イー・モバイルが3月31日に携帯事業を開始する。第1弾端末の「EM・ONE」と、データ通信カードの「D01NE」は、3月1日から東京・名古屋・京都・大阪の家電量販店49店舗とイー・モバイルオンラインストアで先行申し込みを受け付けている(2月28日の記事参照)。
そのさなか、「イー・モバイル体感キャンペーン」を実施中のヨドバシカメラ マルチメディアAkibaに、イー・モバイル 代表取締役会長 兼 CEOの千本倖生氏が来店。現時点での申し込み状況や今後の販売戦略を語った。
ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaでは、エントランスに体験ブースを設置したほか、店内の携帯電話コーナーに専用カウンターを設け、さらにノートPCコーナーなど関連する売り場にも実機やパンフレットを多数配置した。同点ではこの日までに、約200件の事前申し込みを受け付けるなど、反応は上々だという。当日はキャンペーン開始後、初の週末ということもあり、多くの来店者が足を止め、家族連れやカップル、学生などが、EM・ONEの操作感や、D01NEとノートPCによる高速通信を試していた。
体験キャンペーンを視察した千本会長は、「ヨドバシカメラが入り口近くの“一等地”をこんなに広く使わせてくれるのは珍しい。これも『EM・ONE』や『D01NE』、我々が提供するHSDPAサービスへの期待の大きさを感じる」とコメント。3月1日から始まった先行申し込みについては、「具体的な数字は話せないが、初日は想定の3倍以上申し込みがあった。2日目は初日の8割と若干落ち着いたが、依然として予想を超えている」と、好調な出足であることをアピールした。
予約の順調な伸びで心配になるのが、端末の在庫状況だが「あらゆるケースを想定した在庫管理を行っており、品切れでユーザーに迷惑をかけることはない。営業担当は品切れになるくらい売るつもりだし、流通担当はいくら予約を受け付けても品切れを起こさないつもりでがんばっている」(イー・モバイル)と説明しており、サービス開始直後に品薄になるような事態は起こさない意気込みだ。
また、オンラインストアからの予約も好調で、「店舗予約と同じく、ネットからも事前の予想を大きく超える申し込みがあった。店舗とオンライン受付の比率も明かせないものの、予想の上回り具合はネットのほうが大きい。オンラインストアでの取り組みも今後充実させていく方向だ」(千本氏)という。
好調の要因として千本氏は、EM・ONEの持つ4.1インチの大画面、ワンセグ、フルキーボードという魅力のほかに、「我々のサービスが、日本のモバイルユーザーの不満を取り除くからだ。PHSの遅い接続環境や携帯電話の高い接続料金に、ユーザーは非常にフラストレーションを感じている。定額料金で下り3.6Mbpsを使い放題というプランに人気が集まるのも当然」と分析。
また、「EM・ONEは、サービス開始時の大きな目玉で話題性のある製品。市場にインパクトを与えるいわば戦艦で、D01NEなどのデータ通信機器が戦艦を守る駆逐艦になる。この2つ存在で艦隊を組んでいくが、長い目で見ればD01NEのようなデータカードが主流になるだろう」(千本氏)と、中・長期的にはPC向けのデータ通信がメインの事業になると予想した。
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