ぐるなび、おサイフケータイを利用するクーポンサービス「ぐるなびタッチ」

» 2007年08月29日 23時26分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 ぐるなびは8月29日、おサイフケータイを利用した飲食店用スタンプ・クーポンサービス「ぐるなびタッチ」を発表した。9月3日からスタートし、2007年度中に全国1万店で利用できるようになる見込み。

 店舗に設置した専用リーダー/ライターに、おサイフケータイをかざすことで利用できる。対応端末は、NTTドコモ(FOMA 902i/702i以降)、au、ソフトバンクモバイルのおサイフケータイ。ユーザーは無料で利用できる。

店舗に設置される「ぐるなびタッチ」端末とその背面。非常にシンプルな作りだ

店舗は“電源を差し込むだけ”

 ぐるなびタッチの最大の特徴は、店舗側もユーザー側も、操作が簡単で準備がほとんど不要な点にある。店舗側は、ぐるなびが用意したぐるなびタッチ端末を店舗に設置し、電源コンセントを差し込むだけで利用できる。ユーザーは、ぐるなびタッチの端末におサイフケータイをかざすだけだ。

 ぐるなびでは同サービスを「ユーザーのおサイフケータイをスタンプカードにするサービス」と説明しているが、実はおサイフケータイの中にスタンプカードやクーポン情報の実体があるわけではない。

 ぐるなびタッチの端末には三者間通信に対応したFeliCaリーダー/ライターが埋め込まれており、ユーザーがおサイフケータイをかざすと、3キャリア共通の標準機能※である「Web to機能」を使って、店舗IDを埋め込んだURLを携帯電話に送る(参照記事1記事2)。ユーザーはそのURLにアクセスすると、“このIDを持った店舗に来店した”という情報を持った状態で携帯用のぐるなびサイトにアクセスできるという仕掛けだ。

※三者間通信はFeliCa搭載携帯であれば3キャリア共通で利用できる機能だが、NTTドコモの初期のおサイフケータイでは利用できない。ぐるなびタッチの対象機種でドコモのおサイフケータイがFOMA 902i/702i以降となっているのはこのためだ。

 クーポン情報やスタンプ情報はすべて、携帯電話の中ではなく、サーバ上に置かれている。いちいち携帯でぐるなびタッチのサーバにアクセスする手間が必要な半面、アプリのダウンロードが不要で、かつキャリアを問わない仕組みになっている。

店舗側もユーザーも簡単に利用でき、準備が不要な点がメリット(左)。リーダー/ライターには店舗のIDがひも付けられており、おサイフケータイでアクセスすると携帯IDを組み合わせた状態でぐるなびタッチのサーバにアクセスする。来店記録や得点情報、キャンペーン、クーポン情報などはすべてサーバ側で一元管理している(右)
ぐるなびタッチの端末におサイフケータイをかざすと、携帯のブラウザが起動する。そのまま「はい」を選ぶと、ぐるなびタッチのサイトにアクセスし、クーポン情報や来店履歴などを確認できる。自分が利用できるクーポンやサービスは、「宝箱」というメニューで一覧できる

ぐるなびサイトではできなかったことをやる

ぐるなび社長の久保征一郎氏

 ぐるなびは日本全国の飲食店のサイトをまとめた、グルメ情報総合ポータルを運営している企業だ。ユーザーはPCや携帯からぐるなびにアクセスし、行きたい店を検索したり、店舗の基本情報やメニュー、割引クーポン(一部)などの情報を得ることができる。

 ぐるなびタッチは、ぐるなびを補強するサービスいう位置づけになっている。これまでぐるなびはPCや携帯サイトでクーポン情報を配信していたが、ぐるなびタッチは、リアルの店舗でクーポンなどの情報を配布することを目的としている。

 従来、ぐるなびの利用者はぐるなびのWebサイトの利用者であり、実際に店舗に来た顧客を、その店舗のリピーターにするためのアクションが取れなかったと、ぐるなび社長の久保征一郎氏は説明する。「従来の『サイトを見て来ました』という以外の、新しい(利用者の)行動を喚起したかった。実際に店舗に来た人をキャッチし、次の来店に結びつける方法はないだろうかとずっと悩んでいた」(久保氏)

従来できなかった「店舗に来た客のリピーター化」を目指す

導入店舗とユーザーのメリットは

 ぐるなびが説明する、ぐるなびタッチを導入する店舗のメリットは「リピーター客の獲得」「店舗会員の増加」「マーケティング情報を取得可能」「複合的なサービス展開が容易になる」などだ。また、追って開始予定のスタンプサービスは「既存スタンプカードから変えるのも簡単で、新規スタンプサービスを開始するより準備の手間がかからない」と説明する。また、ぐるなび自身が各種キャンペーン特典(似顔絵プレゼント、スロット、おみくじなど)を提供するので、店舗側の負担が少なくて済むという。

 ユーザー側のメリットとしては「カードが増えるのと違い、財布がかさばらない」「カードと違い、使いたい時に持っていないケースが少ない」「携帯をなくしたり、機種変更しても使える」「アプリのダウンロードが不要で、かざすだけで利用できる」「無料で利用できる」などを挙げていた。

 こういったサービスを投入する背景としては、3G携帯電話が普及し、パケット代定額制を利用している人が増えていることに加え、おサイフケータイが普及してきたことが大きいという。FeliCaを搭載した携帯電話は4月に3キャリア合計で3000万台を突破し、現在携帯電話3台に1台はおサイフケータイといえる状況だからだ。

 上に書いたように、ぐるなびタッチは携帯電話の中に、直接クーポン情報などを送るサービスではなく、実際には各種データはサーバ上にある。店舗IDとひも付けたURLを携帯に読ませるだけであれば、FeliCaではなく例えばQRコードなどを使うという選択肢もあるが、「もちろんQRコードも検討した。しかし、カメラを起動してQRコードを撮影して読み込んで……という手順は煩雑だし、できない人もいる。“おサイフケータイでタッチする”という操作感は、テストしてみても非常によく、おサイフケータイで行こうと決めた」(久保氏)

ぐるなびタッチ端末のデザインは多数用意されるほか、店舗側でも変更可能
先着1万名に「似顔絵プレゼントキャンペーン」を行う。ぐるなびタッチにアクセスし、自分の顔写真を撮って送ると、数日後に似顔絵の画像が送られてくる(左)。12月の忘年会シーズンまで、各種キャンペーンを行い導入を促進。2007年度末までに1万店の導入を目指す(右)

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