携帯メーカーには、それぞれ独自の「カラー」がある。このメーカーはデザインが優れている、あるいはこのメーカーが技術力が高いといった具合だが、皆が持っているイメージをチャートにまとめるとどうなるのか。
ITmediaでは先日、ドコモのメーカーに限って読者の意見を募集した。その集計結果を掲載しよう。
回答したユーザーの属性を見ると、当然とはいえドコモユーザーが77.5%と圧倒的多数を占めた。ただし、auユーザーも25.4%いた。ボーダフォンユーザーは13.2%で、ウィルコムユーザーも10.8%。なお回答者全体の平均年齢は、27.9歳だった。
まずはメーカーごとに掲載していき、最後に6メーカーの総合順位を発表したい。長年ドコモのトップシェアメーカーとして君臨していた、パナソニック モバイルとNECから見ていこう。ユーザーには6項目を、5段階で評価してもらった。下チャートの黒い六角形は“平均点”で、この外側にはみ出した部分がそのメーカーの「強み」、逆に枠内に収まった部分が「弱み」ということになる。
パナソニック モバイルは「信頼感/スタンダード」の項目が強く、全メーカー中2位を記録している。「高級感」や「先進的」の項目でやや平均を下回っているが、全体に平均点を獲得しているようだ。
ユーザーの自由記述を見ると、「バランスが取れていて万人ウケしやすい」という意見が多いようだ。「車で言えばトヨタか。平凡だが失敗のないという……」。ちなみに、「パナソニック=トヨタ」と表現するユーザーはほかにも複数いた。
要素別に見ると、ワンプッシュオープンとカスタムジャケットを大きな特徴と見なすユーザーが多いようだ。また、薄型、軽い、背面のイルミネーションなどの特徴から“若者向け”端末、というイメージも確立している。「カスタムジャケットで印象ががらっと変わり、若者に絶大な人気を誇っていると思う」「いつも一番気になるメーカーです。機種を選ぶ時、基準にしているような気がします」
ちなみにカスタムジャケットは評価する声が多い一方で、否定する声もちらほら見られた。なかには「初めは新鮮だったが、いい加減カスタムジャケットから卒業した方が良いと思う」という辛らつな声も。また、機種ごとにカスタムジャケットの互換性がないことを嘆く声もあった。
1つ面白いのは、外見はいいがソフトウェアが問題だと指摘するユーザーが1人や2人ではなかったこと。「使いにくい」「動作が遅い」などが代表的な声だが、NECとソフトウェアプラットフォームを共通化して特徴がなくなった、と嘆く声も複数あった。「FOMA端末において、プラットフォームをNECと共通にするのはやっぱり嫌だった。ムーバ時代の松下(=パナソニック モバイル)を望んでる人はやっぱり多いはず」
NECは「信頼感/スタンダード」の項目が極めて強い。後に総合ランキングを発表するが、信頼感の分野ではNECがトップ。ただ逆に、「先進的」の項目で6位となってしまった。
自由記述を見ると、やはりというべきか「スタンダード」「王道」という表現が多かった。「ドコモのケータイといえばNECだと思う。口ではあらわせない、妙な高級感がある」。一方で、NECを批判するユーザーは、「保守的」「過去の栄光にとらわれすぎ」といった表現を使うことになる。「王道であった期間が長すぎて、進化のタイミングをのがしてしまった」
特徴的な機能であるニューロポインタは、「使いやすい」という声と「使いにくい」という声が混じっており評価が分かれるところ。全体には、古くからの固定ファンが多いイメージを持たれているようだ。「FOMAになってから元気がないように思います。デザインも保守的かと……。でも家族は大の『N』信者です!」
ソフトウェアの面ではパナソニック モバイル端末と同様「動作が重い」「もっさり携帯」と、容赦ない批判が飛んでいる。「動作が遅い、国でいうとロシア的なイメージ」という、なんだか分かったような分からないようなコメントもあった。
「悪く言えば万人受けする尖ったところの無い端末、しかしよく言えばバランスのとれた端末を出している印象。最近は速度面で大幅な改善が見られた(2005年10月28日の記事参照)点を評価したい」
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