「Flash Lite」コンテンツで海外に進出――CELLの海外戦略

» 2006年11月07日 17時08分 公開
[山根康宏,ITmedia]

 日本の携帯電話向けFlash Liteゲーム開発会社として初めて北米市場に参入したCELL。11月3日から4日にシンガポールで開催された「Forum Nokia Application Summit」の会場で、同社CTOの坂本義親氏に今後の海外戦略を聞いた。

ITmedia: 米Verizon Wirelessとのサービス提携内容を教えてください。

photo CELL CTO 坂本義親氏

坂本: Verizon Wirelessは10月24日から、「Get it Now」というコンテンツサービス上で、Flashコンテンツの配信サービスを開始しました。天気予報や映画情報などのほか、Flash Liteゲームを集めた「Shockwave Minis」というサイトがあります。開始に際し我々は、5タイトルのFlash Liteゲームをライセンス提供しました。今後もゲームタイトルの数を徐々に増やしていく予定です。

ITmedia: これまでも日本の多くのコンテンツプロバイダーが海外進出を図っていますが、御社の海外進出の目的はどのあたりにあるのでしょうか?

坂本: 弊社は日本のコンテンツ市場で4万曲以上の着メロを配信するほか、Flash Liteゲーム400タイトル以上を保有するなど、Flashによるコンテンツ/アプリの開発にも力を入れています。最近はFlashコンテンツの開発を通じてAdobeと仕事をする機会が増えており、海外市場への展開も少しずつ視野に入れていたところでした。

 ちょうど北米でVerizon WirelessがFlashサイトを開始することになり、我々としても海外へFlashコンテンツを広めるチャンスと考え、サービス提携を行うこととしました。海外ではまだ、携帯向けのFlash Liteアプリの数は日本ほど多くはなく、今後大きな成長が望めますから、先駆けて市場参入することにも大きな意義があります。また、弊社のFlash Liteゲームが海外のユーザーにも受け入れられるかどうかを見てみたいところもあります。

ITmedia: 端末の基本機能を携帯電話事業者が定める日本と違い、海外市場ではメーカーごとに端末性能が異なります。苦労した点などはあるでしょうか?

坂本: Javaアプリと比較して、Flash Liteのアプリは他機種へのコンバートや開発期間などを比較的短くすることができます。これは当社のFlash Liteゲームの大半がライトなカジュアルゲームであることにも起因しています。

 また今回は、Verizon Wirelessの対応端末が4機種ということもあり、提供する5タイトルのゲームの対応はスムーズに行えました。日本では多数の端末に対して当社の全コンテンツの動作確認を行っていますので、それと比較するとそれほど苦労はなかったと言えます。

 ただし、今後はVerizon Wirelessも対応端末の数を増やしていきますし、当社も提供するアプリを徐々に増やしますので、日本の状況に少しずつ近づいていくと予想しています。

ITmedia: 海外市場向けにゲーム内容のカスタマイズなどは行っているのですか?

坂本: 提供しているゲームはいずれも日本でリリースしているものと同じで、メニューなどを英語にローカライズさせたのみです。もちろん北米の嗜好にあわせたコンテンツを選んでいますが、当社のゲームは「きれい・簡単・スグデキル」をコンセプトにしており、海外のユーザーでも簡単にすぐ遊べると考えています。

 また海外向けの携帯ゲームでは、数時間かけて遊ぶヘビーなものやマニュアルをじっくり読む必要がある特殊なゲームは、日本ほどは受け入れられないでしょう。幅広い層をターゲットにしたマス市場向けのゲームは、ワンボタンで簡単に遊べる「カジュアル感」が重要なポイントになります。

 さらに、ゲーム内容についても各国の文化をよく理解すること、流行に常に敏感であることが必要です。日本でヒットしたからといってそのまま海外で通用するとは限りません。その国の文化に適合し、流行にあったアプリやコンテンツを提供できなくては、海外での成功は難しいのではないでしょうか。

ITmedia: 今後の海外展開についてお聞かせください。

坂本: 当社の海外事業はまさに今、北米で開始したばかりです。「さぁ、すぐに次へ」というにはまだ早すぎるのが実情です。もちろん、ヨーロッパやアジアなど他の地域でも展開したいと考えています。今回の出展でもAPAC地域の通信事業者から、多くの商談を持ちかけられるなど、海外市場でもFlash Liteへの関心が高まっていることを実感しています。

 私自身、NTTドコモのiチャネルを使い始めてから、携帯電話を以前よりも便利に使うようになりました。海外ではまだまだ携帯コンテンツの利用は日本ほど進んではいません。より簡単に、便利に、そして楽しく利用できるコンテンツを提供できれば、より普及していくでしょう。そのため当社はゲームタイトルのみにこだわらず、Flash Liteを利用したさまざまなコンテンツ開発も視野に入れています。世界中の携帯文化の進化に我々のFlash技術が役に立てるよう、今後も努力していきたいと考えています。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月16日 更新
  1. 異例の「iPhone Air」投げ売りはなぜ起きている? 定価29.5万円の1TBモデルが、いま18.4万円で買える3つの理由 (2026年10月15日)
  2. 「iPhone Air」本音レビュー:使って分かった「バッテリーの持ち」と「ケース選び」の悩ましさ (2025年10月10日)
  3. 「友達だけ」のはずが、なぜXで拡散? 看護師の患者撮影動画が流出した「setlog」の“抜け穴”とBeRealとの違い (2026年10月16日)
  4. 楽天モバイルのオリジナルAndroid端末にパッチ未提供の脆弱性 対象端末の利用者には機種変更を推奨 (2026年10月14日)
  5. AppleCare+なしで修理費最大27万超の「iPhone Duo」を守るなら? 年間2万も差が出る、スマホ保険を検討してみた (2026年10月15日)
  6. 7型ディスプレイ搭載「Apple HomeView」発表 Siri AIと顔識別で家族全員に「欲しい情報」を届ける (2026年10月13日)
  7. ダイソーで1100円の「GaN USB充電器」は折り畳みプラグで外出用に持ち歩きやすい 45W出力対応でPCでも使える (2026年10月10日)
  8. 「iPhone Duo」のAppleCare+なし修理費用が明らかに 最大27万円超、折りたたみ画面の損傷は18万円超に (2026年10月15日)
  9. 日本未発売の3つ折りスマホからEV、巨大な「欧州風」研究拠点まで――Huawei深セン・東莞拠点を歩く (2026年10月15日)
  10. スマホの「実質価格」高騰の恐れ、iPhone 18 Proは2倍高く? 総務省の残価設定ルール厳格化は“誰のため”か (2026年10月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー