クレジットカード会社10社および、ボーダフォン、KDDIなど13社は10月25日、非接触ICカードを使った決済の共通化を目指す「モバイル決済推進協議会」を設立したと発表した。
クレジットカード会社からは、イオンクレジットサービス、オーエムシーカード、オリエントコーポレーション、クレディセゾン、ジェーシービー、セントラルファイナンス、ディーシーカード、トヨタファイナンス、UFJニコス、ユーシーカードが理事会員としてスタートする。会長にはジェーシービーの信原啓也社長が就任した。
協議会の目的は、非接触ICインフラを使った少額決済の推進。具体的には、JCBが展開する「QUICPay」システムを各社の共通インフラとし、「おサイフケータイ」を使って支払いを行うことを想定する。
QUICPayはクレジットカードと非接触ICを紐付け、決済完了後にクレジットカードから代金を支払う「ポストペイ」方式の決済手段だ(2004年7月21日の記事参照)。利用法は、プリペイド方式の電子マネーとほぼ同様で、レジで非接触ICカードまたはおサイフケータイをかざすだけで決済が完了する。
異なるのは、ビットワレットが推進する「Edy」やJR東日本が推進する「Suica」などの電子マネーが“プリペイド方式”なのに対し、支払いが利用後になる点。JCBは「都度のチャージが必要ない。利用料金はクレジットカードと合算して払える」ことを利点としている。
QUICPayは現時点で、ドコモとKDDIのおサイフケータイに対応。リーダーライターとクレジットカードの決済端末がセットになっている。現在、ロイヤルグループやセイコーマートなどQUICPayへ対応している |
このQUICPayの仕組みにクレジット各社が乗り、1台のリーダーライターで複数クレジットカードの決済が行えるインフラを築く。それが協議会の狙いだ。
現在のところ、普及に関して評議会としての具体的な目標はない。「2006年3月の中間報告会では、今後検討すべき課題の明確化を目指す」(評議会事務局)
また協議会各社のスタンスも、積極的な企業から様子見まで微妙に異なる。理事会員の中にも、別方式でサービスを提供中の企業がおり、即“各社のスタンダード”といえるわけでもなさそうだ。
協議会理事会員 | QUICPay対応の見通し |
---|---|
イオンクレジット | 未定。できるだけ早く対応したい |
OMC | 消費者ニーズ、おサイフケータイの普及を見ながら決めたい |
オリエント | 非接触ICは進めていく必要がある。来春を目処に進めていきたい |
クレディセゾン | 趣旨を検討した上で、スケジュールを詰めていきたい |
セントラルファイナンス | 未定。十分検討し、ニーズを見極めていきたい |
DCカード | 未定。ニーズ、マーケット動向を見て、検討していきたい |
トヨタファイナンス | できるだけ期待に応えたい。(2006年)4月くらいかなと考えている |
UFJニコス | マーケットの動向を見ながら対応したい |
UCカード | 今後の動向を踏まえて検討したい |
JCB | 2005年4月から発行を開始している。現在、加盟店1000店、会員1万人 |
JTB | 旅行クーポンがこういうものと、どう融合していくのかに強い関心を持っている |
KDDI | 未定。積極的に対応したい |
ボーダフォン | JCBと対応準備中 |
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