まあとにかく薄い。板のように薄い。ソフトバンクモバイルの超薄型Samsung電子製端末が「707SC」。厚さは11.9ミリ。これだけ薄いのだからカメラ機能も推して知るべしかもしれないが、それなりに薄さを生かしたおもしろい構造になってる。
カメラはヒンジ部分にある。最近では珍しい回転式で、1つのカメラでアウトカメラとしてもインカメラとしても使える。
撮像素子は200万画素のCMOSセンサー。スペースの都合か、撮影補助用ライトやマクロモードは備わらない。パンフォーカスのみとなるので、近距離にはピントが合わないのがやや難点だ(大雑把にいって、50センチくらいがぎりぎり)。思い切って携帯カメラとして当たり前とされてる機能を削った潔さは評価したい。
そんな端末なのでカメラ機能もシンプルだ。
ディスプレイを開いて十字キー左の[カメラ]キーを押すとカメラモードになる。起動時間は約3秒。やや待たされる感じだが、起動後のレスポンスはそこそこである。
撮影画像は基本、横長となる。つまり、普通に端末を縦に構えて横長の写真が撮れるスタイルだ。最大解像度は1600×1200ピクセル。QVGAサイズのみ縦長の240×320ピクセルも選べるが、この場合は左右がトリミングされた画角となる。
707CSのファインダー表示設定は、ノーマル、アイコン表示なし、グリッド線あり、フルサイズビューの4種類がある。このうち、ファインダーとして縦向きで構えたディスプレイいっぱいに表示される“ノーマル”(デフォルト設定)の表示方法にやや違和感を覚える。
このモードは左右がトリミングされた状態でファインダー表示されるが、シャッターを切ると撮影時には画面から“はみだしていた左右”を含めた横長の画像として記録される仕組みのもの。2Mモードでも縦長の写真を撮ってくれるのかと思いきや……これはかなりまぎらわしい。[#]キー押下で画面表示を切り替えるか、ファインダー表示設定で“フルサイズビュー”にすると、きちんと撮影範囲がフル表示されるわけなのだが(この場合は上下に余白ができるので撮影範囲が小さく見えるという欠点はあるが、写る範囲はしっかり把握できる)。
そのほかの撮影機能は至ってシンプル。画質設定のみ多め(エコノミー、ロー、ノーマル、ファイン、スーパーファインの計5段階)に項目が用意されるが、それ以外はモノクロやセピアにできるエフェクトやフレーム挿入機能、ホワイトバランス設定、連写(6枚/9枚/15枚)、コマ分割撮影(1枚の画像に4コマ/9コマ分の写真をまとめる機能)があるくらいだ。
なお、レンズを180度回転させて自分に向ける、“自分撮りモード”も容易。撮影画像が上下で反転するので、左側面の[▲][▼]キーで上下と左右反転操作を行う。ただし、レンズの位置によってはボディが写り込んでしまうので、利用可能な角度の範囲はそれほど広くはない。ちなみに“自分撮りモード”左右を反転させると、鏡のかわりにも使える。
撮った写真は内蔵メモリへ保存する以外に、そのままメールやBluetoothで送信したり、編集やダイナミックエフェクト操作などが行える。撮ったあとですぐ遊べる気軽さが707SCのカメラの特徴といっていい。
ちなみに外部メモリカードスロットを備えず、保存はすべて内蔵メモリ(最大約130Mバイト)に行う。PCへのデータ転送はUSB接続で行う方法以外に、Bluetoothでも可能。ケーブル接続なしで行えるBluetooth送受信はてっとり早く、お勧めだ。
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