2006年春モデルの特徴は、実は“背面液晶がモノクロ または ない”ことです。au春モデルでは、HDD入りの「W41T」、ソニーエリの「W41S」、京セラの「W41K」、デザインモデルの「neon」はモノクロ(単色)、ワンセグの「W41H」とスリムな「W41CA」は背面液晶なし。唯一「W41SA」がカラー背面液晶を備えるだけとなっています。
ボーダフォンでも、ハイエンドの「903SH」には背面液晶はなし。「904T」や「804SH」はモノクロです。「804SS」と「804N」はカラーを備えていますが、軽い背面デザインが増えてきました。※初出で機種名などが誤っておりました。すみません。
ドコモの場合も、702iシリーズはほとんど背面ディスプレイがありません。「SH702iD」「F702iD」はなし。「P702i」と「N702iD」もモノクロのディスプレイです。
“時計代わりに使いたい”という根強いニーズを考えると、モノクロ液晶はけっこう納得する選択です。バックライトが消えてしまうとほとんど見えないカラー液晶と違い、モノクロ液晶は非常に視認性が高く、見やすいのです。
では、背面ディスプレイなし、という携帯が増えたのはどうしてでしょう。実は各メーカーの開発陣に聞いてみると、「できれば入れたかったんだけど……」と煮え切らない答え。入れなかった理由の1つは、薄くするためです。モノクロとはいえ、コンマ数ミリの争いである携帯電話の開発現場では、液晶が犠牲にされることも多いのです。もう1つはデザインです。春モデルのデザイン携帯は、その多くが、“シンプル”と“スクエア”をコンセプトとして打ち出していました。このシンプルを実現するには、背面ディスプレイは邪魔以外の何者でもありません。neonのように、一見なにもないように見えながら時計も表示できるという工夫を凝らした端末もありますが。拍手。
少なくとも、この春モデルを一覧すると、カラー背面液晶が付いているだけで、デザイン的には“古くさい”という印象を持ってしまうのでした。
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