間宮兄弟「1日の終わりに電話ができる人がいるっていいなぁ」Mobile&Movie 第211回

» 2006年05月26日 15時33分 公開
[本田亜友子,ITmedia]
作品名間宮兄弟
監督森田芳光
制作年・製作国2006年日本作品


 今回ご紹介する作品は、江國香織の原作を森田芳光監督がハートウォーミングに映画化した『間宮兄弟』。出張先からでも兄は「おやすみ」を言うため、弟へ携帯で電話をかけるような、仲の良い兄弟の物語です。

 30歳を過ぎても、2人一緒に暮らしている間宮兄弟。兄の明信(佐々木蔵之介)はビール会社の研究員、弟の徹信(塚地武雅)は小学校の用務員をしています。間宮兄弟のマンションには、2人の趣味の本やゲームが集められ、居心地のいい空間となっています。2人の楽しみは、ポップコーン片手のレンタルビデオ観賞や、スコアブックを付けながら応援するプロ野球観戦。マンションの中だけでなく、散歩したり、銭湯に入ったり、間宮兄弟の日常には小さいけれど確かな幸せが満ち溢れていました。

 間宮兄弟が外出した時の帰り道のお約束は、ジャンケンで勝った人が、チョキなら“チヨコレイト”パーなら“パイナツプル”の数だけ先に歩いていくゲーム。少年のように大きな声でジャンケンをする姿はとても楽しそう。おたがいの姿が見えなくなると、携帯電話ごしにジャンケンして家に着くまで続けていきます。また、明信が出張で家を留守にした時には、寝る前に徹信へ携帯で電話するのです。

 「1日の終わりに電話ができる人がいるっていいなぁ」

 そんな固い絆に結ばれた2人の楽しい日々は続いていましたが、ある日徹信は明信に彼女を作ってみたらと提案します。徹信は自分が勤める小学校の葛原依子先生(常盤貴子)が明信に合うのではないかと、以前から思っていたのです。自然に2人が出会えるように

 「この部屋でカレーパーティやろう」

 と持ちかけます。さらに、明信が以前から気にかけていたレンタルビデオショップのアルバイト本間直美(沢尻エリカ)も誘うことに。カレーパーティの準備のため、頑張る間宮兄弟。普段は女性と接する機会の少ない徹信ですが、兄のためとあって気合を入れて葛原依子先生を誘うと、気持ちが通じたのかあっさりOKをもらえました。本間直美の方は、明信がレンタルビデオショップで声をかけることに。ヒヤヒヤしましたが意外なことにこちらもOKの返事。

 そしてやって来たカレーパーティ当日。間宮兄弟のマンションに女性が2人もやって来るなんてことは奇跡。明信も徹信もテンションが上がります。葛原依子と本間直美の好みを推測して作ったカレーは大好評、食後のゲーム大会も盛り上がり、パーティは成功をおさめました。イベントがあった夜の恒例行事“反省会”で、明信と徹信は1日を振り返り、幸せを噛みしめたのでした。

 カレーパーティの成功を受けて、今度は浴衣パーティを企画する間宮兄弟。明信がアプローチするのは、どちらの女性になるのでしょう? そして徹信にも思いがけない運命の女性との出会いが……。平穏だった間宮兄弟の人生に恋の荒波が立ち始めます。

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