KDDIがエルダー層向けに販売している京セラ製WIN携帯が「W32K」。大きな文字や、ワンタッチ発信、分かりやすい操作体系などが特徴だ(5月19日の記事参照)。
KDDIがいう“エルダー層”とは、50代〜60代を指す。KDDIの狙いはターゲットに届いているのか、今回は2人のテスターにW32Kを実際に使ってもらって、使用感を聞いてみた。
まずテスター1人めは、半年前にツーカーSを試用してもらったとき、「ツーカーSはすごくいい電話だと思うけど、欲しくない。今使っている電話(PHS)のほうがいい」と答えた78歳のテルコさん(2004年12月3日の記事参照)。普段はウィルコムのPHSを使っているが、使用頻度は低い。
もう1人は、55歳のゆきさん。W32Kのターゲットユーザーにちょうど当たる年代だ。普段はウィルコムのPHSを使っており、メールも利用する。そのほかデジカメも持ち歩いているなど、かなり「使いこなしている」テスターだ。
テルコさん、ゆきさんの2人とも、W32Kの基本機能(電話を受ける、かける)については満足していた。理由としてあげていたのは「液晶画面が明るい」「(液晶の)文字が大きくて見やすい」「短縮ダイヤルが3つあるのがいい」の3点だ。
液晶の明るさ、文字サイズの大きさは二人の心を捉えていた。「携帯電話はやはり、画面を見ながらかける。とても見やすくていい」(テルコさん)「この文字はとてもいい。ものすごく見やすい。(待ち受け画面の)時計も(文字が大きくて)いい」(ゆきさん)
3点目のポイントとなったのが短縮ダイヤル。テルコさんは、自分で短縮ダイヤルの新規登録はできなかったが、発信には短縮ダイヤルを多用していた。「ぜいたくをいえばもっとあるといいと思うけど、でもこれで十分。前の電話(注:ツーカーS)にはこれがないのが残念だったので、これはとてもいいと思う」
この3つは、いずれも「ツーカーSになくてW32Kにあるもの」だといえる。明るい画面、大きな文字、3つの短縮ダイヤルというW32Kの狙いは正しかったといえそうだ。
ゆきさんは当たり前に電話帳を利用していたが、テルコさんの場合、電話帳を使うことはできても、自分から積極的に使ったことはないようだ。電話をかけるときには、短縮ダイヤルか発信履歴を使う。「でも、『発歴・着歴』って何のことだか分からなかった。どのボタンの説明かもよく分からなかった」(テルコさん)
電話帳への新規登録も、横でちょっと教えてあげれば問題なくできるが、完全に一人で登録しようとすると、うまくいかない。「間違えたと思ったときに、どうしていいか分からない。『いつでもここを押せば大丈夫』というボタンがあるなら教えてほしい」という。
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