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» 2005年08月18日 22時54分 公開

モバイル戦国時代(第1回):新規参入がもたらす破壊と創造 (2/2)

[杉浦正武,ITmedia]
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 この話に入る前に、確認しておきたいのが固定通信業界と移動体通信業界の“違い”だ。固定通信、特にADSLの分野では、「回線事業者」と「ISP事業者」が分離している場合が多い。

 たとえばNTT東西が提供する「フレッツ・ADSL」サービスは、そのインフラ網の上でOCN、DION、IIJ4Uといった無数のISP事業者がサービスを提供している。イー・アクセスのADSLサービスも同様で、同社が卸売りするインフラ網の上でDION、@nifty、So-netといった事業者がADSLサービスを提供している。

 Yahoo!BBの場合は事情が異なり、インフラ網とISPの両方をソフトバンクが一手に担ってサービス提供している。いわゆる「垂直統合型」といわれるビジネスモデルだ。

 これが携帯となると、既存全キャリアが垂直統合型になる。NTTドコモは、ドコモが無線インフラを提供し、その上でiモードメール、iモードサイトのサービスを提供している。もちろん各サイトはCP(コンテンツプロバイダ)が運営しているが、そこで発生したパケット料金はすべてドコモ側に入る。EZweb、ボーダフォンライブ!とも同様だ。

 携帯でもインフラ網と、その上のレイヤーを切り離そうという議論はあったが、いまひとつ進んでいないのが現状だ。

イー・アクセスのMVNO構想

 イー・アクセスが提案しているのは、固定通信でのキャリア〜ISPの関係を移動体にも持ち込むこと。既にニフティ(@nifty)やソニーコミュニケーションネットワーク(So-net)といったISPと、MVNOでの提携を検討していると伝えられている。

 中でも、So-netが「So-netブランドの携帯」に意欲を示したことが注目された。So-net会員を中心に契約者を募るというアイデアで、ユーザーから見れば「So-netと契約する携帯電話サービス」になる。もちろん、この携帯電話サービスはイー・アクセスが免許を取得した無線帯域を利用して、おそらくはイー・アクセスが用意した電話番号を用いて通信を行うことになる。

 大手ISPなら、携帯電話メーカーのグループ企業である場合も多い。独自性のある端末を開発し、自社ISPのブランドで携帯サービスを展開すれば、間接的に「移動体市場に参入した」といえるわけだ。

ソフトバンクはISPではなくCPと?

 ソフトバンクは、前述のとおりYahoo!BBで垂直統合型モデルを採用している。しかし、7月に開催された「ワイヤレスジャパン2005」会場で宮川常務が“MVNO構想”を発表(7月13日の記事参照)。携帯の世界では垂直統合モデルを一部捨てることを明言した。

 それによれば、課金インフラ、コンテンツの配信インフラなどは同社が押さえるが、コンテンツプラットフォームは他業種との融合を図る。「なんでもありだ、という感覚でもういちど見直してみたい」(宮川氏)

 宮川氏が強調したのは、ISPとの提携というよりはむしろCPとの提携。特に「ゲーム機が通信端末になる」という例えを何度か繰り返していたことから、例えば任天堂のポータブルゲーム機が通話機能を備えるようなイメージなのだろう。

 もちろん、イー・アクセスもソフトバンクも、自社なりに考えている端末のイメージはある。イー・アクセスはコンセプトモックを披露しているし(7月13日の記事参照)、ソフトバンクも“PDAのような、ミニPCのような”端末を想定していると話している。

 だがそれ以外にも、多くの事業者がMVNO(無線帯域の卸売り)の形式で携帯事業に参入してくるとしたら、携帯業界はまさに激動の時代を迎える。ゲームメーカーが「ゲーム機ケータイ」を出し、カーナビメーカーが「カーナビケータイ」を販売する。携帯音楽プレイヤー大手が「ミュージックプレイヤーケータイ」をリリースするなど、多様な端末が登場する可能性がある。

 思えば携帯電話事業は、多額の設備投資を行い全国に基地局を建て、無線免許を取得できる一握りの事業者が提供するものだった。新規事業者が帯域を獲得し、これを開放することで、この構図は大きく変わることになる。

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