「FeliCa」「音楽」「GPS」が広がった2006年──Bluetoothはいまだ低空飛行2006年の携帯業界を振り返る(2)(4/5 ページ)

» 2006年12月29日 23時58分 公開
[聞き手:房野麻子,ITmedia]

印象が薄かったau端末、端末力の増したソフトバンク

ITmedia ドコモの903iシリーズの話が出ましたが、ドコモ以外の端末についても、もう少し感想を。auやソフトバンクの端末はいかがでした?

石川 ソフトバンクは予想外に若者受けがいいようですね。女子高生受けしているみたいで、「今はauよりソフトバンクだ」みたいなことを言っているらしいです。

ITmedia 若者に受けるというのは、初期導入コストが安いからでしょうか。

神尾 初期導入コストが“安く見える”割に、端末の出来がいいからでしょう。だから若者に受けているのかなと思いますけれどね。でも実際、端末だけ見るとソフトバンクはいいですよ。

石川 端末力は本当に強くなっていますね。

ITmedia 秋冬になって劇的に良くなりましたね。あまりに色数が増えることはどうなんだろう、という気もしますが(9月28日の記事参照)

石川 一個一個を見ていくと、良くなったなあということは感じますね。その点auはちょっと元気がなかった。

神尾 auには心に残っているモデルがほとんどないんですが、「W41CA」はよくまとまっていましたね。あれは名機だと思いました。でも他はなかなか……。今回の「W43CA」はねえ、ちょっと……W41CAから退化していると思うんです。「W44S」は異形としてはいい出来でした。改めて思い出してみても、今年のauは印象に残る端末が少ない。“堅実”という一言でしたね。

石川 ちょっと守りに入っていない? という感じでしたね。

神尾 それと、「DRAPE」は、これまでの“デザインのau”からすると不満が残る作品でした。というか、坂井直樹さんが携帯電話というプロダクトの特性や文化、流通を理解しているのか、少なからず疑問を感じました。auのデザインをこれまで見てきた小牟田啓博さんが、プロダクトデザインのプロデューサーとしてバランス感覚に長けて、勘どころを掴んでいた人だけだっただけに、彼の「卒業」は“デザインのau”に影を落とすんじゃないかと心配です。

ソニー・エリクソンの復権、ハイエンドならではのシャープ、京セラの復活

ITmedia W44Sはインパクトがありました。ある意味、大技で来たなという感じがしました。

神尾 企画段階ではどのメーカーも検討するんでしょうが、それを実際に製品化したところがすごい。

石川 そう。それができるのがソニー・エリクソンだな、という気がします。

神尾 ソニー・エリクソンはちょっと復権してきたかな、という気がしますね。堅実にいいものを出してきたので、来年のソニー・エリクソンは期待ですね。シャープは引き続きがんばれ! って感じです。

ITmedia シャープはやっぱりハイエンドでこそ真価を発揮するんじゃないかと思うのですが。

石川 シンプルとか初心者向けが苦手なんだな、という気がします。

神尾 シャープはど真ん中のプロダクトだと印象が薄くなっちゃうんですよ。ハイエンドにいくかシンプルにいくか、どっちかの方がシャープらしさがでると思いますね。だからauの「W41SH」はインパクトに欠けたんです。まあ、ユーザー側の期待値が高かったというのもあるでしょうけどね。

ITmedia メール周りの操作など、使い勝手という部分ではシャープはいいと思うので、モノとして使ってみるといいんですが、店頭に並んでいるときに……。

神尾 ハイエンドモデルじゃないと存在感が薄いんですよね。

ITmedia でも、何も知らない人にも安心して勧められる端末に仕上がっている点はすばらしいと思います。迷ったらシャープを買っておいたら? といった感じで。

石川 そう、基本的にどれもいい端末ですよ。

神尾 そつがないですよね。「携帯で一番良いものを欲しいんだけど」と相談されたら、シャープを勧めておけばそんなに問題はないです。シャープはがんばっていい位置をキープしてほしいですね。

 あと個人的に見直したのがパナソニック モバイル。P903iはがんばっていい端末に仕上がったし、ソフトバンクからは薄型の「705P」も出てきたので、だいぶ持ち直してきているなと思います。

石川 三洋電機がきついですね。好きだっただけに、ちょっと寂しい。

ITmedia がんばったという点では、京セラの「W44K」も人気があります。

神尾 W44Kは、もしかしたら京セラ復活ののろしになるかもしれないと思いましたよ。良くなった。これまでは、ポリシーのある独自性があまり見られないところがあって……。

石川 そうそう。ただ、本当に昔ですが、パナソニック モバイルと小型化や薄型化で争っていた経緯があるので、あの薄型モデルが売れたことによって、その路線に行ってくれると復活する可能性が十分あるなと思います。

神尾 京セラはいい感じで軌道がまた変わったかな、と思っているので、来年は注目したいと思っています。特に、デザインや作りこみの部分に関して注目したい。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月30日 更新
  1. スマホの「SIM組み合わせ」を3カ月で3回も変えた話 楽天モバイル→日本通信→Y!mobileからの移行先を思案中 (2026年06月29日)
  2. 松屋の券売機が「思いのほか使いやすかった」 それでもネットで不評なのはなぜ? (2026年06月29日)
  3. ティム・クックCEOが「もはや限界」と値上げに言及――すでにAndroidでは値上げラッシュが始まる (2026年06月28日)
  4. 「モラルが欠如している」──LINE安否確認で“悪ふざけ”、SNSで批判の的に (2026年06月26日)
  5. ダイソーで770円の「備えラジオ」は“備える”以上に”ノスタルジック”だった件 目的に徹したシンプルさが懐かしさを呼ぶ (2026年06月27日)
  6. ソニー「aiboはやめません」──“次の開発”も明かす オーナーに「安心してください」と呼びかけ (2026年06月27日)
  7. ソフトバンクの5G通信が速くなる「Fast Access」を試す 非対応回線と有意な差も、見えてきた“次の課題” (2026年06月27日)
  8. NHKはなぜ「スクランブル化」しないのか? 「公共放送」という位置付けが足かせ? (2026年06月27日)
  9. 「日本は6G周波数の議論すら始まっていない」 クアルコムが抱く危機感と、AI時代の次世代通信 (2026年06月26日)
  10. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー