番号ポータビリティ(MNP)制度の開始まで、残すところあと3カ月ほどとなった7月19日、ワイヤレスジャパン2006の講演で登壇したドコモの中村維夫社長やKDDIの小野寺正会長はそろって番号ポータビリティに言及した。
ドコモの中村社長は「携帯電話事業は規制政策の影響を受けやすい。中でも今年の秋までに開始が義務化されている番号ポータビリティ(MNP)は、大きな影響がある」と発言。続けて、具体的な日時は未定だと前置きしつつ、「番号ポータビリティは11月1日までに開始することになっている。たぶん10月下旬になるだろう。また、事業者が提供するサービスの総合的な魅力がこれまで以上に問われるようになる」と話す。
番号ポータビリティ自体は「事業者にとって一時的な事象ではなく、継続的な制度だ」と株主総会(6月20日の記事参照)などでも話した今までの考えを再度表明した。
また、キャリアを変えても電話番号が変わらないメリットばかりでなく、メールアドレスや端末の継続利用はできず、コンテンツの契約や電子マネーの引き継ぎもできないなど、デメリットの部分もきちんとユーザーに伝え、「注意を喚起する必要がある」と話した。
KDDIの小野寺正会長は、番号ポータビリティについて「少なくとも市場全体を活性化するという意味ではそれなりの効果がある」と発言。事前の調査では多くのユーザーがauへの乗り換え意向を持っていることもあるためか、余裕が見える。
同氏は、手続きが煩雑にならないためには「ワンストップで手続きができることは非常に重要」と、5月17日に3キャリア連名で発表した基本手続きの方法(5月17日の記事参照)を紹介。契約中の事業者に、事前に電話やWebサイトで予約申し込みを行って「MNP予約番号」を受け取れば、これから契約する事業者の受け付け店に行くだけで手続きができるようにしたことで、利用しやすくなっているという。
手続きに要する時間は、現在「最長で数時間」と発表されている。これについて小野寺氏は「地域や時期、(制度を利用する)顧客の数などによっても変わってくるが、通常だと手続きは数十分でできると思う」と発言。番号ポータビリティの手続きは新規契約時と同じくらいの時間で可能だとの見通しを示した。
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