J:COMとウィルコム、PHS参入で一致した思惑(2/2 ページ)

» 2005年10月27日 17時02分 公開
[杉浦正武,ITmedia]
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 「できるだけ早く、両社のネットワークを直接接続してアクセスチャージがかからないようにしたい」(森泉氏)。ウィルコムは音声通話でNTT交換局内にITX装置を入れ、通信を自社インフラにバイパスさせてアクセスチャージがかからないようにしているが(2004年10月14日の記事参照)、同様の仕組みを採用するつもりだという。

一致した両者の思惑

 J:COMは以前から、移動体事業参入に意欲を示していた(7月27日の記事参照)。今回、音声定額導入で勢いがあり、かつ新規参入事業者と比べてカバーエリア面でも充実しているウィルコムをパートナーとして選択したことになる。

 「提携は結婚みたいなもので、気が合うか、信頼関係を構築できるかという点がポイントになる。ウィルコムとなら大丈夫だと判断した」(森泉氏)。ただし、独占契約ではないため今後ほかの移動体事業者との提携もあり得るようだ。

 PHSサービスの提供により、J:COMがユーザー1人あたりの収益に上積みできる部分は、実はそれほど多くない。卸売りの原価を差し引いて考えれば「500円程度だろう」と森泉氏。それでも、顧客満足度を上げて解約率を低下させられるなら、メリットは大きいとの読みだ。ケーブルテレビの契約ユーザーは、経済的にゆとりのある世帯も多いことから「J:COM PHONEに契約している90万世帯のうち10%は、2年以内に獲得できるだろう」とにらむ。

 ウィルコムにすれば、今回の提携で卸売りの収益が見込めるほか、“定額通話プラットフォーム”に参加するユーザーが増えることになる。さらにウィルコムとして将来的にどんなFMC戦略(Fixed Mobile Convergence)を描くかというところまで考えると、固定系の通信事業者と組めるのはメリットが大きい。その意味では、どの通信グループにも染まっていない“独立系”の通信事業者であるJ:COMとの提携話は、魅力だった。今後は音声定額の共有に止まらず、データ通信サービスでも連携していきたい考えだ。

 「(各通信事業者のグループ関係などを考えると)ウィルコムが提携できる固定事業者は、実はそれほど多くない」(八剱氏)。発表にこぎつけることができた――と話した八剱氏の表情には、安堵の色が見られた。

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