、ユーザーがハンドヘルドデバイスを購入する理由はアプリケーションにあります。莫大なアプリケーションと定評あるユーザーインタフェースにより、われわれはLinuxコミュニティーに多大な価値をもたらすと同時に、Linuxのメリットを活用してワイヤレスデバイス向けの新たなプラットフォーム作り出せると信じています。

――初のLinux製品の登場はいつですか?

ネイゲル氏 投入時期は発表していません。CMSとの取引を完了したばかりですから。エンジニアが完全に受け入れられない日程を言ったら、彼らに撃ち殺されてしまいます。

――セキュリティについてはどうですか? Linuxへの移行はプラスになりますか?

ネイゲル氏 Cobaltでは、プログラム開発作業の3分の1がセキュアなプラットフォーム提供に向けられています。コンピュータ向けのワイヤレスネットワーキングだろうと、携帯電話やデバイス向けであろうと、セキュリティはワイヤレスにおいて絶対に不可欠です。われわれはMicrosoft PCの世界に存在するような最悪のセキュリティ問題を避けたいのです。Microsoftが今送り出しているソフトリリースのほとんどは、セキュリティパッチです。

 われわれは、スマートフォンは最初からもっと安全なパスを展開するはずだと考えており、Linuxはセキュリティの点ではWindowsよりも本質的に優れたプラットフォームと見なしています。Linuxの方が新しいプラットフォームなので、人々はWindowsの文脈で苦労して学んだことを活用することができました。

――セキュリティ確保のために進めている取り組みは?

ネイゲル氏 署名付きコードの機能をサポートしています。信頼できるアプリケーションであることを示す、署名の入ったコードを思い浮かべてもらえばいいと思います。コードに正規の署名機関(たいていはキャリアやワイヤレスオペレータ)による署名が入っていなければ、ユーザーはスマートフォンにそのアプリケーションをダウンロードできません。また、セキュアなVPN技術や多数の暗号化機能も提供しています。

――今日の携帯電話は電子メール、音楽、写真、さらにTVと想像できるものをすべて提供しています。それでもなお欠けているアプリケーションとは?

ネイゲル氏 やがて欠けているものはなくなります。この小さなデバイスは現在のデスクトップコンピュータと同じくらい強力になるでしょうが、もちろん、画面はもっと小さくなります。使い勝手は重要です――当社のOSはその点で折り紙付きです。30の機能がついたスマートフォンを買っても、使い方が分からなければ役に立ちません。われわれはこうしたデバイスを、普通の人がITスタッフの説明なしでも使えるようにできます。モバイルデバイスはコンピュータのように振る舞えません。もっと洗練する必要があります。

――PDAは死んだのですか?

ネイゲル氏 死んではいません。当社のOSを搭載したPDAはまだ300万〜400万台売れています。ただ、気付いたのですが、この市場は進化しているところなのです。私の妻のように今でもPDAを使っている人はいます。妻はスマートフォンを持っていますが、最近新しいPDAを買ったばかりです。デジタル写真を収めて、フォトアルバムとして使うからというのがその理由です。一体型のデバイス1台を求める人もいれば、2台のデバイスを使い分けたいという人もいるでしょう。この市場はそれをふるい分けることになります。

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