5分で分かる、2007年上半期のモバイル事情(前編)(1/3 ページ)

» 2007年09月03日 18時01分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

番号ポータビリティ、3キャリアで明暗が分かれる

 番号ポータビリティの開始から10カ月。その結果は明暗が大きく分かれた。2006年9月末の各キャリアの累計シェアは、ドコモが55.5%、auが26.1%、ソフトバンクモバイルが16.3%だったが(2006年10月の記事参照)、2007年7月末にはドコモが53.7%、auが28.8%、ソフトバンクモバイルが16.9%となっている(8月7日の記事参照)

 ドコモは番号ポータビリティ開始以降、ふるわない状態が続き、2006年11月には初の純減を記録。純増トップの座をauに奪われることになった。しかしそのauも、5月に純増トップの座をソフトバンクモバイルに明け渡し、ソフトバンクモバイルがその座を7月末まで守っている。

 ドコモは依然、累計シェアで半数以上を占めているものの、このままシェアを奪われ続けると5割を切る可能性もあり、この下半期が正念場になりそうだ。

料金競争、熾烈な争いに

Photo 1月5日に披露された「ホワイトプラン」

 2007年の料金競争は、1月5日のソフトバンクモバイルの「ホワイトプラン」の発表で幕を開けた(1月5日の記事参照)。ホワイトプランは月額980円の料金プラン。ソフトバンク携帯同士のメールは無料で利用でき、通話も1時から21時までは無料になる。Yahoo!ケータイを利用する場合には追加で月額315円のS!ベーシックパックに加入する必要があり、また他キャリア端末ユーザーとの通話やメールにはその分の利用料がかかるなど、実質980円だけでは済まないケースもも多いものの、やはりこの価格設定のインパクトは大きかったと見え、8月13日には契約数が700万を突破した(8月13日の記事参照)

 なおソフトバンクモバイルは、1月25日に通話料が半額になるオプションプランの「Wホワイト」、5月9日にホワイトプランに加入する家族同士の通話が24時間無料になる「ホワイト家族24」を投入するなど、矢継ぎ早に新たなプランを提供。それが加入者増に貢献した模様だ。

 ドコモとauも、ついに料金体系に大なたをふるい、6月26日にはドコモが新割引プランの「ファミ割MAX」と「ひとりでも割引」を発表。2年間の継続利用を条件に、基本料金の割引率を上げる施策を発表した(6月26日の記事参照)。すると今度はKDDIが2年の継続契約を条件に、基本料金を半額にする「誰でも割」を発表し、ドコモへの対抗姿勢を見せた。この施策にドコモはすぐさま反応し、割引プランを改定。ファミ割MAXとひとりでも割引の割引率を一律50%に引き上げ、名称も「ファミ割MAX50」「ひとりでも割50」に変更した(7月27日の記事参照)。まさに「打ったり打たれたり」(中村社長)の戦いとなり、今後の推移に注目が集まる。

Photo auが7月19日に「誰でも割」を発表すると(左)、ドコモが7月27日に割引プランを改定(右)

 今後、注目されるのが、PCと接続して定額で利用できる「データ定額」。これまでデータ定額を提供するのはPHSキャリアのみだったが、3月末に開業した携帯キャリアのイー・モバイルがHSDPAを利用したデータ定額の提供を開始し、人気を博している。

 ドコモもPHSの代替サービスとして64kbpsパケット通信を4200円の定額で提供する予定だが(4月27日の記事参照)、HSDPAが普及し始めた今となってはこの速度の定額に魅力を感じるユーザーは少ない。携帯3キャリアが、いつデータ定額に踏み切るかに注目が集まる。

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