韓国でもついに“プラダケータイ”が登場した。SK Telecom(SKT)でのモデル名は「LG-SB310」で、LG Telecom(LGT)では「LG-LB3100」だ。供給するLG電子は、韓国内では“デザインにこだわりのあるメーカー”というイメージが定着している企業。プラダケータイ以前から、デザインに対して一貫したこだわりを見せている。
LG電子はこれまでにも「Roberto Cavalli」などのブランドと提携して携帯電話を販売してきたが、韓国内で流通することはなかった。そのため、今回のプラダケータイへの期待感は高く「海外でプラダケータイを公開してすぐ、韓国内での販売についての問い合わせが殺到した」(LG電子)という。
韓国向けのプラダケータイは、海外向けと異なり地上波DMB(韓国の地上デジタル放送)の受信機能を備えている。また地上波DMB視聴時に電話が来た場合、自動的に番組を録画する「タイムマシーン機能」も持つ。
ディスプレイはタッチパネルで、スタイラスペンを使ってハングル文字を手書き入力できる。人ごとに異なる筆跡をより正確に認識するため、分解能を従来の2500倍の精密度に高めた。また、タッチした瞬間には細かな振動が起こり、タッチ感も感じられる。
韓国での価格は約88万ウォン(約11万4500円)と、歴代のCYON(LG電子の韓国内ブランド)端末の中でも最も高価だ。欧州での価格は600ユーロ(約9万7700円)で、韓国での価格が高すぎるという声もあるが、この強気の価格設定には、地上波DMBなど機能追加だけでなく、ブランドイメージを維持する狙いもあるようだ。ただし、ショッピングサイトによっては、70万ウォン(約9万1000円)台後半で販売しているところもある。いずれにしてもけっして安くはない価格だ。
現在、韓国の各メディアはプラダケータイをこぞって取り上げている。ネット上ではさっそくユーザーグループが立ち上がり、ポータルサイトのユーザー同士の質問・回答コーナーでもその価格や性能について活発な情報交換がなされている。
一時は人気ニュース検索の上位にもランクインするなどの盛り上がりようだった。インターネットが重要なマーケティングツールとなる韓国だけに、当然ハングル版の専用サイト < http://www.pradaphonebylg.co.kr/ > も開設された。
携帯電話にデザインを求めるならLG――韓国においてLG電子はそんなイメージを持つメーカーだ。これまで「チョコレートフォン」「Shine」(シャイン)など、世界的なヒットを記録した端末が多く、それらはいずれも高いデザイン性で人気を得ている。
チョコレートフォンは、LG電子のプレミア携帯ブランド「ブラックラベル」の1モデルで、2007年4月に全世界の累積販売量が1000万台を突破した。2005年11月に発売され、2006年春からは海外販売も開始。同11月には月間で600万台を販売するなど世界中で人気の端末だ。
このチョコレートフォンをデザインしたLG電子の社員は、後にLG電子の「スーパーデザイナー」に任命された。スーパーデザイナーとは優れた商品デザインを行った人に与えられる称号で、1年ごとに1〜2名が選抜される。スーパーデザイナーには名誉だけでなく役員クラスの待遇も与えられ、LG電子のデザイナーとしては最高の地位といえる。
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