2004年末から3月にかけて、各キャリアから新機種が続々とリリースされた。これに伴い、ITmediaの販売ランキングも大きく順位が変動した。一通りの機種が出揃った今、改めてどの機種が売れ、どの機種は台数が伸びなかったのか振り返ってみたい。
ドコモのランキング推移
まず最初のトピックは、「901iシリーズが売れた」ということ。より正確にいうなら、「P901i」「N901iC」「SH901iC」の3機種が売れた。特に“N”“P”の2機種は、いずれも発売週に即上位にランクインする売れ行き。今回、3カ月間の販売成績でランキングを集計したが、2機種とも2月に発売と「1カ月分のハンデ」があるにもかかわらずトップ10に入ってきた。
とはいえ、901iシリーズがすべて絶好調だったわけではない。「F901iC」「D901i」の2機種はランキングに一瞬顔を出したが、いずれも1週でランク外に後退。それ以後ランキングに登場していない。
面白いのは、700iシリーズでは“N”がそれほどふるわないこと。「SH700i」「P700i」が3月中旬以降、8位、9位にランクしているが、「N700i」はまだトップ10圏内に入っていない。
auのランキング推移
2つ目のトピックは、一風変わったコンセプトの「企画端末」はどうなったか――ということ。ドコモでいうと、昨年末発売の「prosolid」「Music PORTER」や2月にリリースされた「Lechiffon」(ルシフォン)、auでいうと最近相次いで発売になった「PENCK」「Sweets」などがこれにあたる。
結論から先にいえば、やはりこうしたターゲットを絞った端末は販売ランキングで上位に入るのは難しいようだ。上に名前を挙げた端末は、いずれも3カ月間で一度もトップ10に入らなかった。
メガピクセルカメラを搭載した小型端末「premini-II」を企画端末とみなすなら、premini-IIは健闘したほうだ。発売された週に、10位に飛び込んでいる(2月18日の記事参照)。ただしこちらも翌週は圏外に落ちてしまい、その後はトップ10に顔を出していない。
ツーカーのランキング推移
もう1つ、傾向として顕著だったのは「“初心者向け”“シニア向け”端末が売れている」ということ。ドコモのランキングはらくらくホンこと「F672i」が健在。この端末、2003年9月に発売された製品にも関わらず、1年半後の四半期ランキングでも8位に入っている。
FOMA版らくらくホンこと「F880iES」もジワジワと順位を挙げている。3月に入ってからはトップ10圏内に上がってきており、トップ10のうち2機種はらくらくホン――という状況が常態化している。
ツーカーの「ツーカーS」も、1〜3月期を通して首位を守り続けた。もちろん四半期ランキングでもトップ。ツーカーSが首位に立ったとき、「目新しい端末が一時的に売れているだけ」という見方もあったが、これを一掃した。
ボーダフォンのランキング推移
ボーダフォンの「冬商戦向け7機種」も、販売成績が注目された。ポイントは、従来の国内端末とはややテイストが異なる「海外メーカー製端末」が、どこまでユーザーに受け入れられるかということ。
結果を先にいえば、それほど目立って売れた端末はなかったという印象。なにしろ昨年末から「V602SH」「V402SH」「V601T」といった機種が上位を独占しており、「902」「802」「702」シリーズはこの壁にことごとくはじきかえされてきた。
海外メーカー端末で比較的売れたのは「802SE」。四半期ランキングでも8位に入っている。ほかに、「702NK」もしばしばトップ10に顔を出したが、「702MO」「702sMO」はランク圏外に沈んだまま浮上できずにいた。
冬商戦向け7機種で売れたのは、やはり国内メーカー製の「802SH」「902SH」。さらにシャープ製の「V603SH」は3月以降ランキングの上位をキープしており、売れ行きを見る限りは「3G端末かどうか」よりも「シャープ製端末かどうか」のほうが重要だった感は否めない。
この記事では、マーケティング会社GfK Japan調べによる全国3500店舗の量販店(家電量販店、カメラ販売店、PC専門店)のPOSデータを集計し、モデル別のランキングで紹介しています |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.