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» 2007年04月05日 21時10分 公開

モバイルの法人市場が動き始めた3つの理由──インテリシンクの荒井社長

スマートフォン向けデータ同期ソリューションの提供で知られるインテリシンクの荒井社長が、モバイル法人市場の現状と、それに伴う同社の戦略を説明した。

[後藤祥子,ITmedia]
Photo インテリシンク代表取締役社長兼ノキア エンタープライズソリューション 日本オペレーティング担当副社長の荒井真成氏

 各キャリアがビジネス利用に適した端末やサービスの投入に本腰を入れつつある中、データ同期ソリューションを提供するインテリシンクが、スマートフォン向けグループウェア連携ソフトの最新版となる「Intellisync Mobile Suite 8」を発表した。

 発表会の席上でインテリシンク代表取締役社長兼ノキア エンタープライズソリューション 日本オペレーティング担当副社長の荒井真成氏が、法人携帯市場のトレンドと同社の法人戦略について説明した。

3つのエリアにフォーカスしてサービスを展開

 エンタープライズ系のモバイルソリューションがようやく花開きつつある中、インテリシンクは3つのエリアにフォーカスして事業を展開すると荒井氏。1つは欧米の上位ホワイトカラー層に定着しつつある「ワイヤレスEメールビジネス」だ。

 荒井氏は個人情報保護法の施行後、PCの持ち出しが厳しく制限されるようになったことから、日本でも案件が増えていると説明。ASPタイプのサービスも増え始め、簡単かつ低コストで導入できる環境が整いつつあることから、今後ユーザーが増えると予測する。

 もう1つは、従来からソリューションは提供されていたものの、大規模な展開には至らなかったバーティカルアプリケーションのモバイル化。検針作業などのフィールドサービス用端末を、専用のものからスマートフォンに置き換える動きが見られるという。

 3つ目は、企業の内線電話に携帯電話で対応できるようにする「IPセントレックス」の分野だ。例えば無線LAN機能を備えたノキアの「E61」と日本アバイアの「one-X Mobile Edition」、シスコシステムズの「Unified Communications」といったIP-PBXソリューションを組み合わせることで、「携帯電話が内線電話になり、無線LANのアクセスポイントがあれば、そこから海をまたいで内線電話を使えるような世界が構築できる」(荒井氏)。

 インテリシンクも、シスコシステムズのソリューションと連携可能なIntellisync Call Connectというモジュールを提供しており、積極的に推進したい考えだ。「構内PHSシステムを使ったソリューションが置き換え時期にさしかかっていることもあり、案件として動きがある」(荒井氏)

携帯の法人利用が動き始めた3つの理由

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 これまで導入が進まなかった法人分野に、動きが見られるようになった理由は3つあると荒井氏は指摘する。1つはデバイス自体の高機能化だ。最近のスマートフォンはバッテリーの持ち時間が改善されるとともに、電話としても使いやすい形になるなどハードウェア的な要因が解決され、それが法人の導入につながっているという。

 2つ目はセキュリティ確保に必要なテクノロジーの発達。モバイルデバイスは、「シカゴでユーザーがタクシーの中に置き忘れる携帯電話は、年間5万とも10万とも言われている」(荒井氏)という例からも分かるように、PCなどに比べて紛失や盗難のリスクが高い。法人ソリューションに組み込まれたモバイル端末には、企業内データや個人情報が保存されるため、セキュリティの保護が重要になる。

 日本では、日本版SOX法の導入が間近に迫っていることから、企業が策定したセキュリティポリシーに対応するためのテクノロジーが進化したといい、これが法人のモバイルソリューション導入でも奏功したと見る。

 3つ目は運用コストの問題が解決されつつある点だ。「バージョンアップや紛失時のリカバリー、コールセンター、インストレーション、トレーニング……。1台のモバイルデバイスをメンテナンスするのに、年間2000ドルくらいかかるという調査結果がある」(荒井氏)というように、これまではそれなりの運用コストが必要となっていた。しかし最近の法人向けソリューションは、管理者の負担を軽減する方向に進化しているという。

 「この3つの要素が技術的に整い、それが火付け役になってモバイルソリューションを展開できるようになった」と荒井氏。インテリシンクとしても、この路線を推し進めてモバイルソリューションを提供するとした。

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