「Suica私書箱」と世界標準ケータイ「Nokia E61」を使ってみたら?!プロフェッサー JOEの「Gadget・ガジェット・がじぇっと!」(4/4 ページ)

» 2007年01月25日 19時57分 公開
[竹村譲,ITmedia]
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 筆者が、この「会員制Suica私書箱サービス」を契約した昨年秋には、「おサイフケータイ」であるNTTドコモのD903iを使用していたが、SIMロックフリーで登場したNokia E61に惹かれ、またしてもケータイの衝動買いとなった。

 一般的に見ると「おサイフケータイ」から「第三世代ケータイ+Suica」というと、逆行とも思える移行だろう。Nokia E61を納めた革ケースの背面にSuicaを滑り込ませたが、筆者のVAIOでは、Suica内のデータは読めなかった(実際のJR改札では確認していない)。どういうわけかSuicaは多少分厚いサイフに入れても読み取れるが、金属物がSuicaの側にあると読み取れないらしい。Nokia E61の電源を落としても結果は同様だった。

photo 世界標準のケータイなら、デジタルペンのような楽しく役立つガジェットも自由に使える

 ということで、SuicaをNokia E61のケースに収納するのは諦め、従来どおりサイフに収納することで解決はついた。おサイフケータイ1個で何処でもという見果てぬ夢は実現しなかったが、銀座のグッドなレストランでSuicaが使える訳でも無く、しばらくの間は、Nokia E61とSuica入りの本物のサイフの二重生活を続けようと思った。

 筆者は、基本的に自分宛のメールをインターネットメールだけに限定して1カ所で受信し、必要と目的に応じて、ケータイなどに転送して対応している。ケータイのメリットは、当たり前だが、常に携帯出来ること。常に電源ON、そして常にメール受信待ちの状態が標準であることだ。

 しかし、通信サービス環境の異なる北欧生まれのNokia E61は、ケータイクライアントとして、企業用に作り込むタイプのサーバアプリケーションと連動することでPush型やSync型メールを実現している。そのため、これを個人のユーザーやSOHO事業者がビジネスツールとして活用しようとした場合、日本の大手キャリアの通信サービス環境は欧米諸国と比較して余りにも遅れているか、おかしな方向に進み過ぎていると言わざるを得ない。

 Nokia E61+FOMAカードの通信環境では、国内独自規格のiモードはサポートされていないため、すべての転送メールは、iモードメールのようにリアルタイムに送受信できない。分単位で取り込む必要性のあるメールの頻度は人によって異なるが、大事な彼女との待ち合わせの連絡を、音声ではなくケータイメールで頻繁に行う必要のある人には不便なマイナス要素として映るだろう。しかし、世界共通のインターネットをインフラにして、標準化されたEメールクライアントとして、パソコンやPDAの様に活用するならベストのクライアント・ソリューションとなるだろう。

photo 専用紙に手書きしたイラストや手書き文章をE61に取り込める。もちろん、メールの添付ファイルとしてどこにても送れる

 現在、筆者はNokia E61のEメール「自動受信の設定」を、毎日・朝8時〜午前2時までを受信時間帯と指定して、1時間に一度、E61自らがPOPサーバにアクセスしてメールを受信するポーリング・サイクルを指定している。

 これはメールがサーバに届いていても無くても、1時間に1回、遙か遠くPOPサーバへメールの有無を確認するために不要なパケットが飛び交い、電話料金を押し上げる要因となる。メールがあったとしても、メールの到着後、最悪、1時間後にその存在を知ることになるのだ。もちろん、彼女と待ち合わせの時には、サーバへのポーリング間隔を30分刻みに変更することもできるし、金に糸目を付けないくらいの良い女なら、常時接続というウルトラリッチ技も有効だろう。

 SIMロックフリーのケータイビジネスは本来のあるべき姿ではあるが、国際的なケータイ電話の標準仕様と、国内の回線キャリアのサービス・スペックのミスマッチがユーザーの不便を今後もしばらくは引き起こす可能性が高い。

 大騒ぎの割には、日本のケータイユーザのたったコンマ数パーセントにしか影響を与えられなかったMNPや、SIMロックフリーの携帯電話であるNokia E61の登場が日本のケータイ産業を、キャリア中心/メーカー従属の環境から、ユーザーと顧客中心の産業に移す糸口となることを期待したい。

 世界中で使える国際標準のケータイ規格の下でのローカルサービスビジネスの拡大と発展が、本来の日の丸ケータイビジネスのあるべき姿だろう。

竹村譲氏は、日本アイ・ビー・エム在籍中は、DOS/V生みの親として知られるほか、超大型汎用コンピュータからThinkPadに至る商品企画や販売戦略を担当。今は亡き「秋葉原・カレーの東洋」のホットスポット化など数々の珍企画でも話題を呼んだ。自らモバイルワーキングを実践する“ロードウォーリア”であり、「ゼロ・ハリ」のペンネームで、数多くの著作がある。2004年、日本IBMを早期退職し、国立大学の芸術系学部の教授となる。2005年3月、より幅広い活動を目指し、教授職を辞任。現在、国立 富山大学芸術文化学部 非常勤講師。専門は「ブランド・マネジメント」や「デザイン・コミュニケーション」。また同時に、IT企業の広報、マーケティング顧問などを務める。

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